5月14日(水)〜5月17日(土)
なかなか忙しく、日記を書く暇がなかった。
十四日(水)に父が退院。大型カートいっぱいになった荷物を車に載せる。痰の吸引器、カニューレのチューブ(箱入り)、人工鼻(箱入り)、などのほかに入院中にたまった私物がたくさんあった。
去年の十月末に倒れてからここまで、約半年以上入院生活を送っていたので、それだけ荷物も多かった。
最初は死亡率が五割から六割と言われ、かなり危険な状態を過ごしていたが、体は丈夫なようで次第に容態が回復していった。緊急治療室から三階の病棟へ移り(とりあえず命の危機は脱し)、目も見えるようになった。二階のリハビリ病棟へ移ってからは車椅子に乗る姿を見せてくれるようになり、穏やかだった顔は次第に元の険しい表情に戻っていき、面会の際にはいつもなにかを訴えるようにペンを走らせていた。
一時は全身麻痺も覚悟していて、ただ目さえ見えてくれるようになればいい。そんな風に考えていたが、右半身はかろうじて動かせるようになり、自分でパソコンもできるので、なんとか最低限の動きは確保できたように思う。ただ首にカニューレを挿しているので喋ることができないし、定期的に痰も取ってあげないといけない。トイレも自分でするのは難しいので、オムツでの処理になる。体の半分が動かないというのは、とてももどかしいものなのかもしれない。
退院日とその次の日は、回転寿司でお寿司をつめて持ち帰り、退院祝いにお酒も飲んだ。車椅子で食べたいと父が言うので、母と一緒になんとか移乗させた。ただ二回目のときは座りが浅かったらしく、だんだんとずり落ちてきて最終的には畳に落ちてしまった。それからはベットの上で食べるようになっている。
退院初日? には便がでた。どろどろの形状でオムツいっぱいにでたので、なかなか処理するのが大変だった。おしりふきで便を拭き、オムツを新しいものに替える。できれば訪問看護のときに処理してもらえれば一番いいのだが、なかなかタイミングよくはいかないらしい。便を処理した袋は、袋越しにも臭いがするので、ごみの日に捨てるときも大丈夫かなと少し心配になってしまった。
痰吸引などは病院で何回も練習させてもらったので、そこまで大変ではない。寝ていると痰もあまり出ないようで、夜中に起こされるということもない。Amazonでナースコールも取り寄せたので、なんとか安全は確保している。
いま一番困っていることといえば、帰ってきた父がベットの上から指示を飛ばすことだ。何かというとテーブルを叩き(こっちにこいという意味)、文字で指示を出してくる。もらった薬をまとめておけとか、書類関係をファイルに挟めとか(書類管理は自分でしたいのだが、父用のファイルを用意することにした)。
お金を残すためにNHKを解約すると言い出したときは、ちょっと了承できず、そこから口論になってしまった。自分は見たいので、じゃあ受信料払うよと言っても納得してくれない。いまは生活費は父の口座から出しているので、お金の管理はすべて自分がするというのが父の意見。
話し合いがヒートアップしてくると、じゃあ今まで使った金を返せと言ってきたので、自分も頭にきて家を出て祖母の家に逃げてしまった。父は机をバンバン叩いていて、母がやめてとそれを止める。退院して数日なのにいきなり衝突があり、先が思いやられる。