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不定期日記 2025  作者: O馬鹿者
2025年(令和7年)
33/54

11月7日(金)

 父の再発行してもらったマイナンバーを受け取りに市役所へ。

 駐車場から玄関前までの道を歩く。側溝に落ち葉が掃き集められていた。誰かが掃除しているのだろうと思った。

 今年は紅葉を意識する暇もなく、時間が過ぎているという感じ。忙しいのか。家にいる時間の方が多いのだが。

 この間は障害者の合同面接会に行ってきた。二社の面接を受けた。そのうち、病院の系列の介護施設の方は親切そうだったが、大学関係者との面談ではあまり好意的に見られていなかった。ような気がした。最後の質問で、「見学や体験はできますか?」と訊いてみたら――検討します。の一言だけ。たぶん落とされただろう。

 市役所の中に入り、渡り廊下を経由して西庁舎へ。マイナンバーの受付は一階の入り口付近にブースのような形で設けられている。

 受付機のそばで立っている方に「13時に予約した○○です」と告げる。身分証明書と手帳を持ってきましたかと訊かれ、「わたしのは持ってきたんですが、父のはデイケアに持っていってしまって……」などと話す。もごもごと説明下手の自分に軽い自己嫌悪。

 しかし、おそらく話している相手も、自分と同じ障害者なのだろうと感じる。市役所の障害者採用だろうか。表情や仕草でなんとなく分かってしまう。失礼のないようにと意識して丁寧に話すが、そういう姿勢がすでに相手を差別しているんだろうか、とも感じる。

 けれど、たぶん相手も自分を“普通とは違う”と感じているのだろうから、お相子なのだろう。

 少しの間、近くのクッションに座ってぼんやりと、しかし唇は引き締めて待つ。

 障害があっても頑張って働いている人はいる。

 でも、頑張るのはいやだなとも思う。

 両親が死んで、お金が無くなったら、いっそ清潔に死ぬのもいいのかもしれない。

 せめて死に場所は選びたい。とても綺麗な場所で生を終える。それもいいんじゃないか。

 目に映るものは手に入らない。

 出来損ないに生んだ世界に対しての意思表示。

 死ぬことで世界にNOを突き付ける。

 棺桶に入るなら、せめておしゃれをして綺麗な顔で死のう。

 残った目や血や臓器は生きている人に使ってもらう。



 ふと、そんなことが頭に浮かんだ一日だった。

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