第5章12話 雷剣魔将イグナティウス
アウロラに導かれてたどり着いたのは、島の端に広がる広大な海岸だった。白い砂浜が朝陽にきらめき、波の音が低く唸る。空気は塩気と血の匂いで重く、遠くの森から鳥の鳴き声が途絶えている。そこには火の聖女ヴァルキリーが立ち、黄金の炎を翼のように広げ、剣に灯していた。彼女の白いシルクブラウスは汗で体に張り付き、金の刺繍が炎の模様を浮かべる。黒のタイトスカートが膝上まで上がり、汗で濡れた白い太ももが光る。赤髪が汗で額に貼り付き、朝陽に燃えるように輝く。対峙するのは筋骨隆々の魔族だ。金髪に黒い瞳、雷を纏った剣を手に持つ。圧倒的な威圧感が砂浜を震わせ、胸の奥で罪悪感と恐怖が締め付ける。
「あいつか」
ヴァルキリーが剣を構え、勢いよく斬りかかる。剣の軌跡が朝陽を切り裂き、砂が爆発的に舞う。だが、魔族は雷剣で軽く受け止め、鼻を鳴らして彼女を蹴り飛ばした。彼女は砂浜を転がり、黒のスカートがめくれ、汗で濡れた白い太ももが一瞬覗く。砂がブラウスに絡み、赤髪が乱れる。
「くっ……」
すぐに立ち上がり、再び構える。深紅の瞳が燃えるように光り、胸が激しい呼吸で上下する。魔族が雷を纏った剣で斬りかかろうとした瞬間、俺は間に割り込んだ。体が勝手に動く。
「蝕め! 邪炎の鎧!!」
赤黒い炎が体を包み、雷撃の剣を受け止める。だが、魔族の力が強すぎて、すぐに押し切られそうになる。炎が肌を焼き、骨まで響く痛みが走る。体が軋み、汗が冷える。
「ほう? その邪悪で赤黒い焔……貴様、何者だ?」
魔族の黒い瞳が俺を突き刺す。無視してヴァルキリーに叫ぶ。
「俺が押さえておきます! 今のうちに!!」
彼女が小さく頷き、剣の金色炎をさらに大きくする。ブラウスが汗で透け、緑のシルク下着が微かに浮かぶ。勢いよく走り出し、魔族に剣を振り下ろす。だが、雷剣が火花を散らし、容易く受け止められる。砂が熱で焦げる匂いが鼻をつく。
「全力で行くぞ! 聖なる金色の炎よ、我が剣に宿り、敵を焼き尽くす力を放て。聖火剣放」
ヴァルキリーの剣から凄まじい魔力の炎が放たれ、魔族を飲み込む。砂浜が熱で溶け、波が蒸気となって爆発的に舞う。だが、魔族は雷の障壁を張り、炎を弾く。魔族が俺を掴み、盾にしてきた。鉄のような握力が腕を粉砕しそうに締め上げる。
「ぐあああっ!!」
悲鳴を上げるが、手は離れねえ。力が強まり、骨が軋む。このままじゃまずい。必死にもがくが、抜け出せねえ。邪炎が体を蝕み、息が詰まる。胸の罪悪感がさらに重くなる。ヴァルキリーが叫ぶ。
「アクイラ殿!」
彼女が剣を振り上げるが、魔族の雷撃が砂浜を劈く。雷が彼女のブラウスを切り裂き、肩から胸元までが露わになる。緑のシルク下着が朝陽に輝き、汗で濡れた白い肌が剥き出しになる。彼女は構えを崩さず、戦闘に集中する。俺の目が一瞬そっちにいくが、すぐに魔族に意識を戻す。
「ほう? 聖火に耐える邪炎か」
魔族がニヤリと笑い、俺を地面に叩きつける。砂が体に絡み、衝撃で視界が揺れる。何度も転がり、砂浜に倒れる。体がズキズキ痛む。骨が折れたかと思うほどの衝撃だ。
