第1章8話 森姫の目的と行方知らずの聖女
翌朝、目を覚ますと、二人が朝食の準備に取り掛かっていた。カイラさんの細くしなやかな指先が、パンを丁寧に切り分け、果物を色鮮やかに盛り付けていく。女の子が料理をしている姿を眺める朝なんて、なんとも清々しくて心が洗われるようだ。彼女の銀髪が朝日を受けてキラキラと輝き、淡い緑のシフォンブラウスがその華奢な体にぴったりと張り付いて、胸の膨らみが柔らかそうに揺れているのが目に入る。俺も手伝いたい気持ちでいっぱいだったが、昨夜の激しい戦いのせいで腰の痛みがまだ引かず、動くどころか立ち上がることすらままならなかった。無理をすれば、ますます痛みが増して、今日は一日中使い物にならなくなるだろう。だから、そのまま横になってカイラさんの動きをじっくり観察していた。
しばらくして、食事ができたようで、ルーナが静かに俺の隣に近づいてきた。彼女の蒼い瞳には、心配そうな光が宿っていて、その華奢な体が俺のすぐそばに寄り添うと、青銀の魔導士服の胸元が少し開いて、白い肌が覗いているのが見えた。俺がゆっくりと起き上がる姿を見て、彼女は安心したような表情を浮かべた。その微笑みは、まるで朝の光が森の葉々を優しく照らすように、穏やかで温かな光を放っていて、心がふっと軽くなる。ルーナの細い肩に手を伸ばし、そっと触れると、柔らかな感触が指先に伝わってきて、もっと近くに引き寄せたくなる気持ちを何とか抑えた。
「アクイラさん、大丈夫?」
「大丈夫だ、ルーナ。ありがとう」
ルーナの優しい声に応えて、俺は微笑んだ。腰の痛みはまだ残っているが、彼女のそばにいると心が和むし、体の疲れさえ忘れそうになる。彼女の存在が、どんな困難な状況でも乗り越えられる力を与えてくれるような気がした。ルーナの銀髪を軽く撫でてやると、彼女が小さく目を細めて嬉しそうにするのが可愛くて、ついその白い首筋に触れたい衝動が湧くが、グッと堪えた。
しばらくして、食事をしながら今日の予定について話し合った。どうやら、カイラさんが俺とルーナに稽古をつけてくれることになっているらしい。いつ決まったんだ? 昨夜のテントでの熱い戦いの後、そんな話が出たっけか? 記憶が曖昧だが、カイラさんの提案なら断る理由もない。彼女の華奢な体に似合わない圧倒的な実力を間近で見られるなら、それだけでテンションが上がるってもんだ。
依頼報告のため、一度ギルドに向かうことにした。その道中に、俺は気になっていたことをカイラさんに相談してみることにした。彼女の背中を見ながら、淡い緑のスカートが揺れるたびにチラッと見える白い太ももに目が吸い寄せられそうになるが、何とか話を切り出す。
「カイラさん、実はこないだこの森の奥で地の聖女様と会いました」
カイラさんは顔色を変えた。彼女が表情を険しくするのが見て取れて、その鋭い青い瞳が俺をじっと見つめる。普段の余裕ある態度とは打って変わった真剣さに、少し緊張が走る。
「地の聖女? ベラトリックスか?」
「ええ、ベラとです」
「…………」
カイラさんの反応を見て、俺はその場で出会った出来事を正直に話し始めた。ベラに口止めされていたが、カイラさんなら話しても大丈夫だと感じたし、何か重要な手がかりを知っているかもしれないと思ったからだ。彼女の胸元が少し開いたシフォンブラウスから覗く白い肌に一瞬目が行きそうになるが、何とか我慢して説明を続ける。
「それで? お前はなぜベラトリックスと会ったんだ?」
「それは……」
彼女は厳しい表情で尋ねてきた。俺は深呼吸をして、事の顛末を丁寧に説明した。依頼中にゴブリンの巣の奥地で倒れていたベラのこと、彼女をルーナと一緒に助けたこと、そして聖女様の目的までは密命のために話せないことを告げた。また、ベラの同行者が全滅していたことも含めて伝える。話しながら、カイラさんの細い腰に触れたくなる衝動を抑えるのに必死だった。
「…………ありえんな」
話が終わり、カイラさんは小さくつぶやいた。その声には何か深い考えが隠れているようだった。
「そうですよね、上級傭兵二名と中級傭兵一名が一気にいなくなるなんて」
