第6章4話 脅迫されたお嬢様と水の聖女との再会
カラスティアへの道中は地獄だった。魔獣の群れが何度も襲いかかり、俺の「炎焔の鎧」が紅い炎を巻き上げ、カイラさんの蹴りが骨を砕くたびに汗と血の匂いが草原に漂った。リーナとリオニアさんからの感謝と三度の豪華な食事だけじゃ、さすがに割に合わないな。
カラスティア到着後は、伯爵家からたっぷり報酬をぶんどるつもりだ。この頻度の襲撃は尋常じゃねえぞ。
「ありがとうございます、アクイラ様」
リオニアさんが丁寧に頭を下げる。彼女の茶色の髪が陽光に揺れ、緑色のつり目が俺を捉える。黒のメイドドレスに白のフリルエプロン、膝丈のスカートが細い腰を締め付け、黒のガーターストッキングがスラリとした太ももに食い込む。淡紫色のコットンブラウスが胸元で開き、柔らかい膨らみがほのかに揺れる。
「リオニアさん……リーナさんには不思議な力があるんじゃないか?」
俺は彼女に近づき、低い声で囁く。メイドドレスの肩に手を置き、布越しに華奢な感触を味わう。指がエプロンの下に滑り、ブラウス越しに柔らかい胸を軽く押さえる。リオニアさんの肌は温かく、弾力のある膨らみが俺の手を吸い付ける。彼女の緑色の瞳が一瞬揺れ、頬がほんのり赤くなる。
「それは……あと、胸から手を離してくださるとありがたいです」
「いや、大事な話だ」
「大事な話だからです!」
リオニアさんが言葉を濁す。先日の魅了の件、彼女たちが何も言わなかったのが気味悪い。魅了したいのか、したくないのか……俺のたどり着いた答えは――
「誰かに脅されてねえか? リーナさんの意志じゃねえだろ」
俺の手がリオニアさんの胸から腰に滑り、ガーターストッキングの縁を指でなぞる。彼女の太ももの肌が熱く、ストッキングの締め付けが柔らかい感触を際立たせる。リオニアさんは驚愕の表情を浮かべ、俺の手を軽く押すが、強く抵抗しない。
「……どうしてそれを……あと、手を離していただけますか?」
「確信はねえ。ただ、リーナさんが俺を魅了しようとしてるわりには躊躇ってる。目的はあるけど、本心じゃやりたくねえ。そんな気がしただけだ」
俺はリオニアさんの腰から手を離し、彼女の反応を伺う。リオニアさんは少し考え込み、静かに口を開く。
「アクイラ様の言う通りです。私たちは脅されています。ある人物の言いなりで、リーナ様は若い男を魅了して拉致させられている。人質を取られて……逆らえないのです」
やっぱりな。リーナの不自然な微笑み、襲撃の異常な頻度、すべて繋がった。
「リオニアさん、俺たちを正式に雇わねえか? お前らは人質を救いたい、俺たちは依頼料を貰う。それが傭兵ってもんだ」
リオニアさんが一瞬悩むが、すぐに頷く。
「そうですね……そうさせていただけると助かります。リーナ様と改めて相談してきます。貴方様なら、伯爵家を……………………リーナ様を救ってくださるかもしれません」
彼女はメイドドレスの裾を整え、馬車に戻る。ガーターストッキングの縁が太ももに食い込む後ろ姿に、俺の視線が吸い寄せられる。
俺たち四人も馬車に戻り、カラスティアへ向けて再び走り出す。車内の木製の壁が軋み、幌の隙間から差し込む陽光が女たちの肌を照らす。
「気付いたか、アクイラ」
カイラさんが低い声で言う。彼女の銀髪が車内の光に輝き、淡緑のコットンブラウスが豊満な胸を押し上げる。ブラウスの隙間から覗く白い肌が、俺の心をチクチクと煽る。
「カイラさんは最初から気付いてたんですね……なんで助けようとしなかったんですか?」
俺の問いに、カイラさんは少し間を置いて答える。
「単純だ。私たちはお助け業者ではない。だが、見捨てるのも違う。特に君が魅了されかけたなら、見過ごすわけにはいかないだろう」
「だったら!」
「私は人質やリーナの理由に寄り添うつもりはない。勝手に調査して勝手に解決する。人質救出を枷に、私の仲間に何かあっては困るからだ」
