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クラス転移はts付きで  作者: lime
番外編
70/77

Happy Halloween!

 まだ番外編は終わらないよー


 ハロウィン。

 それは、日本にいるパリピな人達がその一夜で仮装をし、人によって可愛らしいものやかっこいい物、気持ち悪い物、怖い物、そして不審者同然な格好をしている者もいる。……まあ、本物の不審者もいるんだけど。

 それは置いておこう。

 そもそも、昔の僕ならばこんな祭りではしゃいでいたのかもしれない。しかし今は神と言う重要な立場に着き、人間たちを異世界からの侵略者から守るために存在している。だから神がこんなことに参加してはいけないのだ。


「ねえねえ、これがハロウィンって奴なの? すごく馬鹿みたいだけどすごく楽しそうね」

「うん、まあ、みんなこの規則と常識に縛られたこの社会を嫌がっているんだと思うよ? 出なければあんな服装で外を出歩かないし、こんな行事なんて流行らないよ」


 それが普通なはずだ。だって僕が地球に戻った時に感じた複数個の記憶や感情で、アルス以外の神の対応や仕事を知ったのだが、アルス程怠惰な神はいなかった。なぜアルスは怠惰の神にならないんだ。


 (別にはしゃぐのは良い事だよ? それに溜め過ぎると何時しか病気か何かにかかるんだよ、だから仮装しようよ)


 きっとこいつ(ラム)にも複数の記憶が帰ってきているはずだ。なのにこんな事をしているとか、ほかの神に申し訳ない。そもそも、ラムに申し訳ないという感情は有るのだろうか? 僕に注意ばっかりしてるけど、ラム自身が反省した場面なんて一度もないし。


「はあ、なんでライムはそんな所で頑なになるの?」

「いや、あなたの方がおかしいんだけど?」


 そんな風に呆れた目線を送ってきたアルスは現在魔女の仮装をしている。本当に意味が分からない。ラムもドラキュラの仮装をしているし、一番ファンタジーな物は何だって話だよ。


「何故一番あり得ない神が、仮装なんて物をしてるの? 馬鹿じゃないの? 別に僕が今翼出したらそっちの方がやばいでしょ?」


 僕がそう言うと、二人は僕に対して「何言ってんだこいつ、頭沸いてんじゃねぇの? さっさと病院行ってこいや屑が」と言う視線でにらまれた。やっぱり雰囲気って人間を壊すんだね、仮装したからって僕たちのように飛べるわけでもないじゃん。なんで僕がにらまれなきゃいけないの?


(はあ、ライムが仮装しないのならそれで良いけど、ボクは仮装してカシモトの家に行くからね? 具現」


 しかも今度はラムが具現化してしまった。

 まあ、今僕たちが、と言うよりは僕とラムは カシモトの家にサプライズで乗り込みに行くことになっている。まあ、ラムの事は前々からばらしてあるから大丈夫だろう。それに、知り合いに会っても、そこらであったそっくりさんって言えばいいから大丈夫なんだけどね。

 だから別に仮装すること自体は反対ではない。問題は……


「ふんふん~」


 どこからか持ってきた仮装を瞬間的に着替え、どれが似合うかを確かめている先輩の神だ。まあ、こんな物を先輩とは絶対に言いたくはないのだが、歳で言うと大先輩だ。

 と言うかこの神は何も用事がないのに人の家に入り浸り、勝手にあの星を放置して遊びにやって来た屑だ。


「アルス~、ちょっとこれ借りるね」


 アルスが着替える途中に放り出した衣装のうち、おなかの部分を少しだけ露出させた犬耳、多分狼、人狼とかの衣装なんだと思う。それをアルスの様に瞬時に着替え、家を出た。



 ~~~~~~~~



「ねえねえ、あの二人めっちゃ似てない?」

「どこの二人?」

「ほらほら、そこにいる、人狼と猫の」

「あぁ! 確かに」


 どうやら会話の話を聞く限り、僕達は結構注目を浴びている様だったが、流石にこれ以上カシモトを待たせておくと、ハロウィンってことで、僕の家に襲撃しに来るかもしれない。

 僕たちの、仮装でカシモトの家に行く、と言うのは襲ってくるカシモトを少しでもなだめようとする、っていう考えがあるからやっている。


「ねえねえ、君たち? 一緒に楽しもうよ」

「え、いや、友達の家にいかないといけないんで」


 そんな事を考えていると、先程僕達の事を話していた歳上のお姉さん方三人組が、僕達に話し掛けてきた。

 こう言う日って皆テンションが高くなるから、他人にも話し掛ける人が多くなるよね。僕はそう言うのにはあんまり着いていけないけど。


「そうなの、じゃあ一緒に写真取っても良いよね?」

「はい写真なr――」


 そう言おうとして、すぐ様に引っ張られた。

 年齢的に女子高生っぽいが、本当に女子高生とか、女子とかってこういう所だけは以上に速いよね。着替えとか化粧とかは意味不明なくらい長いのに。


「はいチーズ「カシャ」ありがとうねーっ! どっちもハロウィン楽しもうねー! バイバーイ」


 そんな風に瞬間的に写真を撮られ瞬間的にお別れをしたので、少しだけフリーズしてしまった。ラムもフリーズしていたようだったが、僕よりは復帰が早かった。

 まあ、相手なりの配慮なんだけど、あんなに早く済ませるのは初めて経験した。これが噂の時短って奴なのだろうか?


「な、なんか嵐みたいだったね。来るときは激しくて、去って行く時は緩やか? って」

「う、うん、JKってやばいね」


 こんな風に話しているが、僕達よりも年上の人達からすれば僕達の喋り方も十分におかしいのかもしれない。

 だってラムの「JKってやばいね」とかって、数十年前位なら通じそうだけど、普通に考えたら語彙力がどれだけ欠如しているんだ? って話だもんね。



