新パーティ 竜王のお膝元・・⑥
41階層……42階層……
「順調だ」
「そうだね~」
「うん」
順調……なんだが……
さすがに深層を進んでいくと、敵がどんどん硬く、厄介になってくる。
「時間かかるぅーー……」
「かたいねー」
42階層はジャイアントアントの巣だった。
強敵だったかと言われると、全然そんなことはない。
ただ、硬かった。アリのクセに……という愚痴が頭に浮かぶくらいには。
「さすがにちょっと疲れてきちゃったなぁ…… んー、アルカはねー? 同じモンスターが多くてちょっと飽きた!」
「そっかぁ……飽きたかー……元気はありそうだねー」
「うんー でもちょっと休みたい気持ちもあるよー」
「なるほどなるほど」
俺のこと気遣ってくれてるんだな?
くぅっ……いい子だな。
「次、43階層だけど、今日はこの辺りで休もうか」
「うんー!」
「よしよし」
今日は、っと。
……
…………
「おいしいかー?」
「うん! 今日もすっごい美味しい! カズヒトの料理毎日食べたいよー!」
「お? 嬉しいこと言ってくれるねぇ」
今日も今日とて、ダンジョンでは本格クッキングを行っていた。
☆彡本日のダンジョンクッキング☆彡
まず、ダンジョンモンスター産の岩を組み上げ、カマドを作ります!
ここまではみなさんお馴染みですね!
本日はなんと、豪快にニワドル1羽を使った料理を作っていきたいと思います。
まず、どこのご家庭にもある、ニワドルを丸々1羽、こいつの羽を全部むしります。
むしった後は、皮目をさっとだけ炙って毛を燃やします。
続いてニワドルの腹を裂いて、昨日まで使った野菜の残りを細かく潰して詰め込みます。
ニワドル全体にソイソース・シュガー・セサミオイルを混ぜ合わせた物を塗ってから、串に刺してじっくり焼きます。都度混合液を付け足しかけながら焼きます。
ニワドル焼いてる間に麦粉をお手製ボウルでゆるく溶いて、金属板でうすーくうすーく焼いていきます。
20枚くらいあればいいかな?
後は焼けたニワドルを小さく切って、青ニオン、俺の自家製秘伝のタレを合わせて薄く焼いた生地に乗せたら完成!
ニワドルパリパリクレープだ!
「お腹いっぱいだなぁ……」
「ふぅぅー。もう食べられないよー」
2人とも大満足のはずだったんだ。
だが……何か物足りない。
そうだ。泊まりの探索で、明日で3日目になる。
つまり……




