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ダンジョン・・①

「よーっし、ダンジョン到着っと。」


 まるで大きな岩山から石材をめいいっぱい切り出したような無骨な見た目の入口。

 風の音なんだろうが、ヒュォォォォ……と、まるで冒険者を地獄の底へ誘うかのような恐ろしい音を放っている。


 まぁさすがにもう慣れたけど。


 申し訳程度の警備兵が入口付近に2人立っているが、基本的には彼らが何かすることは少ない。

 指名手配されている冒険者が入ろうとしていないかチェックしたり、帰りが遅い冒険者がいた場合はギルド素早く連絡し、救援クエストを出したりする。


 ダンジョンに入るまでにまずは……


 入口横に、雨風をギリギリしのげるくらいの小さな小屋がある。

 ここに設置されている、鳥箱くらいのサイズの機械に、ギルドカードを通す必要がある。

 72時間以内にダンジョンから退場し、もう一度ギルドカードをこの機械に通さないと、時間経過で捜索隊が投入される仕組みとなっている。


 もちろん、捜索隊に割かれる人件費もバカにならないため、発見・救助後に相応の費用を要求されるという……あまり聞いたことはないが、噂によると1回で30万ドゥルルほど取られるのだとか。

 俺の現在の全財産でも払いきれないので、忘れると文無しどころか借金持ちになってしまう。


 ブルルッ……恐ろしい。金がない生活なんて考えたくもない。さ、カードを通して中に入るか。


 ギルドカードを機械へ入れると、ウィーンという音と共に吸い込まれていく。


「ピンポーン」


 音が鳴ると同時に、青いランプが光る。これで入場処理はオッケーだ。


 カードを大切にしまい、いざダンジョンへ突入。



 外と変わらないかちょっと暗いくらいの明るさのダンジョン内部。

 仕組みはいまいちわからないが、土と石の混合物のような壁に囲まれているが、それ自体が発光しているらしい。

 壁を削り取って調べようとした学者がいるらしいが、アホみたいに硬いが、苦労して削るも、ダンジョンの外に一歩出た瞬間に蒸発するように消えてしまったらしい。

 不思議なものである。


 ただ、なんでもかんでも持ち出せないというものではなく、モンスターの死骸やアイテムはもちろん、一部のモンスターは生きたままでも持ち帰れる。

 例えば昨日から泊まってる安宿で飼っているニワドル等だな。

 基準は不明だが、ある程度の強さを持つモンスターを連れ出そうとすると、元の場所へ戻っていこうとするのだと専らの噂。それでも無理に外へ引っ張っていくと、入口を出た瞬間にパッと消えてしまうのだとか。

 その辺は俺のフル鑑定を使うと法則がわかりそうな気もするんだが、まぁ学者に関わるのも面倒だしやる気も無い。

 というかそもそも、2つのスキルについても当分は秘匿する予定だしな。

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