「……アクイラ殿、大丈夫か!?」
ヴァルキリーが駆け寄る。破れたブラウスから緑のシルク下着が覗き、汗で濡れた鎖骨と胸の谷間が露わだ。彼女のスカートも砂で汚れ、膝が覗く。俺は立ち上がるが、体が重い。体力はほとんど削られ、息が荒い。
「無事だ……」
「だが、その邪炎では身体を蝕むのだろう? アカンサから聞いてる。封印解除したのだな?」
ヴァルキリーが俺の炎を知ってるらしい。聖王の試練を受ける人間の魔法が邪炎なんて、笑えねえ話だ。ルーナやベラへの罪悪感が胸を締め付ける。
「邪炎でもあんたを助けられるか?」
「無論だ……聖火に浄化されぬよう気を付けるのだな」
彼女が剣を構え直す。破れたブラウスが風に揺れ、緑のシルク下着がさらに覗く。俺も邪炎を纏い、構える。魔族に向かって斬りかかる。炎が砂を焦がし、熱が肌を焼く。体が軋む。
「ふんっ」
攻撃は受け止められる。何度も打ち込むが、当たらねえ。焦りが胸を締め付け、動きが乱れる。魔族の雷剣が砂浜を劈き、波が蒸気を上げる。雷撃が俺の鎧を焦がし、火花が散る。
「お前の狙いはなんだ!」
「狙いか? 俺の狙いは……聖女さ」
魔族がヴァルキリーを指さす。彼女の深紅の瞳が燃えるように光り、剣を握る手が震える。
「聖女をどうするつもりだ!」
「以前、同胞が聖女を魔力炉にしたことがあってな。聞けば、せっかく四人揃ったというではないか。四つの魔力炉をそろえて魔王様に献上するのだ。そして一人目がお前だ」
魔の九将で間違いねえ。ルーナやベラの顔が頭に浮かび、胸が締め付けられる。彼女たちをこんな目に遭わせるわけにはいかねえ。
「ふざけるな! 私は貴様に屈しない!」
ヴァルキリーが剣を構え、斬りかかる。雷剣が火花を散らし、受け止められる。彼女が投げ飛ばされ、ブラウスがさらに裂ける。緑のシルク下着が完全に露わになり、汗で濡れた白い腹部が光る。彼女は構えを崩さず、剣を振り上げる。俺は彼女を抱き留め、一緒に吹き飛ばされる。彼女の体温が伝わり、破れたブラウス越しに柔らかい胸の感触が一瞬感じられる。砂が体に絡み、すぐに体勢を立て直す。魔族が俺を狙ってくる。
「くっ……」
攻撃をかわすが、反撃の暇がねえ。体が軋み、邪炎の痛みが強くなる。息が荒い。雷撃が砂浜を抉り、熱で砂がガラス化する。
「封印解除状態だ……せっかくだし、鎧以外も使おう。悪なる炎、我が拳に宿り、火球となりて敵を穿て。邪炎拳撃!」
赤黒い炎の拳を突き出す。魔族の顔面に直撃し、奴が怯む。砂が爆発的に舞い、焦げた匂いが鼻をつく。ヴァルキリーが剣に金色の聖火を纏わせ、斬りかかる。今度は大ダメージを与えたようだ。砂浜に焦げ跡が広がり、波が蒸気を上げる。
「フフフ、いいだろう! 聖女とお前も連れ帰る! 我が名は雷剣魔将イグナティウス! さあ名乗れ!」
「火の聖女ヴァルキリー・オディヌス!」
「俺はアクイラだ」
「ヴァルキリーとアクイラか。覚えておこう」
イグナティウスがニヤリと笑い、剣に雷を纏わせる。雷撃が砂浜を焦がし、斬りかかってくる。防御を構えるが、奴の攻撃が速い。激しい衝撃が体を貫き、吹き飛ばされる。砂が体に絡み、息が詰まる。何とか踏みとどまり、反撃に出る。雷が俺の鎧を劈き、炎が揺らぐ。