カイラさんの蒼い瞳が鋭く俺を捉える。ブラウスの襟元が開き、豊満な胸の谷間が陽光に輝く。俺は彼女の太ももに手を伸ばし、タイトパンツ越しに弾力のある感触を味わう。カイラさんは軽く眉を上げるが、拒まない。彼女の肌は熱く、熟れた果実の香りが鼻をくすぐる。
「だが、君が協力するなら私も協力する。君たちに何かあって欲しくはないからな」
「勝手に……すみませんでした」
カイラさんの手間を増やしたのは俺だ。俺の手が彼女の太ももから胸に滑り、ブラウス越しに柔らかい膨らみを軽く押さえる。カイラさんの吐息がわずかに乱れる。
「気にするな。手間が増えても超えてみせる。私は特級傭兵、森姫カイラだ。心配など千年早い」
「死んでますよ俺」
「違いない」
カイラさんは笑い、俺の手を軽く払って眠り始める。ブラウスの胸元が揺れ、銀髪がソファに広がる姿に、俺の胸が熱くなる。
カラスティアの街にようやくたどり着いた。アルゲンテア伯爵領の中心地、石造りと木造の建物が立ち並び、街の中心に伯爵家の屋敷と教会がそびえる。ルーナがこの教会にいる。
「早くルーナに会いたいものだ…………私は君たちがアスカリに向かう前からあっていないからな」
カイラさんが呟く。彼女の銀髪が風に揺れ、淡緑のブラウスが豊満な胸を強調する。カイラさんだけじゃない。セレナ、エリス、俺だってルーナの華奢な体を抱き締めたい。
アルゲンティア家の馬車のおかげで門の手続きを素通りできた。街の人々が伯爵家の馬車に手を振る姿は、伯爵家が領民に愛されてる証だ。
「良い領主一家みたいだな」
カイラさんが馬車の中で言う。セレナが苦笑いする。
「私の集落は伯爵領の外れで、ほとんど放置されてたなぁ」
セレナのウェーブヘアが肩に落ちる。俺は彼女の腰に手を置き、フレアスカート越しに弾力のあるヒップを撫でる。セレナの深緑の瞳が揺れ、頬が赤くなる。彼女の薄桃色のブラウスが胸元で揺れ、柔らかい膨らみが俺の手を誘う。
「セレナ、たまには実家に帰ってみねえか? 俺も最近里帰りしたばっかだしよ」
「うん……考えてみる……」
「あ! あれ教会じゃないですか?」
エリスが指さす先には、大きな石造りの教会がそびえる。彼女のポニーテールが揺れ、クリーム色のセーターが華奢な腰を強調する。俺はエリスの肩に手を置く。エリスの新緑色の瞳が潤み、甘い花の香りが鼻をくすぐる。
「エリス、ルーナに会う前に少し火照ってくか?」
「アクイラさん……ここじゃ、恥ずかしい……ですよ」
エリスの頬が真っ赤になるが、瞳は嬉しそう。俺は彼女の胸から手を離し、教会の扉を開く。
中から現れたのは、深い青色のロングローブをまとった白銀の髪の女――クリスタラだ。青白い瞳が冷たく俺を捉え、透け感のあるアーマーがスラリとした体を際立たせる。胸元で開いたシルクブラウスが、彼女の冷やかな魅力を引き立てる。
「テミス以来だな、クリスタラさん」
「覚えていてくれて嬉しいわ」
氷雪のクリスタラ、斧で戦うパワータイプの傭兵。冷たそうな肌に指を這わせたくなる誘惑に耐えながら、会話を続ける。
「ルーナはどこにいますか?」
「聖女様はマッシブラさんと勉強中です。まだまだ学ぶことが多いのです」
クリスタラさんがふふっと笑う。聖女になって時間が経つが、ルーナの努力は続いてるらしい。
「見学されますよね? ご案内します」
クリスタラに導かれ、教会の二階へ。曲がりくねった階段を登る彼女のローブが揺れ、ヒールブーツが太ももを締め付ける後ろ姿に、俺の視線が吸い寄せられる。
階段を登りきると、大きな扉が現れる。クリスタラさんがノックする。
「聖女様、お客様ですよ」
「え? 私に? どうぞお入りください」
ルーナの声だ。扉が開くと、白い壁に囲まれたシンプルな部屋。机とベッド、銀髪に蒼い瞳のルーナが純白のドレスに青いリボンで飾られ、立っている。スカートは床まで伸び、華奢な脚は隠れてるが、ドレスの胸元の膨らみをきつく締め付ける。花の香りが部屋に漂っている。
「ルーナ!」