俺は返答したが、カイラさんの考えはどこか別のところにあるようだった。彼女の青い瞳が遠くを見つめているのが気になって仕方ない。
「いや…………そこではないのだが、とにかくありがとう」
彼女が何かに引っかかっていることまではわかるが、俺の知っている情報だけではこれ以上はわからない。カイラさんの表情が硬いままなのが気になりつつも、彼女の胸の膨らみがシフォンブラウス越しに揺れるのを見て、少し気が紛れる。
「いえ、では俺はギルドに報告してきますね」
「ああ、アクイラ…………稽古が終わったら話がある」
カイラさんは何か考え込んでいる様子だったが、それ以上何も言ってこなかったので、俺はそのままギルドに向かうことにした。ルーナも俺の後についてくる。彼女の青銀の魔導士服が風に揺れて、前短後長のスカートから白い脚がチラチラ見えるたびに、そっと手を伸ばしたくなる気持ちが湧くが、歩きながら我慢した。
ギルドに到着すると、まずは報告を済ませることにした。リズさんにウルシウスの討伐報告として五頭分の討伐証明になる素材を渡す。リズさんのエメラルドグリーンのボレロジャケットが彼女の華奢な体を包み、胸元が少し開いて白い肌が覗いているのが目に入る。
「お疲れ様です。 アクイラさん、と言っても今回は特級傭兵の森姫様がご一緒でしたからね」
リズさんは微笑みながら話した。その笑顔が可愛すぎて、つい彼女の細い腰に手を回したくなるが、ギルドの中でそんなことしたら大騒ぎになるだろうな。
「あの人は暇つぶしだったから危なくなるまで何もしなかったが、まあおかげで楽だったのは間違いないな」
リズさんは笑いながらも、表情を引き締めた。彼女の金髪が軽やかに揺れて、エメラルドグリーンの瞳が俺をじっと見つめる。
「ふふ、そうですね。ところでアクイラさん、実はお伝えしたいことがありまして」
リズさんは俺に耳打ちしてくる。その内容を聞いた瞬間、俺は固まってしまった。彼女の温かい息が耳にかかり、少しドキッとするが、衝撃的な情報に意識が引き戻される。
「地の聖女様が行方不明になりました。彼女とご同行された四名の傭兵もです」
一週間前というと、ちょうど俺たちと別れたくらいだろうか。いや…………彼女は確かルナリスの街から出発して…………ん? じゃあ行方不明になったのは洞窟に入ってからということか? つまり、彼女は俺たちと別れた後に教会本部にたどり着けていないということか。頭が混乱してきて、リズさんの胸元に視線が落ちそうになるが、何とか堪えた。
「行方不明になった傭兵たちのリストはあるのか?」
「はい、まず上級傭兵は波濤の影忍ネレイド、銀鉾のシルヴィア、中級傭兵は突撃のリーシャ、それから初級傭兵の華の射手エリスの四名です。ランクが低い方もいらっしゃいますが、それぞれ大きな実績のある傭兵です」
「その中に黒髪の女はいますか?」
「え? 黒髪の女性ですか? 確か初級傭兵のエリスさんが黒髪でしたよ」
俺は考えをまとめる必要を感じ、一度ギルドを後にする。テーブルの方で俺のことを待っていてくれたルーナとカイラさんの方に向かうと、案の定、男たち(主にヴァルカン)が彼女たちに群がっていた。ルーナの銀髪が揺れて、胸元が開いた魔導士服から白い肌が覗き、カイラさんのシフォンブラウスも少し乱れて柔らかそうな胸の膨らみが強調されている。俺は二人に近づいてルーナの肩に手を置き、カイラさんの腰に軽く触れると、彼女たちが少し安心したように見えた。すると、一歩引いた位置にいたゼファーが俺に気づいて声をかけてきた。
「ゼファー、こいつらもう連れて行っていいか?」
俺はルーナとカイラさんの頭に手を置く。ルーナは嬉しそうに目を細め、カイラさんは俺の手を軽く払いのけた。その仕草が可愛くて、つい彼女の背中に手を滑らせたくなる。
「ああ、いいんじゃねーか? ヴァルカンのことは無視してくれてかまわない。あれでも女に困ってる訳じゃねーし、挨拶で仲良くなれたらラッキーくらいの奴だ。無下に扱ってくれ」
「仲間だよなお前ら?」
「仲間だが、俺はもう行く。俺は特級傭兵のエルフのお姫様を一目見たかっただけだしな」
