追放・・④
さて……。気付いてしまえばなんてことはない。
もうこんなパーティーに固執する必要もない。
さっさと抜けてやろう。
だが?こいつらも一時の気の迷い的なやつでこんなことを口走っているのかもしれん。
冒険者たるもの、いつでも冷静で的確な判断が出来ないとやっていけない、というかすぐに死んじゃう……とは言え、冒険者っつっても所詮は人間。感情はあるので、今日が特別虫の居所が悪かったってだけかもしれないな。
本気で言ってるのかどうか、一応確かめておく必要はある。
「だから俺をパーティーから追放して? 自由にお金を遣うと?」
もう一度3人に向かって問い掛けてみる。
「そうだよ」
「だからさっきからそう言ってるじゃないこのドケチ」
「察しが悪いですわよ、守銭奴さん」
答えは変わらないってか……
「本気で言っているんだよな……俺がいないとパーティー資金を管理するやつがいなくなると言っているのに、それがわかった上で俺を追放する、と?」
「くどいぞカット。金の管理だと? 子供じゃあるまいし、俺達もいい大人なんだ。それくらいできるに決まっているだろう。」
「あんたがいるからチマチマチマチマ必要経費の額だの使い道だの、うるさくて仕方ないのよ! ダンジョン攻略のモチベ下がるってわかんないの? これじゃ自分のためにコツコツ戦ってるのかお金の為に戦ってるのかわかんないじゃない。」
「あなたの顔を見てるだけで憂鬱な気分になってきますわ」
なるほどね。決意は固い、と。
アイツらもまだまだ若かったはず(そういやアイツらの年齢も詳しく聞いたことないな……興味無かったからな。5年くらい前から同じパーティーだしさすがに20歳は越えてる)だし、お金を使いたい盛りか……
「わかったよ。抜けるよ、パーティー」