8月4日(月)
旅行二日目。
岐阜から北上するつもりだったが、予定変更して京都へむかう。
理由は、岐阜から富山までの移動に3,4時間かかることを考えると、快速で京都へいったほうがモチベーションを保てそうに思ったから。
昨日の熱海~愛知間の移動で、長時間の電車移動にうんざりしてきてしまった。こう言っては申し訳ないけれど、窓を見ていても面白くないのだ。海もないし。
早起きして京都へ。二回? ほど乗り換えただろうか。
ただ昨日寝不足だったせいでアクシデントが起きる。ウトウトしているうちに京都を通り過ぎてしまったのだ。すぐ目覚めたからよかったけれども……。
新大阪で降り、仕切り直して再び京都へとむかう。
京都観光もしようか迷ったが、今回は駅の散策のみにする。
あの京都駅の、ながーいエスカレーター。高校の時に行ってずっと印象に残っていた。
駅ビルの中にも入ってみるが、手の届きそうにないものばかりなので、軽く食事をしたのちにお土産(八つ橋としば漬け)を買って、早々に福井方面へむかうことにする。
途中、ケアマネージャーさんから電話がくる。月曜日(つまり今日)、父の今後のことを話し合うことになっていたけど、いまどこにいますかと聞かれて、「ちょっと外出してます……」など歯切れの悪い返事をする。
が、結局誤魔化しきれず、旅行に出ていると告げる。
どこにいるのと訊かれたので、「京都にいます」と言ったら、驚いた様子だった。「○○さんも息抜きが必要ですよね」と、なんとなく反応も温かいように感じた。とはいえ、話し合いをほっぽり出したのだから、よくないことではあるが……。
結局、関係者間の話し合いは父のみ参加することになるようだった。
敦賀へむかい、そこからハピラインふくい(18切符対象外)で福井市へ。その後、迷ったものの、結局東尋坊へ行くことにする。
えちぜん鉄道(18切符対象外)で三国へ。終点間際なので一時間近くかかった。その後、バスに乗り換えて、十分ほど移動。
途中、ICカードの払い方がわからず、まごついていると鉄道の若い女の乗務員に大きな声で「改札でしてください」と教えられる。
バスの中にICカードをかざす機械があったので、それでできると思ったのだが、そういえば「無人駅ではバス内で清算を」という説明があったような気がした。つまり”人がいる駅では降りてから清算してくれ”ということになる。
そんなやり取りがあったので、なんだか疲れてしまった。
東尋坊は自殺の名所だというが、そこまで手間をかけて自殺しに行くのも大変なように思った。
すでに五時近かったので、出店はだいたい閉まっていた。
出店沿いを歩いていくと、やはり観光客がちらほらといる。
そして海岸に出て、その岩礁の生のままの姿というか、人の手が入っていない(階段あったから当然最低限の手入れはされているだろうけど)険しさに、思わず感服してしまう。たしかにこれは、一見の価値ありだなと思ってしまった。
けれど帰りの電車では、なんだか虚しさに包まれるような気分になった。
ここまで遠出してきて、有名な観光名所を回って、けどそれがなんになるのだろう。旅をすれば何かが変わる、そんな期待をしていたのだが、結局何をしていても「一人でいる」と楽しくない。
夕食は駅構内の中華系? チェーン店で食べた。ハイボールを三杯頼んだので四千円近く。せっかく北陸に来たのだから、海鮮ものを食べたいと思ったが、お店の雰囲気的に入りづらかったり、値段が高かったりで良さそうな場所が見つからなかった。回転寿司でもあれば入ったのだが。
いまは駅前のネカフェに宿泊している。歯磨き、髭剃り、シャワーは済ませたが、コインランドリーの使い方がわからず洗濯できなかった。ズボンは一着しかないので、今日汗まみれで動き回ったのをまた明日も着るしかない。
正直、もう帰りたくなってきた。




