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しずかのうみで  作者: 村井なお
第三章 うみの町の幼なじみ
20/59

20. あらためて、ニオと

 しばらくすると、本殿裏にみちるさんが来た。


「祭祀が終わったから、ちょっと拝殿に来なさい」


 わたしとのどかは掃除道具を壁際に置き、みちるさんの後を追った。


「今来てるのは、氏子総代の娘さんなの。せっかくだからあいさつしておきなさい」


 ん? 娘さん?

 ……それって、もしかして。


 みちるさんの後に続いて拝殿へ入る。拝殿の中央にいるのは、白衣はくえを着た女の子で。


「やっぱりニオだったんだ!」


 正座しているニオに駆けよる。


「あら。あんたたち、いつの間に再会してたの?」


「さっき本殿の裏で!」


「あら、そうだったの。せっかく感動の再会を用意したのに」

 と、みちるさんが苦笑いを浮かべる。


「二人はいつまでこっちにいるの?」


「これからずっとだよ。四月からはこっちの学校に通うの」


「ニオちゃんと同じところよ。町立淡海小学校ね」

 みちるさんが言うと、ニオは「やったー」とうれしそうに手をあげた。


「そういえばニオ、今日は祭祀のために来てたんだね」


「うん。毎週来てるんだよ」


「何だ。わたし、てっきりのどかに会いに来たのかとかんちがいしちゃった」


「しししししーちゃん!? 別にわたしのんちゃんが来てるって正夢なんて見てなくてこれからは毎日でもみずうみをいっしょにかけがえのないこの日々を生きていきたいよ!?」


 す、とわたしの頭に手が置かれた。


「ぎゃあああああ!」


「拝殿ではさわがない。オーケー?」


「何でわたしだけがはい、わかりました! もうさわぎません!」


 またひとつ神社の作法を学んでしまった。口ごたえはさらなる握力を呼ぶ。


「さ、感動の再会もすんだし、ニオちゃん、そろそろ行きましょう」


 と、みちるさんにうながされ、わたしたちは拝殿を出た。


 拝殿の階段下には、お手伝いにきてくれているおばあさんが立っていた。


「もしかしてニオのお祖母ちゃん?」


 隣のニオは「うん」とうなずいた。

 聞くと、ニオの一家は昔からの氏子さんらしい。


「小さな神仕えさま。これからまたニオちゃんと遊んであげてね」


 お辞儀をするおばあさんに、わたしとのどかも礼を返す。


「「はい、もちろん」」


 ニオは、無駄に力の入った笑顔で「今度、うちにも遊びに来てね!」と言い残して帰っていった。


 白衣のままで。


 しばらくするとあわてて戻ってきて、今度こそ洋服に着替えてニオは帰っていった。


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