第一幕
王様から呼び出され、勇者として任命されて
困ってる人たちを助けながら各地を転々としていたのだけど
最近この村の方から色々頼まれ事をされたりして
少し疲れていたのかもしれない、変な夢を見たような気がする
しかし傍らには見慣れぬ剣が置いてあった。
「夢じゃなかった?」
「どんな夢見てたのーもしかして如何わしいやつだったりー?」
思わず口にした言葉にどこからか反応が返ってくる
「え、誰っ?!どこ?!」
「ここ、ここ、あんたのめ、の、ま、え」
目の前にある剣がひとりでに動き僕の目線の高さにくる
「おはつーあーしチョベリグっていうのヨロ!」
剣がウインクをしたような気がした
「え?えぇぇぇぇ!?」
剣が喋ったこともそうだし勝手に動くし訳がわからないぞ…
でもそういやなんか剣やるから退治してこいみたいな投げやりな説明されたような気はする
「とりまあんたをここからちょっと行ったとこにあるダンジョンに案内しろって言われてるからそこ行こ」
「え、待って待って今から?!」
「もち、ちょっぱやで」
「せめて準備してから行かせてよ」
「あーしがいれば超ASだしー」
ASってなんだよ……と思ったけどそこは突っ込んではいけないような気がしたのでやめておく
というか僕…なんとなく普通に話してるけど外でこんな剣と喋ってたら不審者じゃないか??
勇者じゃなくて危ない奴認定されたら大変だよ……
「あの剣さん…」
「チョベリグ」
「え?」
「あーしはチョベリグって最初にも言ったんですけどーおこよ?」
「ちょ…チョベリグさん?」
「さんとかいーし、これから当分一緒なんだし」
「わかった、よろしくチョベリグ」
「ちなあんたの心配は無用よ、あーしの声は一部の人にしか聞こえないし」
そうだったのか。
それからチョベリグは意識するだけで僕と会話出来ることを教えてくれた。
たまに何を言ってるかよくわからなかったが僕が心配するようなことはなさそうだ
[こうして勇者と聖剣は冒険に出るのであった]