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クラス転移はts付きで  作者: lime
第二章、学園編(二)
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四十七話~神ほど俗な物はない~

「んっ、んうぅ」


 ボクが目を開けると、そこはテーブルと椅子が二つ有るだけの真っ白な空間だった。そしてその椅子には翼を生やした女性が座っていた。


「はあ、ライムの方は起きたか」


 そんなことを言われ、ボクがなぜこんなところに居るのかを思い出した。たしか説教をするためにここにつれてこられたんだっけ?


「あ、あれぇ? ここはどこだぁ? あのぅ、出来れば元のところに返してもらいたいんですけどぅ」


 ボクがそんなことを言うと、またまた、アルスは頭を抱えながらボクを見てきた。


「私が君を逃がすとでも? あと、少しは反省しようと思わないのかい? まあ、いいよ、君は一応神の一人だからな、しっかりと落とし前を付けないと」


 アルスがそう言うと、なぜかボクは動けなくなった。まあ、それは道理だろう。ボクも説教する相手が逃げ出そうとしていたら捕まえるよ。


「そう思うなら、しなければ良いだろう? それなのにそんなことをするって、そんなに虐められたいの? まあ、そんなに虐められたいのなら苛めてあげるけど?」


 そう言った瞬間、凄い快感が生まれた。勿論、そんなことをするとは全く思っていなかったから、声が出るのを防げなかった。


「ひぁぁっ! って、やめろぉ!」

「う~ん、私は性癖は特になかった筈だが、そそられるな」


 やっぱりアルスが何かをしたようで、ボクを少し欲情が入った目でボクを見ていた。そして、ボクは不規則に途切れ途切れで流れてくる、電流のようなものに翻弄されていた。


「んぅぅぅっ! 説教するんじゃなかったのかよ!?」

「いや、ラムが起きるまでの間は、ね?」


 ボク見るアルスの目は、完全に捕食者が獲物を見る目だった。




「んっ、んうぅ」


 僕が目を開けると、そこはテーブルと椅子が二つ有るだけの真っ白な空間だった。そしてその椅子に座った、翼を生やした女性が(ライムを)抱き、(ライム)は何故か地面に水溜まりを作り、失神していた。


「あ、……おはよう?」


 そんな事をアルスが言い、僕は何故ここに居るのかを思い出していた。

 確か、説教する筈だったと思うけど、今の状況は幼い男女を誘拐し、その片方の女を襲った事後のような状態だ。まあ、様な、ではなく、本当なのだが。


「だ、大丈夫だよ? だから後ずさらないで?」


 そう言いながらゆっくりと、言葉を囁きながら近付いてくる様は、不審者のそれと、何一つ変わりがなかった。



 少し時間が経ち、ライムが目覚めた。

 普通なら、それを合図に説教が始まる筈だったが、それよりも先に、僕が性犯罪者(アルス)もしくは誘拐犯(アルス)を説教していた。


「ら、ラムっ!? 大丈夫!? それに近付くと危ないよ! 襲われるから早く離れて!」

「そ、そんなに言わなくても良いじゃんよ」


 ライムの起きた後の第一声が「危ない! それに……」と言われ、流石に頭のイカれてる、アルスも精神的なダメージを受けていた。勿論、そんな風に思われる行動をする方が可笑しいんだけどね。自業自得だよ。


「ほら、君がどれだけ可笑しい行動をしているか理解できた?」

「いや、だって、ライムが誘ってくるからぁ」


 アルスは僕が説教をすると、怒られた子供の様にしゅんと、小さくなっていた。それよりも、アルスが発した、「ライムが誘ってくるからぁ」と言う言葉により、辺りの空気が凍てついた。


「ん? ライム? 申し開きはある?」

「ち、違う! 誘ってなんかないから! 勝手にアルスが判断しただけだから!」


 僕がライムをジト目をで睨むと、ライムは慌てて僕に伝えてきた。……ああ、もう秩序の審議オーダージャッジメント使おうかな。


秩序の審議オーダージャッジメント


 そう唱え、脳内に出てきたのは、アルス、有罪(ギルティ)と言うことだった。


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