6月16日(月)
毎週(月)と(木)はデイサービスで施設での入浴がある。
今朝は目覚ましをかけ忘れてしまい、ようやく目が覚めたのは施設の迎えがくる二十分前だった。
溜まったおしっこを捨てたり(性器に管がついており、尿がパックに落ちる仕組みになっている)、ズボンを着せたりしていると、施設の人が到着。
ベットから車椅子への移乗は間に合わないのでやってもらう。ただその際、ちょうど母がいる場所が邪魔だったのか「介助するのでそちらに行ってもらえますか」と無遠慮なことを言われたり、外部の人間に興奮して吠えている犬に対して「犬が苦手なスタッフもいるので」と言われ、こちらにも非はあるにしろ、その礼の欠いた発言に、胸がむかむかとした。
朝で忙しいのはわかるが、利用者に対しての言葉くらいは選んだらどうなのだろう。人に敬意を払わない、礼儀知らずの無神経な人間はキライだ。
犬だって吠えるのは習性なのだから、仕方がないのだ。たしかに介助中に足元でちょろちょろされると邪魔なのもわかるが、もう少し言葉を選んでもいいのでは? それにたかだか五分十分なのだから我慢すれば済む話なのに……。
夜、お酒に酔いながらそのような文句を母にぶつけると、隣で聞いていたのか父が「犬が吠えれば捕まえて連れていけばいい。それは当たり前だ」と言う。
まあ、あちらも他の家を何件と回って送迎するのだから、なるべくスムーズにいくようにこちらも対処すべきだったのかもしれない……。しかし元はと言えば、犬が吠えるようになってしまったのは父が来てからである。デイサービスや訪問看護など人の来客が増えたせいで、それまでまったく吠えない大人しかった犬が神経質になってしまった。
来客が多くなって犬が吠えるようになったのも、家に帰ってきても精神的に気が休まらないのも(わたしが)、全部父のせいなのに……。
この家は狭いのだ。部屋が二つだけの長屋で、そのうちの一つを父のベットが占領している。自分と母は隣の部屋に布団をしき、雑魚寝のような格好で寝ている。部屋と部屋のあいだに仕切り(いちおう布団カバーを吊るしてカーテン代わりにしているが……)もないので、本当の意味でプライベートな時間というのが持てない。父がいると気も休まらない。
そのうえ最近はお金を節約するためエアコンをつけるなと言う。今日の夜などはシャワーを浴びても暑くて、お金出すから今日だけつけさせてと小銭(二百五十円)を出したが、「そういう問題じゃない」と拒否された。
しょうがなく我慢したが、なんだかやり切れない思い。それに暑いのは犬にとっても良くないのに。
父も父で、可哀想な境遇になってしまった。だから(健康な?)自分たちがある程度気持ちを汲んであげなければいけないのだが、なんだかこういう状態が長続きするとは思えない。




