第一幕
魔女の家につくと、以前見たときより若くなっている魔女がいた。
「変な魔力が暴れてると思ったらあんたらか、何しにきたんだい」
「魔女さんこんにちは、こないだしえんさんを助けてくれたお礼しようと思って剣を造ってきたんです!」
「はぁ?剣?そんなもんいらないわよ。あたしは魔女だよ、どうせなら杖を持ってきなさいよ…」
「いやいやこの剣見たらびっくりしますよ」
俺は剣を差し出した。
「なにこのババアウケるw超若作りしてるけど無理しすぎじゃねww」
瞬間やっこさんが吹き出す
俺も思わず吹き出してしまったがすぐ後悔した
目の前の魔女が凄まじい勢いで魔力を練っているのがわかったからだ
「あたしに見せたいものってこれかい?」
冷たい声が響く
「あ、いや…あの…ちょっとチョベリバさん?」
「あーしこんなババアに持たれるぐらいならおまえらんとこ居たいんですけどー」
「意思を持った剣ってのは凄いけどちょっと教育が必要なようだね、というか造ったってことはあんたらあたしの事そんな風に思ってたのかい?」
「ぜ、全然そんなことないです、めちゃくちゃ美人で素敵でむしろ少し好みだしめっちゃ美人だs…」
言い終わる前に殴られる俺とやっこ
HP半分ぐらい削られるほどの衝撃に意識がとびかける
物理でこれとかこの魔女くそつよくね…やっこさんと目をあわせ二度と近寄らんと決意する
「まぁこれぐらいにしてやるよ、別の客人もきたようだしね」
「別?」
「あぁ、まぁたいしたことはない勇者だよ、たまにいるんだあたしは悪い魔女だからね」
「「この世界勇者いるの?!?!」」
思わずやっこと同時に叫んでしまった
「あぁ…いるけど何をそんな…ってそうかあんたら転生者だったね」
「え、じゃあ魔王とかも居るんですか?」
「あたしは見たことないねえ、人間の間で噂はたまにでるらしいけど実際はそんなものいない。王族の都合の悪いことを隠すために仕立てられた幻想だろうね。わざわざそんなもののために勇者なんて囃し立てられて可哀想な人間だよ」
そう聞いてふと思い付いてしまった
「え、じゃあ俺らでやらね?魔王」
「いーね、それ面白そう!ちょうどいい感じの魔剣も造ってあるし!」
流石やっこ、こういうときのノリは完璧だ
「あんたら正気かい?わざわざ世界を敵に回すつもりなの?」
「ま、俺前の世界では神ですし余裕ですわ」
「俺は面白ければなんでもいいや」
「神…?だから無から有の創造ができるの…」
「あーしは汚れたくないんですけどー」
「チョベリバの出番最後だけだから大丈夫だよ」
「高みの見物ってやつ?イイネ」
剣には聞いてねーよって言いかけたがやっこが上手く言いくるめたので前からやってみたかったことを提案してみた
「どうせならダンジョンとかも作っちゃおうぜ」
「え、じゃあ聖剣とかも作っちゃう?」
「宝箱とかもちゃんと置いて回んなきゃ」
「ていうか魔王なら四天王とかも必要だよね!俺やるよ!」
え、四天王四人なのにどうやってと聞こうとしたとき
「盛り上がってるとこ悪いけど勇者そこで死にかけてるけど」
「「えっ」」
魔女が指差す方向を見ると遠くの方で勇者は森の蔦に絡まって身動きがとれずにいた
「え、もしかしなくとも勇者クソザコ…?」