第7章登場人物紹介④ その他及び脱落者
■森姫カイラ【死亡】
エルフ王家ヴァルセリオンの第一王女にして、エルフの外交使節、さらに特級傭兵として知られる森姫カイラは、気品と戦闘力を兼ね備えた希代の戦士である。
カイラの容姿は、エルフの中でも際立っている。銀色の長いウェーブヘアは光を受けて淡く輝き、蒼色の瞳は深淵のような静謐さを湛えている。陶器のように滑らかな白い肌は、王族としての高貴な血統を示しながらも、戦士としての鍛錬を物語る。彼女の体型は華奢に見えるが、その実、引き締まったしなやかな筋肉を備え、戦士としての機能美と姫としての優雅さを両立している。
カイラは常に冷静沈着であり、高貴な気品を持つ。しかし、その冷徹さの裏には深い慈愛の心が秘められている。仲間や弟子には世話焼きな一面を見せ、無邪気な笑顔を浮かべることもある。彼女にとって、アクイラは「可愛い愛弟子」であり、保護者のように接している。また、エルフの王族としての責任感は強く、外交や政治にも深く関与する。彼女は自由を愛しながらも、エルフの森の戦士としての誇りを胸に生きている。
カイラの戦闘スタイルは、肉体戦闘特化型である。彼女はほぼ武器を持たず、その圧倒的な格闘技術のみで戦場を支配する。特に蹴り技を得意とし、一撃で相手を沈める精密な戦闘を得意とする。
さらに、彼女が唯一使う魔法、時間停滞は、周囲の時間を遅くすることで相対的に自身の動きを加速させる能力を持つ。この魔法を駆使することで、戦場では圧倒的な速さと正確さを発揮し、敵に反撃の隙を与えない。しかし、魔法を使いすぎれば自身のみが加速し続け、結果的に寿命を削るという致命的なリスクを伴う。
寒冷地に適応したカイラの装いは、王族としての品格と戦士としての機能性を兼ね備えている。深い蒼色の刺繍入りシルクブラと金糸のガーターベルト、冷気を遮る魔法繊維のストッキングといった下着に至るまで、王族としての優雅さが表れている。
蒼色のタートルネック風の薄手シャツとショートジャケットは防寒性と動きやすさを両立し、ロングスカートには銀と蒼の織り模様が施されている。エルフ王族に伝わる紋章入りのロングコートは、彼女の威厳を象徴する装いである。戦場では細部に金の装飾が施されたロングブーツと、魔法繊維製の白手袋を着用し、優雅にして無駄のない動きを可能にする。
カイラの趣味は花見と舞踏であり、優雅な動きを活かしたダンスを得意とする。食の好みに関しては甘酸っぱい果物を好み、特にエルフの森に自生する果実を愛している。一方で、苦い食べ物は苦手としており、薬草系の苦味を嫌う傾向がある。
彼女はアクイラを弟子として深く愛し、彼の成長を見守る一方で、ルーナの成長にもひそかに期待を寄せている。
加速する時間の果てに彼女の人生は終わりを迎える。
カイラはかつて人間の王国の初代王の妻となり、ルナリス、アスカリ、カラスティア、リヴァルディアの王を支えた歴史を持つ。しかし、彼女の宿命は決して穏やかなものではなかった。
戦場での戦いが続く中、彼女は時間停滞を極限まで使用し続けた。結果、現実の時間では一瞬で白骨化し、寿命を迎える。しかし、彼女にとっての体感時間ではゆっくりと老いていき、最期は愛弟子アクイラを抱きしめながら息を引き取った。
その死に際、カイラはアクイラに「ルーナを守ってほしい」と託し、王族としての責務と戦士としての生涯を終えた。彼女の魂は静かに消え去ったが、その意思は弟子へと受け継がれていく。
■華の射手エリス【左腕欠損による休職】
