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炎焔の鎧  作者: なとな
第6章 絶望
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第6章11話 ルーナの気持ち

 私とエリスの二人はアクイラさんとリーナとかいう女が廃墟に入るのを確認すると、合図があるまで茂みに隠れる事になりました。


「エリスさん。私がいない間にアクイラさんの愛人は増えましたか?」

「え? 今、それ聞きます? えーっと……妖精族が二人増えましたね。それから一応日の聖女様もかな?」


 むぅ…………アクイラさんばかり女の子と仲良くしてて、羨ましいです。


「そう……ですか」


 私は口を尖らせながらエリスさんを見る。すると彼女は苦笑して私に謝ってきた。


「私達ばかりアクイラさんと一緒にいてごめんない。でも、離れるつもりもありませんから」

「…………いい。私が聖女の力を明かさなければ、私はきっともっと後悔していた。アクイラさんが死ぬよりは、今の方が不幸じゃない」

「そうですか…………辛いときは全部吐き出してください。私たちにとってルーナさんもかけがえのない存在でした」


 エリスさんは私に微笑むと、私の頭を撫でる。なんだか子供扱いされてるみたいで嫌だけど……不思議と心が落ち着いてくる。一応エリスさんの方が一つ年上なんだっけ?


 アクイラさんはいつも通りみたいだ。女の子が大好きで、それで女の子たちもみんな守ってくれる戦ってくれる勇気をくれるアクイラさんが大好きだから。


「…………それにしても遅い」


 そろそろ突入の合図があってもおかしくないはずなんだけどなぁ。


「そうですね…………あれ? ジェンマさん?」


 廃墟からは見知らぬ羽の生えた女の子が飛び出してきた。紅い髪に琥珀色の瞳だ。そして可愛い。でも、なんでここに?


「エリス!! えっとルーナさん?!!」


 すると羽の生えた女の子は私たちを見ると、嬉しそうに飛びついてきた。


「ジェンマさん!? どうして現れたのですか?」


 どうやらエリスさんの知人? 現れたのですか? そういえば彼女はどこから来たのでしょうか。


「あ! ルーナさんはジェンマさんとお会いするのは初めてですよね? 彼女はアクイラさんの契約した妖精族です」

「妖精族? ああ、さっき言ってた増えた女」

「いやまあそうだけど…………」


 ざっくりとした説明を受けると、アクイラさんは祝福の証に対応した地属性と火属性の妖精と友人に慣れて、一属性一人までなら契約として連れ歩くことができるみたい。そして彼女たちは普段は祝福の証の中で眠っているらしい。


 つまり…………アクイラさんに水の聖女の祝福の証を渡せば今度は水属性の女が増える!!! 余計に渡せないよ!!


「それで、ジェンマさんはどうしたの?」


 エリスが尋ねるとジェンマは嬉しそうに答えた。


「アクイラが身動き取れないのと…………なんかすごい魔族のお姉さんがいた!! アウロラも魔封じで捕らえられちゃった!」

「それを先に言ってください!?!?」


 アクイラさんが身動き取れないとか大問題ですよ!?  でも、私達だけですごい魔族…………多分、魔の九将(マギス・ノナ)を対応できるのかな? クリスタラやカイラさん達も呼んだほうが良いかも。


 私とエリスさんは考え込む。正直、私たちは弱い。でも、クリスタラは私達だけで行かせてカイラさんも納得した。だったら…………


「いえ、応援を呼びます」

「そうだね、私もそう思う」


 エリスも納得してくれた。私たちは判断を誤らない。それは助けを呼ぶ事も含めて私達だけで行かせたのだと思う。


「では私は信号弾を放ちます」


 そう言ってエリスさんは空に向かって銃口を向ける。


「そんなことで来たの?」

「できるようになりました…………アスカリの事覚えていますか? リヴァイアさんノ支援弾。私も習得できたらなと思って少しだけコツを教えて貰ったんです」


 覚えている。私の魔力を回復させてくれた魔法。彼女は私にとって恩人だ。


「それでは放ちます、魔力よ、我が意に従い、空を裂く煙となれ。信号弾発射シグナル・エクスプルソ!!」


 紅い煙が空を真っ二つに裂いた。これでクリスタラやカイラさんが気づいてくれれば良いのだけど。


「では行きましょうか…………ジェンマさんは戦力に入れても?」

「問題ないよ!」


 私はロッドを握り、エリスさんは銃を構える。ジェンマさんはハンマーを取り出して一緒に向かうことになった。待っていてくださいアクイラさん。

そういえばアクイラ視点とルーナ視点しか書いてないんでしたっけ? って思い返すとそうでした。

でも正直、この二人が一番しっくりきますね。

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