剣と魔法の異世界
先ずは前置きから語り始めようか。
たまに、いや、殆どの場合、小説とか漫画とか、気絶から目が覚める時、「はっ!」とか言ってたりするけど、俺はそれは違うと思う。だって、目が覚めていきなり「はっ!」何て言うはず無いだろって思うんだよ。だから、俺はそんな事はしない。
前置き、終わり。本編の始まりである。
「うーん…。あー…よし、起きよう。ふぁぁぁぁぁぁぁぁ…っ。あー、学校めんど…?あり、ここ何処だ?」
朝起きたら、一本の木の下にいた。周りは一面芝生である。いや、道がある。
…ここ何処だ?
んん?
………………そうだ、俺、死んだんだった。
そして、異世界転生したんだった。
そうだ、とりあえず、起きよう。せっかくの二度目の人生だ。
さて、どうしようか。
ここを通って行けば、町とかに辿り着けるかな?
ん?何か忘れているような…そうだ、あいつら(神)、俺に特製対日光プロテクターをくれるって言ってたじゃないか。何処にあるんだ?
……あ、着てた。確かに、俺専用だな。
ところで、さっきからずっと気になってるんだけど、あの箱何なんだ?開けていいやつなのか?
何だ、俺の名前が書いてある。つまり、開けていいやつってことか。
どれ、中を見てみよう。
中には、日本刀が二本入っていた。
銘が刻んである。
「深忌」「鋼戯」
ふむ、読めん。
ま、いいか。
とりあえずは移動である。移動しないと何も出来ない。
町に行って、どっかのパーティに入ろう。
…どっちに行けばいいんだ。地図も何もねぇ。
「おや、道にでも迷ったのか?」
ん?
振り向くと、そこには俺の妹ぐらい(小6だ)の金髪童女が仁王立ちをしていた。
作業着のようなものを着て、リュックには工具が入っていた。職人?
「私は町に行くとこなんだが、道案内でもしてやろうか?私も丁度町に帰ろうとしていて道に迷っているところなんだ」
「お前迷ってんじゃねぇか」
何を案内する気だ。何処に俺を連れて行くつもりだ。
「違った、路頭に迷っていたんだった」
「そんなもんに迷うんじゃねぇよ。お前大丈夫か、頭」
「路頭じゃ無かった、露頭に迷っていたんだった」
「露頭とは⁉︎」
「そんな事も知らないのか。誰か露頭の意味を説明してやってくれ私に」
「やっぱりお前か」
…いきなりヤベエ奴と接点を持ってしまった…。