華の射手エリスことエリス・サジタリは、17歳のサジタリ男爵家の令嬢。エアリア村出身で、かつては狩人として活躍していたが、左腕を失い現在は休職中。
黒髪のポニーテールとエメラルドグリーンの瞳を持ち、細身ながら女性らしい体つきが特徴。貴族らしい品格を持ちながらも、明るく社交的で好奇心旺盛。
戦闘時は冷静に戦術を分析し、遠距離狙撃を得意とする。魔弾装填を駆使した精密射撃に優れ、動物とのコミュニケーションにも長けている。現在は両腕を使用した二丁拳銃スタイルが扱えない。
アクイラに惹かれており、独特の恋愛観を持つ。普段は深緑のハイネックブラウスにダークグリーンのプリーツスカートを着用し、エメラルドグリーンのシルク製の下着を身に着ける。現在は親友リーシャと共にアクイラの家に居候し、新たな生き方を模索している。
■紫剣魔姫ルクレティア【死亡】
魔の九将の一員にして、魔族の中でも特に恐れられる存在。黒髪は艶やかに波打ち、紫色の瞳は魅惑と狂気を秘めている。滑らかな肌と、スレンダーながら女性らしい曲線美を持つ体型は、彼女の高貴さと冷徹さを際立たせる。
紫を基調としたドレスは華やかでありながら、胸元と背中が大きく開いた大胆なデザインを採用。膝上丈のスカートには深いスリットが入り、戦闘時の機動性も確保されている。黒のレザー製長靴には魔力を帯びた装飾が施され、彼女の存在感を一層強調する。
性格は冷酷で計算高く、支配者としてのカリスマ性を持つ。恐怖と魅力を巧みに使い分け、相手を意のままに操ることを得意とする。目的を果たすためなら手段を選ばず、己の計画のためなら他者の命すら道具として扱う。
火属性の魔力を宿す剣を操り、剣術と魔法を組み合わせた戦闘スタイルを得意とする。強力な炎の魔法に加え、音魔法や死霊魔術を駆使し、戦場を混乱へと陥れる。さらに、相手の力を封じ込める侵食能力「紫炎」を用い、敵を確実に追い詰める。
魔獣の調教技術にも長け、絵画や音楽などの芸術を愛する一面を持つ。好物はチョコレートで、甘いものを好むが、辛いものは苦手とする。
物語の中では、アクイラとリーナを家畜化し、繁殖計画を進める。アクイラの邪炎の力に気づきつつも、その本質までは理解していない。しかし、彼の遺伝子を利用しようと画策し、リーナを繁殖相手として試すことを決定。彼女の真の目的は、二人の間に生まれる子を食らい、その力を得ることにあった。魔族は人間を完食することで、その力を得る事ができ、彼女は既に二人食べている。
■園剣魔将セプティムス【死亡】
園剣魔将セプティムスは、魔界出身の魔の九将の一員であり、"園剣魔将"の異名を持つ。
がっしりとした体格と灰色の髪・瞳を持ち、魔界の戦闘服を着用していた。
感情より理性を重視し、冷静かつ計算高い性格だが、話す速度が異常に速く会話の理解が困難だった。趣味は魔界の特殊植物や薬草の栽培で、魔力強化の研究にも活用していた。
剣を駆使した戦闘を得意とし、空間操作や時間操作を組み合わせた高速の剣撃で敵を圧倒した。戦場全体を操りながら戦局を見極め、的確な一撃を狙う戦術を取っていたが、最終的にカイラの渾身の蹴りを受け戦死した。
■青毒のナリア【死亡】
青毒のナリアは、エルフの森出身の上級傭兵であり、その冷徹な戦闘技術と美しさで知られる存在だった。異名「青毒」は彼女が操る猛毒の槍に由来し、一度その刃を浴びれば、どんな強者であろうとも死を免れない。
銀髪は滑らかで光沢があり、しなやかに流れる。青く冷徹な瞳は敵を射抜くような鋭さを持ち、エルフ特有の白く滑らかな肌は彼女の気高さを際立たせていた。細身ながらしなやかな戦士体型を誇り、優雅な身のこなしと共に敵を翻弄する。
