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クラス転移はts付きで  作者: lime
番外編
69/77

参話~唐突な裏切り程悔しい物は多分ない~

 あーした暴風な~れ。by子供達

「よし、じゃあ、休みはシンノスケ君だけだね」


 その言葉を聞くと。絶対に風邪や熱、インフルエンザ等の病気ではなく仮病で休んでいるのを簡単に想像できてしまった。勿論、それは友達としてどうかと言う話なのだが、考えてみよう、あいつ(シンノスケ)の性格を、きっと嫌だから、とかいう理由で休んでいるんで居るんだと思う。馬鹿なのにね。


「今日は晴天でよかったね、雨の中で持久走とか本当に疲れるから。まあ、一時間目だけど頑張ってね」

「「えぇ~」」


 皆持久走は嫌いだ。ていうか持久走を好きに思っている人間を知らない。だって疲れるし、疲れるし、疲れるし、この季節の持久走は疲れるし寒いしで、疲れることでしかないんだよ。

 それに僕たち学生は学習するために来てるんだよ? それなのに何で走らなければならないのさっ! 気が狂ってるとしか思えないよっ! と言う風に思いながらも先生にはそんな事を言えない小心者の僕です。


「じゅるり。汗だくで息も絶え絶えってそれって事後と大して変わらないラムがみられるって事じゃ」

「ほっ、本当にやめてよ! 事後だって言われる身にもなってよっ!」


 精一杯凄んでみたが、あまり意味がなかった。もしかしたらカシモトに嗜虐心が湧き出してきてもっと変なことを始めるかと思っていただけましな結果なのだけどね。

 ましだとしても、嫌なことは嫌だ。だって事後って言った瞬間に男子の視線が僕に集まったんだもん。気持ち悪すぎるよ。


「まあ、ライムの事後h――」

「わーっ! わーっ! なんでそんなこと言うのさ! セクハラで訴えてやるっ!」


 これは別に嗜虐心が増したからではない。ナチュラルにこれなのだ。実際、カシモト自身は、全く悪意はないらしく、そういうのの一環だと思っているらしい。鈍感ほど迷惑な物って無いよね。


「「「……」」」

「ぴぃっ!?」

「どうしたの?」


 そんな風に完全に言われるのを阻止したのだが、察した一部の男子が、目線で人を殺せるような鋭さを持った、目でにらんできた。まあ、思春期男子にとって、急にdoなtea(純潔)を捨てた人間が現れたら敵愾心の的にするのは普通だと思うけど、僕の場合は僕が被害者なんだ、だから今すぐに変わって貰ってもいいと思う。……まあ、それで喜んじゃってる僕が居る時点でおかしいんだけどね?


「何でもないよ、早く校庭に行こうね」

「そんなに私に見せたいのかぁ」


 しかし、いまだにそんな状態から戻らないカシモトに対して、流石にイラつきが募ってしまっているので、普通に怒ろうと思う。僕だってカシモトの事は好きだけど、怒らないって訳じゃないからね?


「はあ、少しいい加減にしてもらえないかな? 流石に怒るよ?」

「ふふふ~、照れ隠ししたって意味ないよ~」


 こんな風に怒ってもなってしまうから怒ってないだけだ、本気で切れた時もそんな対応をされたので、もうあきらめている。


「はあ、もう行ってるからね」

「あぁ、待ってよ!」



~~~~~~~~



「名前順二列で右側に居る奴が初めに走れー」


 そう言われたが、僕は普通に左側だ、そしてカシモトも。右の奴と言えば例の持久走が苦手な運動部、と言えば分かるだろう? そう、コウタだ。


「頑張ってね~、今年は一緒に走れないけど」

「んだよ、嫌みか? それとも喧嘩売ってのか?」


 失礼だなぁ。別に僕だって心の奥底から発してる事だってあるんだよ? まあ、僕とかの応援で頑張って走ってくれたら、普通に疲労が激しくなるし、そうしたら走り終わったときのコウタは疲れまくっているだろうから。っていう打算は混じっているけど。


「そんなわけないじゃん。ほら、この僕の純粋な目を見てよ!」

「はっ、笑わせるな。お前の目は純粋じゃねぇよ。混沌としてるって言うか、まあ、まだ犯罪者の方がましな目をしてるぞ?」


 僕が目を見開き、キラキラさせながらコウタを見ると、気味悪げそうにそんな事を言った。

 実際、そんな事は僕も知ってる。ただ、犯罪者より狂った目をしてるってのは頂けないなぁ。僕だって心は傷付くのにね? まあ、カシモト関係以外では傷付かないけど。


「コウタ! 早くしろ! もうスタートするぞ!」

「わ、分かりました!」


 すると、僕と会話していたコウタが先生に怒られ、レーンに走って行ってしまった。まあ、これ以上コウタを弄ると先生にガチギレされてしまうのでもうしない。

 普通に去年それをされて泣きそうになった。


「よーい、ドン!」

「本当にライムってコウタと仲良いよね?」


 持久走開始の合図と同時に、カシモトが僕の後ろから抱き着いてきた。

 

「うん、だって弄るのが面白いんだもん」

「ふ~ん、そうなの」


 僕が何も考えずに、そんな事を言うと、カシモトが何故か機嫌を悪くし怒っているというようなことをアピールしているような雰囲気があふれていた。


「な、なんでそんなに急に不機嫌になったの?」


 そこで僕は更に後先考えずに言葉を発していた。少し考えれば油に火を注ぐ行動をしているのに気づけたはずなのにだ。


「はあ、君は私の彼女なんだよ? 確りと自覚を持って行動しようね? ああ、お仕置きは確定だから」

「ふぇぇ!? なんでっ!? 意味が分からないよ!? 理不尽だよ!」


 僕だって対抗手段はあるんだぞ! 別れるとか、別れるとか、……やっぱりないわ。別れても二日後にはまた付き合ってるよ。


(君は実に馬鹿だなぁ。ぷぷぷ、そんな事を言ったらこうなるのは分かるでしょ)


 くっそぉ。 

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