録音とまさかの来訪者 1
るなさんとConnectで連絡をとった次の日、僕は大学での講義を終えるとすぐに家に帰った。そして、録音のための防音室に入って、録音の準備を始めた。
「メルトかぁ。久しぶりに歌うなぁ……Supercellさんの楽曲は前にブラック★ロックシューターを出したとき以来だなぁ。あの歌ってみたは僕の投稿した曲の中で珍しく再生数が伸びたんだよなぁ。いつも1500回くらいまでしか伸びない中で1万回くらいいったから僕の中でも思い入れがある曲の1つなんだよなぁ」
僕はそんな思い出に浸りながらヘッドホンを付けて声出しを始める。
「あ〜〜、ん、ん。今日は喉の調子良さげだ」
そして、歌い始める前に動画で原曲とハモリの動画を見てから録音を始めた。
そして録音を始めてから4時間が経ち、日付も変わった頃ようやくハモリも含めた全部の録音を録り終えることができた。でも、ここで僕の作業が終わるわけじゃない。いや、いつもは録り終えた音源をMIX師さんにお願いして音の調整をしてもらうんだけど、今回は初めて自分でMIXまでやろうと決めていたので、ここから徹夜でMIXまで進めた。ここまで終えてからようやく僕は寝ることにした。だけどその眠りは長くは続かなかった。想定していなかった来客があったからだ。
「蓮!お客さんが来てるよ!」
「ん、んー?僕に客?誰?」
「つくちゃん!!」
「……は!?」
来客は月夜、僕の幼馴染であり新進気鋭の人気歌い手『ツクヨミ』として活動する片思い相手だった。でも僕は意味がわからなかった。月夜とはもう1年以上も普通の連絡を取っていなかったから。だからなんでだろうとか考えてると、突然部屋のドアが開けられた。
「蓮!!久しぶり!!!」
「いや……なんで?」
「えー?久々に会ったのになんでそんな反応なのー!?」
「いやいや、1年以上ぶりに会うのがこんな急だったらそりゃこんな反応になるでしょ」
「そう?まあまあ、そんなことはいいんだよ!」
「まぁいいけどさ?何しに来たの?」
「もー、つれないなぁ?今日は蓮に報告があってきたんだ!」
「ふーん?何?」
「私ね?遂にメジャーデビューが決定したの!!」
「……そっか、おめでと」
「むー、なんでそんなに反応悪いの?」
「いや、驚いてるだけだよ。まあ月夜ならそのくらい時間の問題だとも思ってたしさ?」
「そ、そう?」
「うん、とりあえずおめでとう」
「ありがと!」
そうして笑う月夜の顔を眺めながら僕は耳を密かに赤らめていた。
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