 ~~~~~~~~



「よし、じゃあここからは気を引き締めておこう。この姿を見た瞬間に襲ってくる可能性もあるから」


 そんなこんなでやっとカシモトの家にたどり着いた。

 途中、お姉さん三人組以外にも三グループほどに話し掛けられ、写真を撮った。流石に四回もそんな事をしているから、普通に歩いて着く時間の十分遅くついた。


「「コンコン」カシモトー? いるー?」


 ちなみに、これは余談なのだが、カシモトは実はハーフではないね、えっと、四分の一だから……覚えてないけどアメリカ系の血が流れてて、元々はそのアメリカ生まれの祖父さんの家だったらしく、家の玄関には

ドアノッカーが張り付いている。


「ライム? な――」

「treck」

「or」

「「treat!!」」


 僕達が息を合わせてそういうと、カシモトは驚いてその場に立ち止まっていた。

 このままいけばカシモトのほぼ無尽蔵にある性欲を無に帰せる。


「お菓子くれなきゃ」

「悪戯しちゃうぞ~」


 そういった瞬間にカシモトの目の色が変わったのが分かった。その時瞬時に僕は「あ、終わったわ」と普通に思ってしまった。勿論、そう思っても思わなくても終わっている事は確定事項なのだろう。


「じゃあ、私が代わりに悪戯してあげるからねぇ~」

「ちょっと待ってよ! 僕達が悪戯する側なんだよ!?」


 抵抗するのは無駄だと気付いていたが、抵抗しない訳には行かなかった。

 だって、ただでさえカシモトは僕の事を被虐嗜好を持っていると思われているのに、更にそれが加速してしまう。

 まあ、僕自身も被虐嗜好を持っていると思ってしまっているのであまり意味はないと思うけど。


「むふふ〜、大丈夫だって、心配しないで、君は天井を眺めているだけでいいから」

「何が心配しないでだよ! 何も心配できない事なんて一つもないよねぇ!?」


 そんな無駄な抵抗をしていると更に、眼光が強くなってしまった。流石にそこまで僕は対応出来ない。幾ら何でも抵抗しただけでヤル気を出すとかマジでやめて欲しい。


「だって結局は楽しいまんまじゃん。私は嬉しいし、ライムも嬉しくて、win−winでしょ?」

「いや、まあ、そうだけどさ……って違うよ! win−winじゃないからね!」


 普通に口を滑らせてしまったが、一応はまだ抵抗しているという体を保っている。

 実際の所、僕自身、カシモトにヤラれるのは嬉しいと感じる。まあ、それは男としてどうだって話だ。それにそんな風に認めるのは本当に恥ずかしいから嫌だ。だってカシモトに調教されたみたいに思えちゃうし。


「ふ〜ん、じゃあラムの方はどうなのかな?」

「えっ!? ……まあ、他の人にされるよりはマシかな」


 僕を弄るのが飽きたのか、それともラムと僕の二人を同時に弄ろうとしているのか、それは分からないが普通に嫌な予感がする。


「じゃあ、ラムとだけヤろうかな。ライムは嫌なんでしょ?」

「えっ?」


 予想外過ぎる発言は嘘だと一瞬で見抜けたのだが、反射的に名残惜しそうな声を出してしまった。

 勿論、それを気付いたのはカシモトが凄いニヤケ顔を作ったあとだった為、もう遅かった。


「んん〜? どうしたの? そんな可愛らしい声を上げて?」


 その言葉だけは心配する様にしか思えないが、ニヤけられながらそんな事を言われたら誰でも馬鹿にされているということは分かるだろう。


「うぅ〜。わかってるでしょ?」


 流石に僕が本気でそう言う事をされたくないとは気付いていて、やっているのは一目瞭然だったが僕からその事を言わないと、本気で僕だけハブられてしまうので発言しないといけなくなる。

 まあ、僕はそれもできるだけ回避したいので、希望を持ちその言葉を言ったのだが……


「うん? ごめんわかんないわぁ」


 効果はなかった。もちろんこれも演技だと言う事は分かっている。それが僕の本音を出させるためにやっている行為と言う事は重々承知だ。

 しかし、そんな簡単に僕がカシモトを諦められるわけがないじゃないか。


「うぅ、さっきのはうそだよ。本当は、その、シてほしいな」

「ぅん? 何をして欲しいのかなぁ?」


 ここまですると、セクハラをしてくる近所のおじさんみたいな人にしか思えなくなってくる。しかし、もう僕はこんな彼女に身体的にも、精神的にも堕とされているんだ。だからもう僕はこの感情には逆らえない。


「それは……」


 End

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