六十一話〜終焉ほど怖い物はない〜
(どどど、どう言うことなの!? 何で消滅なんて使ってるのさ!? こんな精神異常者がこの世界に侵略している神だって言うの!?)
(知らないよ!? 何で君は毎回毎回僕に聞いてくるんだ! 少しは自分で考えてよ! 僕はこの精神異常者でいっぱいいっぱいだって言うのに!)
まずは、良く現状を理解出来なかったので、何時も通りにラムに聞いてみたが、普通にラムもまたまた錯乱しているようで、ボクに怒ってきた。……まあ、何時もボクが思考放棄してラムに任せていたのにも原因はあるだろうけどね。
「おやおや、どうしたんだね? まさか本当に俺をただの精神異常者とでも思っていたのかね?」
「「今は黙ってろ、精神異常者がっ!」」
そんな風に混乱していると、今度は邪神なのかただの精神異常者なのか、もしくはアレスの様に、邪神の眷族なのか。どちらにしろ、今はこいつに思考を割いていられる余裕がないので二人して、あれを怒鳴ってしまった。
(ああ、もう意味がわからないよ! 本当に邪神だったらもっと意味不明だよ! 何でこんな序盤に魔王的なラスボスが現れる訳なのさ!)
(そんなもん知らないよ! て言うかあの人ボク達が怒鳴っちゃったせいでシュンとしちゃってるけど、大丈夫なのかな?)
今現在、エンフィーツはボク達に怒鳴られたせいで恐縮してしまっている。まあ、精神異常者や邪神でも恐縮して、何も行動されない方が絶対に良い。……まあ、そんな事は分かっているんだけど、あんな子供みたいにしゅんとしている様子をしていたら流石に気になってしまう。
「まあ、でもあの魔法を使った事は絶対に罰せられるべきだ。だから貴方には死んでもらう」
「くくくっ、そんなことを言える暇を私が与えるとでも思ったかね?」
しかし、そんな事を考えている合間にも時間は進んで行き、ラムとエンフィーツが戦う様な雰囲気になってしまった。勿論、本当に戦う様な事になったらラムと共闘するしか無いけどね。
「崩壊」
エンフィーツが放った邪法、アレスの放った消滅よりも邪悪な気と言物を直感的に感じた。何故そんな事が分かっかは自分でも分からないが、もしかしたら神が邪悪な物からこの世界を守る為に有るのかも知れない。
「聖なる盾」
「聖槍」
先にラムが防御系の神法を使用しているので、ボクは攻撃系の神法を使用した。まあ、いつも神法はラムが使っているので結構ボクのは威力は低い。勿論、それだからラムは防御をしたのだろう。ボクが失敗したら大惨事だからね。
「ふん、そんな程度で何がしたい」
「「なっ!?」」
流石の事態に、ボクもラムも驚愕の声を上げてしまった。
何故なら、ラムの防御の魔法がエンフィーツが放った邪法一発で壊れてしまったからだ。勿論、ラムの盾が壊されるのならボクのも壊されている訳だった。
「それ位で良くも私と戦おうと思ったな。まあ、これでゲームオーバーだ。崩壊」
そしてエンフィーツが同じ様に、崩壊と唱えると視界の一面を覆う崩壊の邪法が現れた。