俺はルーナに駆け寄り、力強く抱き締める。彼女の華奢な体が俺の腕に沈み、ドレス越しに柔らかい胸が押し付けられる。ルーナの銀髪が俺の頬をくすぐり、蒼い瞳が潤んで俺を見つめる。
「アクイラさん……」
ルーナの手が俺の背中に回り、ぎゅっと抱き着く。俺の指がドレスの背中に滑り、腰にそっと触れる。スカートの布越しに華奢な曲線が伝わり、ルーナの吐息が熱くなる。
「大丈夫だったか? 俺がいなくても平気だったか?」
俺の指がドレスの裾を軽く持ち上げ、ルーナの白い太ももに触れる。彼女の肌は熱く、花の香りが濃くなる。ルーナは少し震えるが、俺の手を拒まない。
「寂しくなかった……訳ないですよね? 私、アクイラさんを助けたから、こんなに縛られたんです。だったら、アクイラさんも私に縛られるべきですよね?」
ルーナの声が低く、独占欲を滲ませる。おいおい、別れ際は大人になったと思ったのに、こいつ壊れちまったか? 俺の指が彼女の腰を軽く撫で、ルーナの体がビクッと震える。彼女の蒼い瞳が俺を捕らえる。
「はは、冗談が上手くなったな。元から独占欲強かったもんな。今日は一緒にいような?」
「え? カラスティアにいる間は離しませんよ?」
ルーナの声色はいつもよりワントーン下がる。おかしいな、離れる前は綺麗な別れ方ができたつもりなんだけどな。離れすぎて壊れちゃったのかな?
俺はルーナのドレスを肩から軽く滑らせ、薄ピンクのブラウスを覗かせる。指で胸元を撫でると、ルーナの吐息が「んっ」と漏れる。彼女の花の香りが部屋を満たす。俺は彼女を机にそっと寄りかからせ、ドレスのスカートを軽く持ち上げ、太ももを撫でる。ルーナの体が震え、甘い声が響く。
「アクイラさん……ずっと、こうしてて……放置しないで……」
「こら、ルーナ! 聖女の立場を忘れるな!」
カイラさんの鋭い声が響く。ルーナはしゅんと落ち込み、俺の手を緩める。カイラさんの銀髪が揺れ、ブラウスの胸元が豊満な谷間を覗かせる。俺はルーナの太ももから手を離し、彼女のドレスを整える。カイラさんの言うことはルーナにとって絶対らしい。
不思議だな。ルーナがカイラさんに懐くのは、銀髪と蒼い瞳の似た雰囲気か? ルーナの親がエルフの血を引いてるなら、ドラコが他種族夫婦を狙った理由とも符合する。カイラさんにある家族の面影が、ルーナを従わせるのかもな。
ルーナが頬を膨らませ、カイラさんに手を伸ばす。なぜか三人で抱き合い、ルーナの柔らかい胸とカイラさんの豊満な胸が俺の腕に押し付けられる。ルーナの花の香りとカイラさんの熟れた果実の香りが混ざり、俺の胸が熱くなる。
「ルーナ、悪くねえが、今はよせ。食事後ゆっくりしよう。今は勉学の時間だろ?」
慌ててルーナを引き剥がす。ルーナは不機嫌そうに机に戻る。そこには、マッシブラさんが聖書を睨んで頭を沸騰させている。アースブラウンの短髪が汗で濡れ、茶色のタンクトップが小麦色の肌を際立たせる。大きめの胸がタンクトップに二つの山を作り上げている。
「マッシブラさん、大丈夫ですか?」
俺が声をかけると、彼女がハッと振り向く。
「アクイラ! 来てたのか!」
今さら気付いたようだ。俺は彼女に近づき、肩に手を置く。タンクトップ越しに頑丈な筋肉の感触が伝わる。
「さっきからずっといましたよ。クリスタラさんに案内してもらったので」
俺がそう言うとマッシブラさんは笑いながら答える。
「そうだったか。強き者の気配は感じられるが、隠すのが上手い者と弱き者には上手く気付けないな!」
俺は弱い奴扱いということか。まあ、以前の力試しで殺しかねねえと言われたしな。
「アクイラ、この街に何しに来た?」
「ああ、ルーナに会いに来たんです。再開の約束もしましたし、祝福の証を貰いにも来ました」
ルーナが複雑な表情を浮かべる。俺は彼女に近づき、ドレスの腰に手を置く。布越しに華奢な曲線が伝わり、花の香りが濃くなる。
「どうした、ルーナ?」
「…………アクイラさんに祝福の証は…………渡さない」




