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夏休みだけの仲間  作者: 戸田まひる
2/5

自己紹介!

ユンユン登場!!!

 研究部。

 八畳部屋の入口扉に張り紙が貼ってある。

 三階建ての学校の中でも一番景色がいいと言われているこの教室。東西南北の方向を計算されて造られているこの校舎は素晴らしい建築家が建てたに違いない。そしてこの部室の窓から夕日を見ると、きっちり西が見えるという事。

 今日も五人は、この西日を眺めながら反省会をする。

「この教室から見る海はもう最後なのか」

「和それさっきさ、きーたわ」

 僕と岬は、傍から見れば仲が悪い様な会話しかしていないが昔からの幼馴染みなのだ。


 始業式が終わり翌日。僕達五人の担当者が変わるという。去年は熱血教師の様な暑苦しく、でも優しい防衛特務化の人だった。今年はどんな担当者が来てくれるのか、僕達五人は少し楽しみでもあった。僕の予想じゃまた、熱血系かと思い大して期待はしていない。どうせ一ヶ月の付き合いだ。そんな冷めた気持ちでしか考えていなかった。

 だがそんな考えはあっさりと覆る事になる。

 廊下を歩くハイヒールの音。それはドアをノックした時のように響き、そして近づいている。僕と岬と慎はどんどんと期待が膨らむ。

「おい、和。おんなだぞ。女」

「そんなこと分かってるよ、おばさんかもよ?」

「俺は可愛いロリっ子とみたっ!」

「慎君それはないと思うよ。ね、岬」

「お姉さん系かもしれんぞ」

 そんな男同士の会話が弾んでる中、冷めた目で見てくる女性陣。茜と誠は呆れて何も言えずにいる。

 けれどそんな僕達の期待は大当たり。扉を開け入ってきたのは、背もそれほど高くはなく、お姉さんというSっけ混じりの顔でもない。どちらかと言えば、クラスに一人はいそうな可愛い女子高生の様な人。そして透き通る優しく柔らかい声。

「皆、おはよ。今日から担当させて頂く佐々木結です! ユンユンって呼んでね……」

 見た目とのギャップに僕達は興奮しぱなっしだ。

 少し恥ずかしがり屋なのに、やけに積極性があると見た。

「それでは私も初めて此処に来た事だし、自己紹介から! 私の後に続いて皆もお願いね? えっと、防衛特務化第一部隊隊長、防衛庁防衛総務長に所属してますっ。んーと、好きな食べ物はラーメンです! はい、次は君」

「あ、えっと篠原和です、岬と一緒に此処に呼ばれ来ました、好きな食べ物はプリンです」

 今更自己紹介する意味など無いと思いつつ、ユンユンの顔を見ると何か楽しげに笑っている。此処はそんなに呑気な場所では無いのはずなのに。

「はい、川本岬でーす。名前から女と間違われるんですが見てのとーり健全純粋な男子高校生。好きなもんとかねーな」

 口は悪いが岬はいい奴で僕の親友だ。

「笑内茜です! 私もね変わった苗字でね、女子高から来ました! 好きな食べ物はオムライスです! はい、誠ちゃん」

「小歩危誠です……、なんだか変な名前な私です。茜ちゃんと一緒で名前で弄るのはやめてくださいいっ! えっとえっと好きな食べ物は……な、なま、なまこです……」

 その瞬間、皆が真顔になったが笑い堪えれず、ユンユン始め皆、笑い出す。

「……うう」

「あーあ、なかなか笑いをとるのは難しいのに良くやったよ誠。じゃあ最後に俺だな、慎です。憩ノ村慎ですよろしく。好きなー食べ物は、か。エビチリ?かな。はいユンちゃん一周したよ」

「皆ありがと! これからも宜しね。それじゃあ今日はショートコンファレンスの後、女子からお風呂、そして皆でご飯。最後に男子がお風呂ね! また、ご飯の後に予定は言うわ」


 そうしてユンユンは教室を後にした。それにしても少し変わった担当者だった。だけど防衛総務長。防衛庁のトップの人。何故こんな所に……大体の予想はつく。


 来月、闇に包まれる。

 そして日本にはもう時間がない。

 改めて思い知らされる。

 笑ってる暇なんてない。


 そうして夕日は水平線へと沈み、西の空はもう黒く、暗くなっていた。



 残日数弐拾九日。





今回は短いですが明日か今日中に次話投稿したいと思います!

よろしくお願いします!!(°▽°)

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