続続 11月9日(日)
父、夜中に排便。
薬の影響で、下痢状になった便が大量に出てくる。
母はいつものように片手だけビニール手袋をして、ティッシュとおしり拭きで便を拭き取る。
「うわあ、パパやめてよぉ……」と今回は流石に母もまいった様子。モリモリと出てきた便は粘土のようでたちが悪く、拭いても拭いてもなかなか汚れが取れない。母のビニール手袋も便でべとべとに光っていた。
ビニール袋一杯に詰まった下痢便とティッシュの塊を、トイレに流そうか、新聞紙か何かに包んで捨ててしまうか悩む。とりあえず、一回目はトイレに捨てることにしたが、流すと底の方で詰まってしまったようで、水が溢れるぎりぎりまで上がってしまった。
流石に焦り、「溢れる、きてー!」とすかさず母に助けを呼ぶ。母、すぐに駆け付けてくれ、すっぽんで底の方をかき混ぜ、なんとか便を流すことに成功。とにかく溢れないでよかった。
その後、ビオレママと蓋に穴をあけたペットボトルに温めのお湯を入れ、母が父のお尻と陰部を洗う。これもいつもの流れ。お湯をくみ、タオルで泡を拭き取る。
自分は基本補助で、汚れたおけのお湯を変えたりする程度。
一通り済むと、父にベットから車椅子へ移譲してもらい、その間にシーツを交換する。
ベットのシーツも、その下に敷いている防水シーツも、臭いこそついてないものの、なんとなく汚かったので、やはりこれもいつも通り洗濯かごへ。
父はよく尿瓶で用を足すときに失敗し、尿をこぼしてしまうので、洗濯はほんとうに洗っても洗ってもきりがない。何とかいい方法はないかと思うが、尿に管を挿す方法は痛みが出てしまうため出来ないし、なかなか困ったことだと思う。
その数時間後、今度はおしっこを漏らしてしまう。
尿瓶を取ろうとしたが間に合わなかったらしく、おむつにしてしまう。それならば大丈夫だろうと思うかもしれないが、おむつも万能ではなく、やはりその下のシーツにも染みてしまっている。さっき変えたばかりだったのだが……。
それでも尿漏れ程度なら自分で対処できるかと思い、おむつをハサミで切って袋に捨て、とりあえず立ってもらっているうちにシーツを交換しようとしたが、途中で変に力が入ったのか、お尻から軟便が漏れ出てしまった。
わぁーと悲鳴をあげ、流石に一人では処理できないと、急いで母を起こす。
マットへの漏れ防止のためにと、シーツの下に敷いているビニールのテーブルクロスへ、さらっとカレーソースのような軟便が垂れていく。
もうどうしようもないので「出しちゃいな」と母。父も、頷いてそのまま便を垂らす。
とりあえずテーブルクロスをお風呂場で洗ってこようと持ち上げた拍子に、そこに置いてあった汚れたティッシュが落ちてしまう。
「あー!」と悲鳴。床と掛け布団にも便が付いてしまい、母は床をおしり拭きで拭く。掛け布団カバーは洗濯するはめに。自分がしでかしたことながら、もううんざり。
洗濯かごは盛り上がった状態。これは2回は回さないとダメだろう。
明日は母の通院がある。2年ほど前から腰の痛みと、異常に膨れたお腹が目立つようになった。最初は整形外科に行き、すべり症という診断を受けたが、どうもお腹をみる限り別の要因があるような気がして、近くのクリニックで診てもらった。
血液検査の結果、筋肉の数値に異常があるとのことで、さらに大きい病院へ紹介状を書いてもらい、そこでより詳細な血液検査をしたところ、免疫性多発筋炎という、自分の免疫が筋肉や皮膚を誤って攻撃してしまう難病らしいことがわかった。先生の口ぶりからも、ネットでの情報をみても、どうも完治するものではないらしい気配が伝わってきた。
5年生存率は90%ということで、すぐにどうにかなる病気ではないようだが、なんだか自分が天涯孤独になる日も遠くないのかもしれないなと、半分冗談交じりに思ったりもした。
これから自分は労働しなければならない。
正直、こんな状態でフルタイム勤務が務まるのか、甚だ不安が残る。
しかし、将来的にはお金が足りなくなることも事実。父の障害年金だけでは足りない。
まあ、どうしようもなくなったら、その時は諦めるしかない。自分もいちおう障害者なのだし。できることに限度がある。
もう、なるようになれの精神で、日々を過ごす。
早朝、また排便。
母は文句も言わず起きていくが、自分はもう勘弁してくれという感じ。
とりあえずゴミ袋を下に挟み、そこで処理。少しシーツに付いてしまったが、もう代わりがないので仕方がない。
今回の便は本当に質が悪かった。
なんとか排便のタイミングをコントロールできないかと思う。
いまはまだいいが、例えば自分が勤めるようになれば体が持たないと思う。
なんのためにデイサービスを利用しているのだろうと、腹立たしくもなる。
施設に行ったときや、訪問で看護婦が来た時にうんこして欲しい。
こういう時のケアマネジャーだと思うが、相談したらやんわりと施設へ入れることを勧められそうだ。
善意の人もいるのだろうが、基本的に福祉というものは役に立たない。
寝不足もあって、イライラばかり。
父には悪いですが、描写力向上のため、あえて汚い表現を使ったりと実験をしました。
最初に書いていたものは、もっと味気ない淡々としたものでした。




