第一幕
「ねぇーどこいくんだしー、暑いし、暗いし、もうサイアクなんですケドー」
俺の後ろでやかましい声が聞こえてくるが、スルーする。
「ちょっとーキイテマスー?ど こ い く の って聞いてるんですケドー」
「ねぇねぇしえんさんしえんさん、ちょっとこのやb…美味しそうなキノコ食べてみない?」
近くを歩いていたもう一人の少女が凄くニッコリとした顔でとても毒々しいキノコを持ってきているのを見てため息をつく
「やっこさん、俺がそれうん食べるぅ!って言うと思う?」
「全然思ってないから無理やり食べて貰おうかなって」
そう言い終わるかどうかの速度で少女…やっこは俺に突進してきた。
だが予想できていた俺はそれを寸でかわしたつもりだったが俺の横で揺れる立派な縦ロールに少しかすってしまった
「お?ケンカ?いいぜやってやんよぉ」
魔力を練り全身にまとい戦闘体勢に入る
「ねえアーシのこと無視とか舐めてるんですぅ?」
「ウッセエ!剣は黙ってろ!」
後ろに掛けていた剣を投げ飛ばし黙らせやっこの方に向き直る
「あ、ちょっ俺が造った剣そんな雑に扱わないでよ軽い冗談じゃん」
「あぁん?先に手出したのはおめえだぞやっこぉ…」
「当たってないじゃん」
「いーや、俺のこのキュートな縦ロールに当たったね」
「え、しえんさんそれ気に入ってたの?ちょっと引くんだけど…」
「うるせええぇ、どんなに頑張っても直らないし切れねーし付き合うしかねーんだからしょうがねえだろ、それに女の髪はなんとやらっていうじゃねーか!」
そう言いつつ、もう争う感じではなくなったので剣を拾いにいくと手に電気が走ったような衝撃が走る
「おい」
剣に向かって話しかけるも反応しない
絶対造ったやっこさんの意志ひいてるだろ…俺も関わったけど
やっこの方を向いてみるが俺は知りませーんといった感じで少し距離をおかれていた
「ごめんて、もう無視しないから…ね?」
「あーしあんたらに造ってもらったとはいえ魔剣なのにこの扱いって酷くない?」
「ほんとすいませんでした」
「もうしないでよね、次はころすからね」
「はい」
「話終わったみたいだし、早く魔女さんのとこいこーよー夜になっちゃう」
誰のせいだと思いつつこれ以上ぐだぐだしているとほんとに夜になってしまうので飲み込み魔女の家へ向かうことにする。