彼女の戦闘装束は美しさと機能性を兼ね備え、深い青色を基調とする。エルフの伝統的な刺繍が施されたシルク製の下着を身につけ、その上に背中と肩を大胆に開けた軽量な戦闘用クロップドトップを着用する。スカートはスリット入りで動きやすく、黒の薄手のレギンスが太ももを包む。膝丈の戦闘ブーツには装飾が施され、青いショートマントが彼女の毒槍の動きを邪魔しないように揺れる。
自らの美しさと戦闘技術に絶対の自信を持つナルシスト。冷静沈着で感情を表に出すことは少なく、戦場では冷酷な判断を下す。力こそがすべてという価値観を持ち、己の実力に見合わぬ者を軽視する傾向がある。そのため、侮辱されることを何よりも嫌い、プライドを傷つけられた相手には容赦しない。
武器は猛毒を仕込んだ槍で、一撃必殺を狙う戦法を得意とする。エルフ特有の敏捷性を活かし、舞うように戦場を駆け抜け、華麗かつ正確に敵を仕留める。圧倒的な技量と存在感により、戦場では敵味方問わず畏怖の対象となる。
料理に対するこだわりが強く、特にフルーツやスパイスを活かした味付けを好む。戦場でも食事の質を重視し、計算された繊細な味付けを施す料理の腕前は、戦士としての冷酷さとは異なる一面を垣間見せる。
■火炎剣士ヴァルカン【死亡】
火炎剣士ヴァルカンは、ヴァルティア出身の23歳の戦士で、「火炎剣士」の異名を持つ。
中肉中背でしなやかさと力強さを兼ね備え、褐色の肌とシャープな顔立ちが特徴。髪は茶色で少しウェーブがかかっており、戦闘時には束ねている。
火属性の力を宿した剣を使い、火炎斬りや炎の舞などを駆使して戦う。社交性が高く、戦場でも社交の場でも周囲を魅了し、仲間との絆を大切にしている。
ピザ作りや社交ダンスが得意で、仲間に振る舞うことが多かった。湿気の多い場所が苦手で、火の力が弱まることがあるが、戦場では圧倒的な攻撃力と防御力を発揮していた。最終的に戦死し、その生涯を閉じた。
■看板娘リズ
リズは、ルナリス傭兵ギルドの受付・情報管理・外交担当を務める22歳の貴族の令嬢。
身長162cm、金髪を編み込んだウェーブスタイルで、エメラルドグリーンの瞳と透き通るような白い肌が特徴的だ。温厚で上品な性格を持ち、穏やかで控えめながらも芯が強く、責任感が強い。ギルド内では看板娘として親しまれ、信頼される存在。
戦闘スキルは低いが、戦術や作戦立案に優れ、危機時には短剣で護身を行う。
ギルド内では情報管理や外交を担当し、外部との交渉や依頼調整を行う。エメラルドグリーンを基調にした上品な服装を好み、寒冷地に適した服装で、細部には高級感が漂う。歴史書や戦術書を好み、紅茶を楽しむなど、知識と優雅さを兼ね備えている。過去に政略結婚の話があったが、現在は自由な恋愛を望んでいる。
■ギルドマスター、女傑レア
レア・アヴェリックは、ルナリス出身の35歳で、特級傭兵の元傭兵。現在はギルドマスターとしてギルドを率いている。
黒髪に金色の装飾を施した上品なウェーブスタイルで、灰色の瞳が鋭さを感じさせる。華奢で細身の美しい体型を持ち、自然な肌色が魅力的だ。
ギルド内では光属性魔法を使いこなす実力者で、後方支援を得意とし、仲間を守りながら戦場を有利に導く。特に「光の盾」や「治癒の光」を駆使し、戦場で活躍する。冷静で戦略的な思考力を持ちながら、温和で優しさも見せるリーダー。
料理が得意で、特にフルーツタルトを作るのが得意で、ギルドメンバーの士気を高めている。夫と娘を持つ母親として、家庭も大切にしている。ギルド内外でその実力と人間性から尊敬され、多くの仲間から慕われている。




