ファーストデッド
「つーことでお前死んだから異世界行きね」
⁉︎
突然、神(名札に書いてある。本名は津付木と言うらしい。やっぱり名札に書いてある)に、それを告げられた。
「面倒くせーから何も聞かずに言ってくれ。俺は鈴本じゃねーんだから」
「えっちょっと待って俺死んだの⁉︎えっ、ちょっ、えっ、マジで言ってんの⁉︎」
すると神は気怠そうに、
「当たり前だろ面倒くさい。じゃねーとこんなとこ来れねーだろ。お前はバイク事故で死んだんだよ。おら分かったならさっさと行けよ面倒くさい」
俺が死んだ⁉︎事故で?バイクで?…マジか…。そういえば、少しだけ、記憶がある。俺がバイクに轢かれる記憶だ。
俺は基本的に、神だとか仏だとか幽霊だとかは余り信じない方だったんだが、まさか本当にあったとは…。信じるしかあるまい。
ていうか、死んでもこんな感じだったんなら、無理にいきようとせずとも良かったんじゃないか?
「早く行けって。面倒くさいな本当俺は鈴本じゃねーんだからってさっきも言ったたろ?嗚呼面倒くさい。早く行けって!」
「面倒くさがり過ぎるだろ。どんだけ面倒くさいんだよ。てか鈴本って誰だよ。さっきからちらほらと出てきてたけど」
「うるせー!早く行けって言ってんだろ!誰よりも早く行け!瞬足履いていけ瞬足を!」
何で瞬足履かなきゃいけないんだよ。どんだけ早く行って欲しいんだよ。
まあ良いか、次に行こう。
「どっち行けばいいの?」
「そこの看板に書いてあるだろーがぁぁぁぁぁぁ!」
…キレた。
「早く行けって鬼怒川ぁぁぁぁぁぁ!」
鬼怒川。俺の名だ。
「自己を紹介してんじゃねー。事故って昇天してろ」
してんだけど…。
自己紹介ぐらいはさせろや。
まあ良いか、次に行こう(2回目)。
こっちかな?
「こちらでございます、鬼怒川様」
違った。
あとこの人誰?
「鈴本でございます」
鈴本ぉぉぉぉ!鈴本いたぁぁぁぁぁ!!!!!!
続く。