花散る雨、里に恋しなりゆく
最終エピソード掲載日:2025/07/08
生まれつき花や植物の“声”が聞こえる能力を持つ、京都に住む女子高生の楓。花は好きなので子供の頃は嬉しかったが、物心ついた頃、自分が皆と違う事に気づき、家族や友達にも秘密にしている。そんな繊細な気質故のマイペースな生活から周りに馴染めず、強い孤独感を抱えていた。
更に数年前、春夏の降水量が増えてから、春の花……特に桜の声が痛ましく悲しい、という事態を誰にも言えず、更に辛い年月を過ごしていた。ほぼ毎日、地元の外れにある社(やしろ)を訪れ、その土地の水神を祀(まつ)る祠(ほこら)に、雨を降らす日を減らして欲しいと祈っている。
そんなある大雨の夜、その祠に宿る水神だと名乗る青年らしき声が、楓に声をかけた。彼は姿は現さず、「叶わぬ願いは止めろ」と楓に忠告する。驚き、戸惑う楓だったが、目に見えない者の声に慣れていた彼女は、その水神に『サクヤ(咲夜)』という呼び名を付け、声だけの“彼”と会話をするようになり……
※以前投稿した作品の加筆改稿版です。
※主人公や友人は関西(京都)弁を話します。
※フィクションです。実在する名称、土地、出来事とは関係ありません。
更に数年前、春夏の降水量が増えてから、春の花……特に桜の声が痛ましく悲しい、という事態を誰にも言えず、更に辛い年月を過ごしていた。ほぼ毎日、地元の外れにある社(やしろ)を訪れ、その土地の水神を祀(まつ)る祠(ほこら)に、雨を降らす日を減らして欲しいと祈っている。
そんなある大雨の夜、その祠に宿る水神だと名乗る青年らしき声が、楓に声をかけた。彼は姿は現さず、「叶わぬ願いは止めろ」と楓に忠告する。驚き、戸惑う楓だったが、目に見えない者の声に慣れていた彼女は、その水神に『サクヤ(咲夜)』という呼び名を付け、声だけの“彼”と会話をするようになり……
※以前投稿した作品の加筆改稿版です。
※主人公や友人は関西(京都)弁を話します。
※フィクションです。実在する名称、土地、出来事とは関係ありません。