第一幕
「勇者さん寝たよー」
海狸達が報告をし早々に勇者が寝ている部屋に忍び込む
料理に少し盛っておいたのでちょっとのことでは起きることはないはずだ
まぁ最悪起きても問題はないであろう。
どうせ起こすし
チョベリグには次に目覚めた時、近くにいる人物が勇者であること。
その勇者を連れダンジョンの最深部まで行くことが目的であることを教え眠ってもらった
そして準備を整え、海狸達に合図を送り勇者を起こし話しかけることにする
「勇者よ…勇者よ…聞こえるか…」
後ろから後光が指すように光を当てているせいか少し熱い
勇者は少しぼけーっとしてはいるが一応起きたようだ
「わしは神、勇者であるお主に頼みがあってこうして語りかけておる」
「かみ……さま…?え………?」
「混乱するのは無理もないがあまり時間もないので早々に要件を言うぞ」
少し理解が追い付いていなさそうだったが完全に起きられても困るのでそのまま続ける
「お主にこの聖剣…チョベリグを授ける、これを使いとあるダンジョンの奥地に潜む魔王を倒して欲しいのだ…頼んだぞ」
「ちょっ…まっ……」
何かを言いたげな勇者を眠らせ足早に部屋を去りつつ、なんとなく海狸に聞いてみる
「俺神様っぽかった?」
「かんぺきー」
「そっか」
こいつら俺のことを殆ど否定しないのでわかりきったこたえだったが少し気分が上がる。
そういやこいつらなんとなく見分けはつくけど名前ないなと思いそのうち名前でもつけてやるかと思いながら家に帰るのであった