5月8日(木)
昼一時から三時間のパート。障害者雇用で会社の清掃をしている。車で三十分かけて会社へ。
たった三時間なのに、最近だんだんといやになってきた。一週間のなかで掃除場所というのは決まっているので、それがルーティン化してくると、毎日毎日同じことの繰り返し……というような思考になってきて、掃除していてもつまらなく感じる。
時間はあっという間なのだが、こういうことをずっと繰り返していくのかと思うと、暗い気持ちになってくる。障害者雇用枠は、出ている求人はそれほど幅が広くなく、自分の場合一人でできるものがいいと支援員の方に希望を出しているので、やはり清掃ぐらいしかできることがない。
扶養に入っている都合上、それを越えない範囲でお願いしたいというこちらの要望を通してもらい、本当は六時間のところを三時間にしてもらった。時間帯も午前か午後のどちらがいいか希望を聞かれ、それを通してくれた。
また、わざわざ掃除のチェック表や週ごとの掃除場所まで分かりやすいように印刷してくれたりと、いろいろ配慮もしてもらっている。条件、会社の雰囲気を含め、たぶん、ここよりいい環境は、そうないのだろう。
ただ、見えないホコリを吸おうとノズルを何度も壁にぶつけながら掃除機をかけたり、便器の前にかがんでこれでいいのかと思いながらタワシで擦ったりしていると、自分にはこういうことしか務まらないのだろうか、という思いがふと脳内に差し込まれることがある。
人間はもっと大きなことを成し遂げるために、志をもって生まれてくる。そういうものなんじゃないのか、という思いがぼんやりと浮かぶ。
三年間いじっていた小説は一次選考で落とされ、書くことに自信がなくなり、最近は読むのもいやになった。虫は虫としてしか生きられないように、自分は障害者として脳に欠陥をもった人間として、トイレ掃除をする人生を送るしかないのだろうか。