王の前とか緊張したわー(棒) …って、そんな事より何故なんだ!
ケモ耳でも、美少女でも、お姉さん的な色気が有る訳でもない、本物の、一目でベテランと分かるメイドさんに案内された部屋に入る。
ん?言葉に不満が現れているだって?
まさか、そんな事…ねえ?
不満が無いとでも思ってんのか?
有るに決まってんだろ!
何でだよ!
異世界のメイドって言ったら美女か、美少女だろ!?
(ケモ耳、シッポが有れば加点する。メイドの代わりに護衛の女騎士でも可)
何で本業のベテランが来るんだよ!
俺の隙を突いて弱点を探す、美女スパイ的なメイド来いよ!
峰 不◯子みたいなさあ!
色仕掛けは分かりやすい感じが良い。
「興味あるんだ……触りたい?」
みたいな!
そしたら俺はル◯ンダイブで応戦するよ?
流れ的に返り討ちになって、廊下にポイされるだろうけど一連の流れが出来れば満足だ!
メイドさんが去ると同時にベッドにダイブし枕を顔に当て、不満をブチ撒ける……余裕は無かった。
メイドさんが去った瞬間、吐き出された俺の不満は部屋中に響いた。
あれ、声出てる?
『異世界語入門を持っていないお前では、異世界人である奴等と会話をする事は不可能だ。
だが、言葉が使えなくなる訳ではない。
話せるのは当然だろう?』
え?じゃあ、さっきまで話せなかったのは?
『例えばの話だが。
知らない相手が急に、知らない言葉で話しかけて来たとする。
お前は平気で対応出来るのか?』
なるほど、俺なら全力で逃げる。
良く分からない奴が、姫に何か言ってたら不審だと思われるのは当然。
なんなら、呪いでもかけたのかと疑われるまでありそうだ。
覇王はやっぱり良いヤツだな。
普段は高圧的な感じだけど、何だかんだでノリも良いし。
下手なサポート系スキルなんかより、よっぽど頼りになる。
『人間は良く分からん。
興味のある相手が何かを伝えようとしているのならば、誰が相手で、自分が何であれ観察して汲み取る事が当たり前でないとは』
それは俺も面倒だと思うけど…ん?
何で傍若無人を地で行くようなお前が、さっきの言葉云々みたいなの知ってたんだ?
『分からんが、知識としては有るからな?
魔王が言ってた、端末で情報を集めているというのは本当だ。
まあ、その気になれば別のやり方も有るが』
滅多に使わない知識を入れて、何かメリットが有るのか?
問題が起きたら、力で捩じ伏せるのがお前のやり方じゃないのか?
『使わない知識?たった今、使っただろ?』
そう言って、したり顔で笑う。
少し悔しくなり、言い返す。
俺が居なかったら使わなかっただろ?
『まあ、その時はその時だ。
正直、情報の収集など暇潰しに過ぎん。
先程見抜かれた通り、何か不都合な事が起きれば正面から潰すのが俺のやり方だ。
だが、それだと直ぐに終わってしまう。
だから、暇にならんように時間の掛かる解決方を探した。
結論として、情報を集めるのが良いと判断した訳だ』
情報使えば直ぐに終わるんじゃないのか?
『敵の司令官の弱みを掴むだろ?
敵に「降伏すれば情報をバラ撒く」と言えば、争いが長期化する。
完璧な作戦だろう?』
うわー、コイツ最低だ。
『対戦で、即抜けや芋がいると萎えるだろう?
それをさせないようにするだけだ』
なら良いかもしれない。
あれは本当に萎えるからな。
『そうだ、お前は普通の人間並みだったな?
そろそろ休め。
人間にこれ以上の活動は厳しいだろう』
言われた途端、眠気が襲ってきた。
確かに今日一日は楽しかったが、疲れた。
無意識に気を張っていたのかも知れないな。
そろそろ寝るか…。
ベッドに顔面からダイブする。
クソネミ…もう一歩も動きたくない。
柔らかいオフトゥンが俺を包み込み、眠りの国へと誘う。
もう限界だ…。
『俺は眠る必要が無い。
お前が寝てる間に殺されないよう、見張っててやる。
安心して寝ろ』
ああ、まかした。
オヤスヤァ…
人間のマナー等を知っている覇王が、何故入室許可が出る前にダークに入室させたのか?
『向こうが余計な事をして、勝手に追い詰められて、そして他人を呼びつけた訳だ。
言うなれば自分勝手な犯罪者だな。
そんな奴等に対し、礼儀も何もあるものか。
そもそも、世界の支配者は俺だ。
そしてダークは俺の一部、つまり俺と同等の扱いであるべきだ。
その扱いだと奴は嫌がるだろうから引っ込んでいたが…次何かしでかしてみろ、国ごと地図から消してやる』
とのことです。
確かに、拉致しておいてふんぞり返るとは…。
異世界転移で、強制的に連れてきたのに偉そうにしてる王族は何様なのでしょうね?




