これから・・④
「そんな……ひどいじゃないですか! カズヒトさんの努力も知らないでお金のことで追い出すなんて!」
「ま、まぁ、俺もちょっとケチが過ぎたかもしれないし、アイツらにその辺伝える努力を怠ってたってところもあるかもだし……」
「それでもです! パーティーを追い出す理由にはなりませんよ!」
自分より怒ってる人を見ると逆に自分は冷静になるんだなぁ……とかそんな呑気なことを考えながらナオさんのケモミミを見つめる。おっと、いけないいけない。
しかしナオさんはいい人だよなぁ……カズヒトさんてちゃんと呼んでくれるのこの街じゃナオさんくらいのもんだしなぁ。
大体の人は俺のことをコストカット術師ってとこから取ってきてるのか、カットとしか呼ばないし。もう慣れたからいいけどさ。
「でも結果的にはよかったかもしれないんだよ、いや割りとマジで本当に思ってるよ? 何しろアイツらは金遣いが荒いし、もしかしたら俺はソロのほうが金稼げるかもしれないしさ! また稼げるようになったらここに泊まりにくるよ」
「むぅ……わかりました。約束ですよ。」
「ああ、ケモミ……じゃなかった、この宿には他にはない良さがいっぱいあるしさ。またくるよ。」
「絶対ですよ」
「じゃあね」
そう呟いて宿の出口へ歩き出す。
━━━ 気付いてるんですよ……カズヒトさん……私の耳ばっかり見てるの。カズヒトさんなら触らせてあげてもいいのに
「ん? なんか言った?」
「なんでもないです!」
さて、とりあえず今日やらないといけないことは大きく分けて3つ。
・冒険者ギルドに行ってパーティーから離脱
・安い常宿を見つける
とりあえずギルドに行きますか。




