二十四話~貴族程横暴な物はない~
眠いですね。
僕は眠いです。
ちなみに、書いていることに意味は全くありません。
ただ、書きたかっただけです。
「えっと、用って何なのかな?」
「おそい」
ボクが部屋に戻ると、レティシアさんはボクの事を睨みつつ、文句を言ってきた。こう言う風に理不尽に人に怒りをぶつけるところが、悪役令嬢っぽいよね。
「侯爵令嬢である私を待たせるとか馬鹿なの? 勇者は伯爵程度の権力しかもっていないのよ? だから先ずはその事を謝って? そもそも、よそ者の勇者が私たちと同じ貴族っていう時点で不愉快なのだけれどね」
「す、すみません?」
「心の底から謝ってないでしょ! 私は侯爵令嬢よ! 侯爵! あなた程度、簡単に葬れるのよ!」
ボクが謝ると、またレティシアさんが怒りだした。爵位は侯爵なので、伯爵位しか持っていないボクだと問題があるため、余り行動は起こしたくはないんだけど。……イラついて、行動に移しちゃうかもだね。
「貴女! どこへ行くの! まだ私が話しているのよ!」
「いや、友達に会いに行く予定が有るので」
ボクがシンノスケを探しに部屋から出ようとすると、またまた、レティシアさんが怒ってきた。ここまで短時間で怒られると怒りを覚える前に、この人の血圧が心配になるよ。毎回顔を真っ赤にしてるんだもん。
「ふ~ん、何処の部屋の人?」
「? 四八七号室だけど?」
ボクがそのことを言うと、何かを思いついたように顔を上げた。
レティシアさんは、悪戯を思いついた子供の顔を数倍、悪くしたような顔をしていてボクからしたら、とても不愉快になるような顔だった。
「なら、そのお友達とやらに危害を与える、と言ったら、従って――ひっ」
「そうか、君がそういう風にするのなら、ボクも同じようにしないとねぇ? 幸い、ボクは武器持ってるからね、さあ、腕を出して」
ボクが脅してみると、顔を真っ赤にしながらふるふると震え出した。この状態だと、怯えてるのか、怒っているのかは分からないが、知らない人がこの光景を見たら、どこの喜劇だ、と思うような表情をレティシアさんはしていた。
まただよこの人。本当に大丈夫? 倒れるよ? ボクを怒ってる場合じゃないと思うんだけどなぁ?
「い、良いわ、そんな私を挑発するのなら勝負しなさい! 私が勝って勇者なんていらないと言う事を証明してやるわ!」
そ、そんなに息まかれてもね、ボクが参加しないという方法もあるし、早くシンノスケに会いたいんだけど。それよりも、怯えていたんじゃなかったの? 挑発されたと思って、興奮しちゃってたの?
「何よっ! その顔は! 戦わないのなら、あなたの友達に危害を与えうわよ!」
はあ、流石に勝負しないとダメそうだね、多分公爵令嬢って地位だから、派閥的なものを生成してそうだから、シンノスケも危なくなるよね。第一、シンノスケって馬鹿だから罠とかが有ったら簡単に引っかかりそうだから、無視するっていうのは難しいか。
はあ、やるしかないのか。
「分かったよ、じゃあ、いつやるの?」
「はあ? 何言ってるのよ? 今に決まってるじゃない?」
あの、「はあ? 何言ってるの?」は、ボクの台詞だと思うんだけどね? まあ、別にやってもいいけど。
「じゃあ、ついてきなさい!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ボクがレティシアさんについて行くと、第一訓練場と書かれた場所に来た、そこにはシンノスケが縛られていた。
や、やっぱり罠に引っ掛かったのかな?
「ふふ、貴女が私の攻撃にあたるたびに、その勇者に対して一発蹴りが入るわ、あの娘を傷つけたくなかったのなら私の攻撃を一撃も受けてはいけないけれど、勇者ならできるのよね?」
流石シンノスケだね、ボクの予想通りの行動をしてくれるね! とても迷惑だよ! でも、一撃も当たらないって、普通の人がやったら無理だよね? まあ、ボクには銃とか戦闘技能とか有るから大丈夫だとは思うけど、……これ以上簡単に罠に引っ掛らないように教育として、に散発食らっといた方がいいのかなぁ?
「ああ、因みに、致死量のダメージを受ける前に、訓練場の外に転送されるから、本気をだしてよ、だから「本気が出せなかった」なんて言う言い訳は意味がないわよ?」
ああ、別にそういう気はなかったけど、本気を出せるなら嬉しいね。
て言うか、致死量のダメージを受ける前に、訓練場の外に転送されるって、どういう技術が詰め込まれてるんだろうね? どうやってタイミングを図ってるんだろ?
「じゃあ、アイリスに開始の合図を頼むわ、どのタイミングでもいいわよ、こんなよそ者に負けるわけが無いんだし」
いや、少し慢心が過ぎるんじゃないかな? まあ、高慢な貴族令嬢なのだからこれが普通なんだけれど、少しウザったいね。これからルームメイトにもなるんだから、一度どれくらいの力の差があるかを見せつけておいた方が、後々楽になるかも知れないから本気で行こうか。
「それじゃあ、開始っ!」




