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一方その頃・・SIDE サキ&デルティア④

 店売り価格1500万


 売却価格500万


 奪った収納袋の価格である……


 売却してしまったサキとデルティアは、といえば。







 カジノにいた。


「取り返すわよ!」


「ええ……やるしかありませんわ」


「ビギナーズラックというのがあるらしいわよ」


「わたくし達は2人共初めてですから、2倍勝ちやすいですわね」


「じゃ、いくわよ!」



 時を少し遡り、収納袋の売却時まで戻る。




 ━━道具屋━━


「お邪魔するわ!」


「お邪魔しますわ~」


「いらっしゃい」


「これを売りたいんだけど」


「収納袋だね。市場で一番よく出回ってるやつか……鑑定するのでそこで座って待っててね。」


「わかったわ」


「ええ」


 カズヒトとパーティーを組んでたときは、消耗品や道具、その他探索で使うものはほとんどカズヒト任せにしていたため、物珍しい2人は店の中をキョロキョロと見渡す。


「いくらくらいになるかしら?」


「あ、あそこに収納袋の絵が描いてありますわ」


「広告ね。えーっと……あたし達が持ってきたのはたぶんあの一番小さいやつね。1500万って書いてるわよ!」


「すごいですわね……お店で1500万で売ってるってことは……売却しても多少下がっても1000万は越えるんじゃないでしょうか」


「1200万くらいいくかもしれないわ! ってちょっと、あれ見てよ!」


「え? どれですか? あ!」


 サキが指差す先にはブルが持っていた……元々はカズヒトが管理していた物だが……収納袋が載っていた。


「あれ5000万もするじゃない!? アイツおカネすっからかんになってたからきっとあれ売り払ってるわよ!」


「ひどいですわ! わたくし達に黙って使い込んだばかりか、収納袋まで着服するなんて!」


「許せないわ!」


「……でも、もうパーティーも抜けましたし、見つけるのも大変ですわね……この都市広いですし」


「……そうね……そう言われると……どうしようもないわね。そもそもアイツに今さら言ったところでもうおカネ持ってないだろうし」


「仕方ありませんわ……収納袋の査定結果を待ちましょう」


「そうね」


 待つこと数分。


「お待たせ~」


(きた!)


(きましたわーー!)


 ついに運命の査定結果が……


(1200万1200万1200万……)


(1000万はありますわよね……?)


「このアイテム収納袋なんだけど~」


(少しでも高く……)


(お願いしますわ……)


 心の祈りが止まらない二人。気持ちはひとつである。


「一番小さいサイズだね~ 状態もかなりきれいだ。たぶんそんなに出し入れしてないんじゃないかなあと思うんだけど」


(どうでもいいわよ! 早くしなさいよ!)


(元々わたくし達の物じゃないしどうでもいいですわ!)


 そんなこと店主には一言も言えないが、心の中で文句をつける。


「うーん……そうだなぁ……この状態でこの商品なら……」


(1200!1200!1200!)


(1000!1000以上でお願いしますわ!)


 運命の時は訪れる。





「500万ってところかなぁ」




「は?」


「へ?」


「ごめん、もう1回お願いできる?」


「わたくしもちょっとよく聞こえなかったですわ」


「うん、500万だね」


「ちょっと! なんでそんな安いの!」


「そうですわ! こっちに販売価格1500万って書いてありますわ!」


「そうよそうよ! 新品と同じ値段とまでいかなくても、1000万とか1200万くらいはいってもおかしくないじゃない!」


「うーん……そんなこと言われてもねぇ……君たち今まで物の売り買いしてこなかったのかな? 他のパーティーメンバーの誰かがやってた? 商売の基本なんだけど、当然安く買って高く売らないとお店潰れちゃうよね? だからこのくらいの価格になっちゃうんだよ。」


「そんな……」


「でも……」


「まぁ思ってたより安くて怒るお客さんもいるけどさ、まだうちは良心的なほうだと思うよ? 別にどこで売ってもいいから他のお店でも査定してもらってごらん。たぶんそんなに変わらないよ? まぁ今売ってもいいし、一通り店回ってからでもいいしさ」


「そ、そうね……またくるわ……」


「ええ……」



 結局二人は、嫌な予感を抱えながらも、諦めきれずに何件か店を回って査定の見積りを出してもらったのだが……


「……最初の店が一番高かったわね」


「ですわね……」


 結局最初の店……カズヒトが常連となっている店で収納袋を売却するのであった。




 それからというもの、以前よりさらに、もひとつさらに生活ランクを落として生活する二人。

 だが、相変わらずカモが見つからない。

 素直にダンジョンでモンスターを倒せばもう少しマシな生活ができるはずなのだが、以前の贅沢な生活、働かず遊ぶ日々を忘れられず、今日も怠惰に過ごしてしまう。


 そんな暮らしをすれば、当然お金は減り続ける一方。


 街で見掛けたカジノの宣伝に、これだ、とばかりに乗っかる2人であった。

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