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寝る子は育つ

作者: GONJI

朝7時

目が覚めた

今日はよく眠れた

ありがたい!これを安眠と言うのだろうか

窓を開けてみる

おっと!外は寒いようだね

なかなか清々しいとは言えないようだ

すぐに窓を閉めた


午前10時

暖房の効いたリビングにて

ソファーに深く腰掛ける

ふんわりして雲に乗って空を浮遊しているみたいだ

じゃあ・・・見下ろして見る

うん?同居の犬が床の上にちょこんとお座りして私を見上げている

そうか・・・ここは空の上じゃ無かったんだ

目を瞑ってみる

おや?いつの間にか空を飛んでいる夢を見ていたようだ


午後1時

昼食の後のまったりした時間

引き戸のガラス越しに射す日当たりの良い縁側に置いてあるロッキングチェアに座ってみる

この椅子もクッションが優しく包んでくれる

深々と座り少し揺らしてみる

なんとも気持ちのよい感覚に包まれる

いつの間にか犬が膝の上に載って来たので撫でるとだらんとした

私も同じようにだらんとして束の間だが、犬といっしょに眠ったようだ


午後3時

今日はほうじ茶を飲んでみる

緑茶でも紅茶でもないこの優しい風味に癒される

そうだ買っていた草餅があったはず

遠慮なくパクッと食べてみる

野草の風味が田舎道へいざなってくれる感覚になった

甘味は心を落ち着かせ安心させてくれる

午後のほうじ茶のあとは・・・お昼寝かね?


午後5時

この季節は夕方が短い

つるべ落としと表現される季節はさらに進み外はもう暗くなっている

窓の外のその風景に何故か侘しさを感じてしまう

今日もお疲れさまでした

誰に言うのでもないのだけれど

今日は鍋料理が食べたいねぇ

そう思って晩御飯を待つ間に居眠りしたようだ


午後7時

晩御飯ですよ!の声に目が覚めた

温かい湿気にのって出汁の風味が香る

寄せ鍋かな?

かぼちゃの煮物の小鉢もあった

いただきます!

お腹に優しい料理なのでついつい食べ過ぎてしまった

ご馳走さま!

暫く休憩しよう

でも、何をするでもなくボーっとしていたら・・・眠っていた


午後9時

さぁ入浴しよう

寒いからよく温まりたい

湯船からは柚子の香りがする

そうか今日は冬至だったのか

季節感など感じなくなりつつある最近だけれど

柚子の香りは好いよねぇ

温まったあとは寝床が待っている


毎日そんな日々を過ごしていた晩年の祖母

寝る子は育つとは言うけれどこれだけ眠っても全然大きくならず、反対にどんどん小さくなって行くように見えた

同じような日々のある日の朝、祖母は目を覚まさずに永遠の眠りについていた

眠りはいつかあちらへ帰るための準備だったようで、実は人は生まれてからずっと眠っている間に魂がどんどん育ち、成熟したら帰ることになっているらしい


寝る子は育つ ―完―


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