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3人寄れば・・

「それはそうとアルカちゃん」


「んー?」


「まぁすごい今さらと言えば今さらなんだけど、私、アルカちゃんってずっと呼んでるけどいいのかしら」


「んーー? どゆことー?」


「あんまこんな話するのもいやらしいんだけど、ほら、アルカちゃんのほうが歳上じゃない? ちゃん付けでいいのかなーって」


「全然大丈夫ー」


「そう? 私のことは呼び捨てにしてくれてもいいんだけれど・・」


「チャリーンさんはねー、なんかねー、お姉さん!って感じだから、チャリーンさんなの! それに……」


 アルカが自分の胸をペトペトと触っている。


「アルカちゃん!」


 たまらずといった様子で、チャリーンちゃんがアルカを抱き締めている。

 あれ? 俺空気……まぁ尊い光景を眺められるのでいいか……細かいことは。


「んぐ、チャリーンさん、苦しい……」


「アルカちゃん! 全然気にしなくていいのよ! そんなのはカズヒトに……ボソボソ」


 うーん、女の子同士のナイショ話もよいですなぁ。


「!」


 珍しくアルカが顔を真っ赤にしてる。チャリーンちゃん、一体何を言ったんだろう。


 うーん、ロールキャベッジおいしいなー。



 ……


 …………


「あー美味しかったわ。ごちそうさまでした」


「ごちそうさまー」


「お粗末様でした」


 さて、と。


「フェノメクション」


 水流を生み出し、位置は固定する。そこに食器用の洗剤を流し入れ、さらに水流を回転させる。

 しばらく待てば汚れが落ちるので、汚水はダンジョンの地面に吸ってもらう。

 後はもういっちょフェノメクションをかまして、食器や調理器具に温風をあてると、皿洗い終了。楽チンだ。


「カズヒト……相変わらずそのコストカット魔術ってめちゃくちゃね……しかもそれを皿洗いに使うとか……」


「え? そう? まぁそう言われてみるとそうなの……かな。なんか慣れきっちゃったから自分ではよくわからないんだけどね」


「チャリーンさん、気にしてもムダだよ。最近……というかずっとカズヒトは色々やりすぎてるし」


「そ、そうね……」


「なんか納得いかぬ……」


 得心したような2人と対照的に、俺はなんだかモヤモヤが残る。まぁいいけど。


「さて、泊まりがけだからそろそろお風呂タイムといきたいところなんだけど、チャリーンちゃんのレベルも上がったことだし、万が一ここら辺に人がきたら嫌なのでもっと下層に移動しようと思うんだけどいいかな」


「いいわよー」


「いいわよー」


「ふふっ」


 チャリーンちゃんのマネをするアルカ……可愛いな。


「ほんじゃ早速っと」


 いつものように2人の手を握り、


「ペネトレーションワープ!」


 80階層の安全地帯へ。


「到着、っと」


「そういえば、カズヒトがお風呂の話してたことあるけど、あれどうやってるかずっと気になってたのよね」


「ふっふっふ、ではでは、ご覧頂こうではないか!」


「急に謎口調になったわね……」


 今回はさらに! 男女を分けるついたての絵を、立体感溢れる海のワンシーンへ!

 そして、肝心の浴槽が無骨すぎていまいち味気なかったので(アルカは十分喜んでくれていたみたいだが)、岩を研磨したり砕いたりして、天然の温泉感を出す。

 さらに! 草木のセットも用意して、より没入感をアップ!


 え!? ここほんとにダンジョン内のお風呂!? 感を出してみました。


「えっ!? これ、ほんとにダンジョンで入れるお風呂なの!? ほとんど海じゃない……」


「前よりすごくなってる! すごいすごい!」


「ふっふっふ、喜んでいただけて何よりだよ」


 雑貨屋で【男湯】【女湯】と描かれたのれんまで買っている気合いの入れようである。もうほぼ温泉。


「それじゃ、入りますかね~ またあとで~」


「はぁい」


「はーい!」


 パパパっと服を脱ぎ、シャワーを浴びる。

 うーん、やっぱダンジョンの中でもシャワーを浴びると汚れが落ちてさっぱりするなぁ……

 もうシャワーとお風呂無しのダンジョン探索なんて考えられないぜ……

 他の冒険者って長期探索の時はどうしてるのかなぁ……


 そんなことを考えながら湯船に浸かる。


「ふはぁ~~~」


 腹の底から魂が抜け出ていくかのような錯覚に陥る。

 実に気持ちいい。

 やっぱ温泉だよなぁ……お湯が本物の温泉から引いてるわけじゃないのがちょっと残念だけど。

 これなんとかならないかなぁ……フェノメクションで再現するには魔力を使いすぎるような気がするし……というか温泉のあの感じをイメージするってどうすりゃいいんだ?

 いっそ本物の温泉のお湯を分けてもらうか? それでそのお湯を入れる専用の小さめ収納袋を買ってさ。

 無駄遣いと言われるかもしれないが、これは一生モノの買い物だからな。

 自分のお小遣いの範疇で買うのなら問題はないはず。


「んん~ ダンジョンでお風呂に入るのってやっぱ贅沢だなぁ」


 お湯をヒタヒタしたタオルを顔に乗せる。

 ちゃんとした温泉ではマナー違反とされてる行為だが、まぁ俺しか入らない湯船だ。かまうことないさ。


「ふぁ~ 気持ちいい……やっぱ目も疲れてるんだなぁ……」


 温泉のへりにもたれかかるように仰向けになる。


「ふんふん~♪」


 ついつい鼻唄なんか歌っちゃう。おっと、隣に聞こえたら恥ずかしいな。


「ご機嫌ねカズヒト」


「ご機嫌~」


「んぁ?」


 ついたての向こう側にしちゃやけに声が近いな?


「えっ!?」


 おもむろに顔にかけてたタオルを取ると、そこにはバスタオル1枚だけを身に纏ったアルカとチャリーンちゃんがいた……

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