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不定期日記 2025  作者: O馬鹿者
2025年(令和7年)
45/54

12月10日(水)

 母が酔いはじめると「布団に行って」と言っても寝てくれず、玄関においてある今日つくった煮物を摘まんでみたり、またはトイレに行ってそのまま眠ってしまったり、台所でゆらゆらと体を揺らしていたりする。

 そういう様子を見ていると自分の中でチャンネルが切り替わるように、母に対して攻撃的な態度を取ってしまう。まるで長い時間をかけて脳に刷り込まれてしまったように、酔った目を見るだけで怒りがこみ上げてくる。

 父親は半身不随なうえに、母親がこの有り様だと、もう本当にいやになる。一緒の空間にいるので見たくなくても視界に入ってしまうし、いくら言葉で呼びかけても目をつむっているばかりで反応もない。「おい起きろ」と、髪の毛引っ張ってやりたくなる時もある。そこは何とか自制しているが、頭を爪で抑えつけたり、肩を強めに叩いたりということは何度もしている。

 いつだったか軽く支援員さんに「昼間からお酒飲んで寝ちゃう」ということは話した気がするが、むこうも苦い顔をするだけで、返す言葉に困っていたような気がする。おそらくこういう話は、身内の不幸自慢のように聞こえてしまって、なかなか芯からの理解というのは得られないのだろう。

 そんなに嫌なら家を出ればいいだろう、と聞いている側からすれば感じるのかもしれない。けれどそんな簡単なことではない。自分がいなくなれば、父と母だけで暮らしていくのは難しいだろう。それこそうんこぐらい施設でしてもらってきてくれないと困る。血圧なんて測ってないで訪看には体を拭いてもらうくらいしてもらって、また母は腰が悪くて五分と歩いていられずその場にしゃがみ込んでしまう有り様なのだから、今度は母の訪看を頼んで買い物を手伝ってもらったりする必要もあるだろうし。毎日が忙しくなれば薬の飲み忘れだって起こってくるだろう。そういうのも訪看に管理してもらった方がいいだろうし。

 仮に自分が出ていくとなれば、そういう風に事前の準備を完璧にしてから出ないと安心はできない。しかしそれ以前に、家の方針というのはすべて半身不随の父が決めているので、自分がこうしたほうがいいと言っても受け入れてもらえるかはわからない。

 それに自分自身、心の障害というか病気もあるから、フルタイムをしながら一人暮らしをするというのはハードルが高い。無理だ。家に寄生をしつつ、パート勤務をするというのが無難だ。

 一家全員が障害者になってしまって、この先五年後のことを考えても、目の前はなお暗くなるばかりのように見える。正直父は生きているかどうかもわからない。母は腰の状態が悪化して、下手をすれば車椅子になっているかもしれない。家の外に目をむけても、母の実家は祖母が軽い認知症なので五年後はもしかしたら何もわからなくなっているかもしれないし、そうなると一緒に暮らしている叔母は、祖母を施設に入れて自分はグループホームに行くとか、そういうことを言い出すだろう。叔母は統合失調症なので、一人で家を管理する自信がないらしい。だから早いうちに施設に入りたいと考えているようだ。

 ここそこで家の崩壊がはじまっている。家族の老朽化はどこの家でも避けられない事態だが、うちはそれが早いようだ。自分が四十になる頃には、みんないなくなって天涯孤独になっている姿が朧げに浮かぶ。

 敢えて言うと、福祉なんて気遣いや忖度ばかりでクソの役にも立たない。

 社労士は病人から金をむしり取る最低な商売だ。おそらく病院だの医学会だのと癒着してるんだろう。障害年金なんて一生涯のものなのに、なぜ医師や役人は実際に家まで足を運んで、写真や動画を撮ったり、本人や家族への聞き取り調査をしないのか。文面だけで何が分かる?

 仕事でやっているのはわかっている。でも、わたしは気持ちが欲しい。



 今も父が起き出して、(爪先で?)なにか剥がそうとしているような音が聞こえる。

 かといって手伝いにいってあげる気にもなれず。ただ、音だけが耳に入ってくる。

自分でも過激なことを書いてしまったと感じます。でも、こういう気持ちのときがあるのもまた事実だと思い、残しておこうと思います。

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