ゼファーはそう言うとギルドの出口に向かって行ったので、俺もそれに続くことにした。ルーナとカイラさんに声をかけてギルドを後にする。歩きながら、ルーナの細い腰に手を回して引き寄せると、彼女が小さく照れて俺に寄り添ってくるのがたまらない。
俺たちの住む森に向かい、カイラさんを小屋まで案内する。カイラさんが使う客間を用意した。部屋に入ると、彼女がシフォンブラウスを脱いで、少し汗ばんだ白い肌を見せる。淡い緑の布が床に落ち、彼女の華奢な肩や柔らかそうな胸のラインが朝の光に照らされて浮かび上がる。俺は目を離せず、つい手を伸ばしてその肩を軽く撫でてしまう。カイラさんが小さく笑って俺の手を払う仕草が可愛くて、少しドキッとする。
「部屋まで用意するとは…………さては私に帰って欲しくないのだな?」
「カイラさんどうせ泊まる気でしょ? からかうなら外で寝てください」
「冗談だ、そう怒るな」
カイラさんは笑いながら俺の頭を小突いてきた。彼女の柔らかい肌の感触が指先に残っていて、少し名残惜しい。ルーナが少し拗ねた顔で俺の腕にしがみついてくるので、彼女の肩を軽く抱いて安心させる。
「それで? なんでまたこんな辺境の街に来たんですか?」
俺は彼女に向かって尋ねた。カイラさんはしばらく黙り込んだ後、深いため息をついた。その表情が真剣で、俺は彼女の話を聞くことに集中する。
「ギルドの総指令からの指令でな。ここ近辺の異常事態の調査が主な仕事さ」
「…………そうですか」
彼女の言葉には、何か隠された深い事情があるように感じたが、それ以上は掘り下げないことにした。教会が気づいてるように、ギルドも気づいていたみたいだな。特級傭兵であるカイラさんだからこそ知らされているのだろう。彼女の白い肌と柔らかい胸のラインがまだ頭に残っていて、少し気を取られそうになるが、何とか我慢した。
「俺に話して良かったんですか?」
俺は不安げに尋ねた。
「お前…………気づいてるだろ?」
彼女の言葉には重みがあり、俺は頷くしかなかった。俺の表情から、もうすでに答えを読み取ったカイラさんはそれ以上を語らない。話を整理すると、カイラさんはしばらく俺んちを拠点にして調査活動をするらしい。何とも迷惑な話だが、この人がいるなら定期的に稽古もつけてもらえるし、願ったり叶ったりだ。ルーナを軽く抱き寄せると、彼女が恥ずかしそうに俺にしがみついてくるのが愛おしい。
早速広場まで移動すると、カイラさんと魔法なしで手合わせすることになった。カイラさんの華奢な体が気になって仕方ないが、稽古に集中しようと深呼吸する。
カイラさんは森姫の二つ名を持ち、得意技は回し蹴り。短くはないがスカートの女性がメインとする戦法にするものではない。が、カイラさんの場合は別だ。敵対して覗いている余裕がある奴なんていないだろう。彼女は足技以上に速い。とにかく捉えることができない。物理的にも、視覚的にもだ。彼女のスカートが翻るたびに白い太ももがチラッと見えるのを想像すると、少しドキドキしてしまう。
「それではアクイラ、まずは君からだ…………私は脚を使わない。 きたまえ」
蹴りなしなら…………勝ち目もある…………のか? カイラさんの胸のラインが揺れるのを横目で見ながら、俺は拳を構えた。ルーナが少し離れた場所で俺を見守っていて、彼女の優しい視線が気になりつつも、今は目の前の師匠に集中するしかない。
名前: カイラ
二つ名: 森姫
一人称: 私
性別: 女性
年齢: 約12,000年近い時を生きる(外見は10代後半)
容姿: 腰まで届く月光に輝く銀髪、湖面を映すような蒼色の瞳、陶器のように滑らかな白い肌、エルフ特有の長い耳
体型: 身長170cm、しなやかで鍛えられた筋肉質の脚と華奢ながら均整の取れた体
身分: ヴァルセリオン王家第一王女、特級傭兵ランクダイヤモンド
職業: 傭兵、アクイラの師匠
武器種: 徒手空拳(主に蹴り技)
武器: なし(敵の武器を奪って使用可能なくらいには武器の扱いにも精通している)
属性: 未公開(特殊な魔法能力を秘める)
趣味・特技: 花見、ダンス、自然観察
好きな食べ物: 甘酸っぱい果物(特にベリー類)
嫌いな食べ物: 苦いもの