第1章6話 面影
翌日、目が覚めると、隣でまだ眠るルーナがいた。全裸の彼女は俺の腕に絡まって、暖を取るように体を寄せてくる。その無防備な姿に目が離せねえ。柔らかい生乳に手を伸ばし、軽く揉んでみる。むにゅっとした感触がたまんねえが、彼女はぐっすり眠ってて反応しねえ。起きる気配もねえな。
彼女が自ら俺のそばにいるのは分かってる。けど、出会って間もない俺に心を許しすぎてる気がして、少し違和感があった。でも、その純粋さが可愛くて、そんな気持ちを無視しちまった。日の位置を見ると、もう昼過ぎだ。昨夜は明け方まで愛し合ってたから仕方ねえか。彼女の寝顔を見ながら、昨日までの熱い時間が頭をよぎる。あの細い腰、甘い声……また欲しくなりそうだ。
ルーナを起こさないようベッドから抜け出し、布団の中の裸体をじっくり眺めた。白い肌に汗が光ってて、寒そうに丸まる姿が色っぽい。すぐに布団をかけてやり、小屋の外へ出た。この穏やかな光景に心が温かくなる。昼過ぎじゃ依頼に出るには遅すぎるな。今日は鍛錬だけにしよう。服を着て顔を洗い、簡単な準備を済ませて広場に向かった。
鍛錬用の広場に着き、準備運動から始めた。筋肉を動かしながら、ルーナとの出会いや最近の出来事を振り返る。本当は彼女が独り立ちしたらパーティを解散するつもりだった。けど、理由は分からねえが、彼女にかなり依存されてる気がする。ソロじゃ限界もあるし、彼女が俺と一緒にいたいなら、その気持ちを尊重してやるか。彼女の華奢な体を抱きしめた感触が頭に浮かんで、鍛錬に集中できねえ瞬間もあった。
しばらく汗を流してると、小屋の方から騒がしい声が聞こえた。ルーナが叫んでるみたいだ。異変を感じてすぐ小屋に戻ると、扉が勢いよく開き、裸のルーナが飛び出してきた。
「アクイラさん! 良かった! いなくなってなかった!」
泣き顔の彼女が俺に抱きついてくる。裸の体が密着して、柔らかい胸が俺に押し当たる。慌てたが、こんな姿を外に晒すわけにいかねえ。俺は彼女の肩を抱き、小屋に連れ戻した。幸い、歩けば素直についてくるから誘導は楽だった。彼女の腰に手を回し、滑らかな肌を味わいながら中へ入った。
「落ち着け! ルーナ、何があった?」
「良かった! いなくなったのかと思いました! 良かった!」
目覚めた時に俺がいなかっただけでこんなに不安になるなんて、ちょっと大げさじゃないか? もしかして、彼女のトラウマが関係してるのかもな。初めて会った時、ルーナは不安そうな目をしてた。打ち解けてからは気にならなくなったが、今の泣き顔を見て、彼女の心に深い傷があると気づいた。
「大丈夫だ、俺はどこにもいかねえ。落ち着けよ」
俺はルーナの背中を優しくトントン叩き、肩に手を置いて落ち着かせた。彼女が少しずつ顔を上げてくる。蒼い瞳にはまだ不安と恐怖が残ってるが、俺がそばにいることで安心してるのも分かる。彼女の細い肩を撫でながら、その華奢な体に触れるたび、妙な興奮が湧いてきちまう。
「あの……私……」
何かを言おうとして、言葉に詰まる彼女。俺はそっと抱きしめた。裸の彼女の温もりが直に伝わり、俺の腕にぎゅっとしがみついてくる。柔らかい胸が当たって、理性が揺らぐが、今は我慢だ。しばらくそうしてると、彼女の震えが収まってきた。
落ち着くのを待って話を聞くことにした。まだ裸だから服を着せ、椅子に座らせて向かい合った。彼女が語り始めた。
「私……今は一人でこの森に住んでいます」