「このままだとまずいな。同時攻撃をしよう、アクイラ殿! 聖なる炎よ、金色の輝きを纏い、魔を焼き払う刃となれ。聖火斬撃」
「悪なる炎、我が拳に宿り、火球となりて敵を穿て。邪炎拳撃!」
ヴァルキリーと俺の攻撃が炸裂する。金色の炎と赤黒い炎が交錯し、砂浜が熱で溶ける。イグナティウスは余裕の表情だが、煙が上がってる。ダメージは確実に通ってる。だが、奴が剣を振り上げる。雷が砂浜を抉り、爆音が耳を劈く。
「やるではないか。雷の力よ、我が剣先に集い、雷撃となって敵を貫け。雷電剣撃」
電撃が放たれ、俺たちを直撃する。体が痺れ、悲鳴が漏れる。
「ぐああっ!!」
なんとか踏みとどまるが、邪炎が体を蝕み、限界が近い。ジェンマを呼べば炎の負担は減るが、戦力が落ちる。ヴァルキリーが剣を構え直す。彼女の赤髪が汗で頬に貼り付き、破れたブラウスが風に飛ばされ、上半身は緑のシルク下着が完全に露わだ。だが、ヴァルキリーはこの局面で恥ずかしさで縮こまる事などせず、剣を構える。
「アクイラ殿……動かないでくれ。聖なる炎よ、邪悪を焼き尽くし、浄化せよ。聖火浄化」
聖火が俺たちを包む。邪炎の痛みが消え、体が軽くなる。力がみなぎるのを感じる。彼女の深紅の瞳が俺を励ますように光る。
「これは?」
「しばらくは動けるだろう?」
ヴァルキリーが微笑む。俺は礼を言うと、拳を握りしめる。イグナティウスに向かって走る。砂が足に絡み、波の音が耳に響く。雷撃が砂浜を劈き、熱で砂がガラス化する。
「ふんっ!」
剣を紙一重でかわし、懐に入る。だが、雷剣が俺の鎧を切り裂き、火花が散る。すぐに蹴り飛ばされる。砂浜に倒れるが、諦めず立ち上がる。体が軋むが、ルーナやベラを護るためだ。
「邪悪なる炎、我が脚に宿り、敵を焼き尽くせ。邪炎蹴焼」
蹴りがイグナティウスの腹部に突き刺さる。邪炎が黄色みがかった赤に変わり、聖火に浄化されてる。魔族に大ダメージを与え、奴がもがく。砂が爆発的に舞い、焦げた匂いが鼻をつく。雷撃が砂浜を抉り、俺の体を貫く。
「ぐぅぅうううう!? 聖女を……聖女を狙うのは俺だけではない!! 貴様ら人間はいずれ魔王様に滅ぼされるのだ!!」
邪炎がイグナティウスの体を蝕み、灰となって消える。砂浜に静寂が戻り、波の音が響く。胸の罪悪感が少しだけ軽くなるが、ルーナやベラへの思いが消えねえ。
「終わったか……」
座り込み、大きく息を吐く。ヴァルキリーも隣で座り込む。彼女のブラウスは肩から腹部まで裂け、緑のシルク下着が完全に露わだ。汗で濡れた白い肌が朝陽に輝き、細いウエストが強調される。体が重く、意識が霞む。
「アクイラ殿……大丈夫か?」
「ああ」
返事をするが、限界が近い。アカンサが遅れて駆けつけてきた。薄緑のコットンブラウスが汗で体に張り付き、灰色のロングスカートが砂で汚れてる。彼女が俺の顔に近づく。金色の瞳が俺を見つめ、緑色の髪が汗で頬に貼り付く。ブラウスがさらに透け、緑のレース下着が微かに覗く。彼女がしゃがんだ瞬間、スカートの隙間から白いショーツが覗き、俺の目が一瞬そっちにいく。
