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なんでもなくない翌日

 ぐっすりと寝て起きた次の日、今日は日曜日なので起きたのは昼過ぎだった。僕は起きてまず、昨日投稿したメルトのページを開こうとしたけど、その必要は無かった。なぜなら…………


 「え?歌部門急上昇3位?どういうこと?」


 僕が歌ったメルトは、急上昇ランキングの3位に載っていたのだ。そして再生数を見るとまだ投稿してから1日も経っていないのに30万回を超えていた。もう意味がわからなかった。確かに普段よりも時間はかかったし、こんな言い方をするのはおかしいけれどいつもよりも感情を込められた気はする。だからそこが評価されたのかな?なんて軽い気持ちで思ってはいたけど嬉しいとかよりもまずは驚きの気持ちが1番だった。そして、昼ごはんを食べにリビングに行くとそこには僕と同じくらいに驚いている母さんがいた。母さんは僕の活動を知っていていつも投稿を聞いてくれているし、もちろん活動も理解してくれていたから聞いてくれたんだなっていうのはわかった。でも、母さんから言われた一言に僕は突っ込まざるを得なかった。


 「母さんは、いつか蓮が恋愛ものの歌を歌ったときが人気になるときだとは思っていたけれど、本当にバズったのね」


 「……ん?どゆこと?」


 「蓮は昔から感情表現が上手かったでしょ?」


 「そう?」


 「うん、あなた自身が思ってる以上にあなたは感情表現が上手いの。だから、疾走感のあるロック系でももちろんそれなりに高いレベルのものではあったんだけどこういう恋愛が絡む曲のほうがうまく歌えると思ってたの」


 「そうだったんだ……」


 「もちろん今までどおりの歌を続けていいと思うけど、今回のメルトみたいに感情を込めて歌うと今まで以上に再生数も評価も伸びると思うから気にしてみて?」


 「アドバイスありがとう、母さん」


 「このくらいは母さんにもできるからね」


 「助かるよ」


 「じゃあ、昼ごはん準備するから座って待ってて?」


 そう言ってキッチンに行った母さんを見ながら言われたことを反芻していた。僕の母さんは昔、歌手として活動していて、今はボイストレーナーとしても活動してるから説得力があった。そして、母さんが台所で昼ごはんの準備をしている間に改めて投稿した曲のコメント欄を見ていた。やっぱりコメント数もものすごいことになってたし、どれも好意的なコメントばっかりだった。僕は、初めてのバズりという体験に自然と笑みがこぼれた。



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