「今は」……その言葉を聞き逃さなかった。昔は家族と暮らしてたんだろう。それが今は一人ってことは、何かあったはずだ。尋ねようとしたが、彼女が先に続けた。
「私の家族は……穏やかな父と、身体の弱い母、そして私の三人家族です。私が物心ついた頃から森で暮らしてて、森と両親が私の世界でした。たまに母の知り合いが訪ねてきたけど、会話もせず、ただ三人で暮らすのが当たり前だった。外の世界なんて知らなかったんです。父はアクイラさんと同じ炎焔の鎧を使う人で、私には優しくて頼りがいがあった。母は地霊術士で、身体が弱いのに『健康にいいよ』って、私を森に連れ出して一緒に歩いてくれました」
俺は黙って耳を傾けた。彼女の声が少し震えてる。
「でも、私が15歳の時……突然、黒い鎧の大男に襲われて……その晩までは父も母も生きてたんです! でも、次の朝には……二人はいなくて……布団の中には、服と灰みたいなものだけが残ってました」
彼女が泣き出す。俺は背中に手を回し、優しくさすってやった。柔らかい背中の感触に少し興奮しちまうが、今は彼女を落ち着かせるのが先だ。少し落ち着いたルーナが続きを語る。
「それから毎朝、誰もいない部屋で目が覚めるんです。目を覚ますたびに不安で、全部夢で、起きたら二人がいてくれるって……でも、そんなことはなくて、悪夢みたいな現実を毎晩見続けてきました! 私には今が悪夢で、夢で、現実じゃないって……そんなわけないって分かってるのに……」
俺は何も言わず聞き役に徹した。下手に口を挟むより、その方がいいと思った。
「朝起きたらアクイラさんがいなくて……アクイラさんが夢なのか現実なのか分からなくて、怖くて!」
俺は彼女を抱きしめ、背中をさすった。裸じゃない今でも、彼女の細い体が俺に密着して、髪の甘い匂いが鼻をくすぐる。彼女が落ち着くまでそうしてると、少しずつ震えが収まり、体を離した。続きを話す気になったみたいだ。
「黒い鎧の男か……人間を灰にする力。それも時間差で……」
両親が時間差で死んだのも気になるが、今はルーナだ。初めて会った時の不安そうな目は、一人になる恐怖と、知らない男へのトラウマからだったんだろう。俺に心を開いたのは、危険じゃないと分かったのと、父と同じ魔法を使う俺に安心感を覚えたからだ。俺はそれしか使えねえだけだがな。
彼女が傭兵になったのも、俺のそばにいる安心感が欲しかっただけだ。けど、俺はそのトラウマを利用して抱いちまった。傭兵じゃ明日生きてるか分からねえ。性欲に忠実で、女を抱くのは当たり前だ。男女二人のパーティなら尚更で、街じゃそう見られる。ルーナはギルドでそれを知り、俺と一緒にいるために体を許したんだ。一緒にいるにはそうするしかないと思い込んだんだろう。
俺は最低だ。
名前: ヴァルカン
二つ名: 火炎剣士
一人称: 俺
性別: 男性
年齢: 23歳
容姿: 茶色のウェーブ髪(戦闘時は束ねる)、灰色の瞳、褐色の肌、シャープな顔立ち、軽いひげ
体型: しなやかで力強い(身長約175cm)
出身: ヴァルティア(温暖で火山に囲まれた地)
身分: 中級傭兵
職業: 傭兵(パーティ「鋼腕のイグニス」メンバー)
武器種: 剣
武器: 火属性の剣(赤とオレンジの輝きを帯びる)
属性: 火
趣味・特技: ピザ作り、社交ダンス
好きな食べ物: ピザ
嫌いな食べ物: 苦いもの
備考: アクイラと旧知の仲。ルーナに性的な興味を示し、からかう。自信家で社交的。