「お疲れ様。貴方の邪炎、蝕んでおくわね?」
彼女の唇が俺に触れる。舌が絡み、甘い感触が意識を奪う。ブラウス越しに柔らかい胸の感触が腕に当たり、体温が伝わる。俺は彼女の腰に手を回し、軽く胸を撫でる。シャツ越しに柔らかさが感じられ、彼女が小さく身じろぎする。
「んぐっ!?」
毒が送り込まれ、声を上げるが、意識が闇に落ちた。ルーナの顔が頭に浮かび、胸が締め付ける。
名前: イグナティウス
二つ名: 雷剣魔将
地位: 魔王軍の魔の九将の一員
性別: 男性
年齢: 不明(魔族のため人間の年齢基準は適用不可、長寿と推定)
容姿: 筋骨隆々の体格、金髪(肩まで伸び、戦闘で乱れる)、黒い瞳(鋭く威圧的)、鋭角的な顔立ち、身長約2メートル、雷のような鋭いオーラを放つ
服装:
戦闘時: 黒い革製の戦闘服(雷模様の銀刺繍、動きやすさを重視)、肩と胸に鋼の装甲、腰に雷撃を帯びた長剣を携える。戦闘で汗と血に濡れ、服が裂けることも。
休息時: 黒いシルクのロングコート(銀の装飾)、雷モチーフのベルト、黒革ブーツ。魔界の貴族的な威厳を反映。
出身: 魔界(詳細な地域は不明、魔王直轄の戦士育成地出身と推測)
種族: 魔族
武器: 雷剣(雷属性を帯びた長剣、名は「雷鳴の裁刃」、刃に雷が走り、振るだけで雷撃を放つ)
戦闘スタイル: 雷属性を駆使した圧倒的な破壊力。高速で剣を振り、雷撃を敵に浴びせる。単体への精密な斬撃から広範囲の雷嵐まで操り、戦局を一変させる。肉体的な強さも併せ持ち、敵を物理的に圧倒。
特技: 雷属性魔法の極致(雷撃、雷嵐、電磁障壁)、剣術、近接格闘、戦術的判断(戦場での即断即決)
趣味: 詩作(戦場の激しさを力強い詩に昇華)、トレーニング(肉体と雷魔法の強化)、戦術研究(魔王軍の戦略立案)
好きな食べ物: ステーキ(特に血が滴るレア、魔界の猛獣肉を好む)、濃厚な赤ワイン
嫌いなもの: 酸っぱい食べ物(特に柑橘類、味覚に合わず)
性格: 冷酷で孤独、限られた者(魔王や同胞)以外と関わらない。戦闘と自己鍛錬に没頭し、内面の成長を追求。傲慢だが、強者への敬意は持ち、敵の力量を認める一面も。言葉に詩的な響きを好む。
背景: 魔界の戦士育成地で生まれ、雷属性の才能を開花。魔王軍の魔の九将に選ばれ、魔界の戦いで数々の功績を上げる。第5章12話で聖女ヴァルキリーを魔力炉にする目的で人工島に侵入、アクイラと対峙。
目標: 聖女を魔力炉として魔王に献上し、魔王軍の覇権を拡大。自身の雷魔法と戦闘力を極め、魔界の頂点に立つ。
戦績: 魔界の決定的な戦闘で重要な役割を果たし、魔王軍の勢力拡大に貢献。聖女ヴァルキリーとの戦いで一時優勢だったが、アクイラの邪炎と聖火に敗北、灰となる。
身体的特徴: 筋肉が鎧のように盛り上がり、戦闘で傷跡が目立つ。雷魔法の影響で皮膚に微かな雷模様が浮かぶ。汗で濡れた金髪が戦闘中に額に貼り付き、黒い瞳が敵を射抜く。
魔王軍での役割: 魔の九将の主力戦士として、前線での殲滅と戦略的攻撃を担当。聖女捕獲作戦の先鋒として人工島に送り込まれた。




