一方その頃・・SIDE 欲望の坩堝③
「え、ええ……わたくしはこれですわ」
デルティアの衣装は……
「なんていうか……エロいな……! すごくいいぞ!」
「エロ……そんなことありませんわ! そんなことありませんわ!」
一見清楚そうなシンプルなドレス風の衣装。
舞踏会に着ていってもよさそう……と思いきや、普通のドレスと大きく違うのはその胸元。
大きくハートの形が切り取られている大胆なデザイン。
ハートの形に合わせてむにゅっとした大きく形のよい胸がこぼれ落ちそうにはみ出しかけている。
「こりゃあ……聖女じゃなく性女じゃねぇか!」
「恥ずかしいですわっ」
「何言ってんだ! エロいけど最高に似合ってるぞ! 2人とも、ほんっっっとに最高だよ!」
「もうっ!」
「うふふ……」
さてブルが買った物と言えば……
剣とか無駄にゴテゴテした指輪、靴、etc……
野郎の買ったもんをここで披露したって盛り下がるだけ。
「じゃあ2人とも……」
部屋に備え付けてある魔光石に魔力を込め、明かりを消す。
「あっ……」
「し、失礼しますわ」
3人共ひとつのベッドに入っていく。
そう、ブルはサキともデルティアともデキていたのだ。
サキもデルティアも、カズヒトのことがそこまで好きではない(節約節約うるさいので)ものの、追放するほど嫌いかと言うとそこまでではなかった。
カズヒトのことが煙たかったブルが、2人に少しずつ愚痴っていった結果であった。
現在のブルにとっては理想的な状況となったのである。
「そこはダメですわーーーーーー」
「ああっ、ズルい! あたしも!」
パーティー 欲望の坩堝
残り資金 約2800万ドゥルル
(カズヒト追放時は4000万)
カズヒトがいたらあまりの散財に発狂していたであろうことは間違いない……。
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パーティー崩壊の気配を漂わせながら、こちらも夜が更けていく…………




