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神とは?

足下の光が消え、目を開けると……目がチカチカして見えない。

しばらくして見えるようになると、俺は見えるようになったばかりの目を疑った。

そこはあの魔方陣が俺をここに呼び寄せたとは思えないくらいに優しい光に包まれていた。


木々が青々と生い茂り、小鳥がさえずっている。

空気も澄んでいて、落ちついた雰囲気の空間だった。

俺は不覚にも得体の知れない場所にいるという現状を忘れ、命の輝きに魅了されていた。


「ここは気に入っていただけましたか?」


不意に後ろから声がした。

振り返ると、古代ギリシャの様なゆったりとした服を着た…女神の様な人がいた。


「え?女神ですよ、何故女神の様?女神様ですよ?『の』要りませんよ?それに、判断するまでに間がありましたね?何故ですか?」


息継ぎも無しに一息で言う程、評価が不満だったのか。

てか、完全にバレている…声に出ていたのか?なら、隠しても仕方ない。


「女神にしては神々しさがなかったのと、個人的に女神様は何処とは言いませんが豊かだと思っていたのですが…貧しかっ(ry)」


文字通り神がかった美しさに加え、黄金の様な波打つ金髪。その碧眼はエメラルドより美しい。

しかし……まあ、何と言うべきか一部が残念である。


「神々しいオーラだって出せます!

でもこの光景を見て魅了されている様子だったので、威圧してしてしまっては悪いかと思って抑えてたんです!

あと残念って何ですか!」


あれ?心読めるのか?


「分かりやすく顔に出ていましたよ?それに私は女神様ですから、大体は雰囲気で分かります」


じゃあ黙ってれば良かったのか。


「サスガ女神サマ、トッテモ神々シイナー(棒)」

「もう遅いですよ!しかも棒読みじゃないですか!」


注文が多い女神様、最後が同じ3文字だから響きは良い。


「すみません……俺、自分に嘘はつけないんで」

僕はキメ顔でそう言った。


「キメ顔で言わないで下さい!二度とキメ顔など

「女神様」

「何ですか、急に真面目な顔して」


「神様なのにノリ良いですね」

「もういいです!話を進めますよ!」


どうぞどうぞ。


「では、説明させていただきましょう。この空間は地球ではありません。」


うん、知ってた。


「あれ?驚きませんね」

「だってあの鳥とか仄かに光ってるじゃん?」

「光ってますね」

「地球に光る鳥とかいないからね?」


「そうでしたね…。では、説明を続けます。ここは理想郷、人間が理想的だと思う状況を集めた場所。

平和で安全、全ての生き物が手を取り合って生きている場所です」


まあ、確かにここまで平和な環境が自然に生まれるなんて有り得ないよな。

そんな事が分かる程ここにいないだろって?

雰囲気だよ、俺も何故か分からないが雰囲気で分かる。


「それで、あなたを此処に呼んだ理由ですが…」


お、やっと本題か?

「その前に、あなたは死にました」


…塩ラーメン並のアッサリ感でかなりの大事を言われた気がする。


「おや、淡白な反応ですね?」

「こういう所に急に連れて来られたら、それは大体死んだ時か召喚された時と相場が決まってるのですよ?」


まあ、ラノベやweb小説の話だけど。


「そういえばそうでしたね。まあ、とりあえず説明しますね?あなたは下校途中に曲がり角を曲がろうとした瞬間、向こうから酔っぱらいが乗った乗用車が突っ込んで来て弾き飛ばされました。そして後ろにあった電柱にぶつかり脳漿炸裂ボーイと化したのです」


女神?女神と言うべきなのか?コイツを?


「何故か評価を下げられた気がします…ああ、事故を起こした酔っぱらいは無傷ですので御安心を」

「そんな事言ったら更に評価下がるだろ、普通。あと、酔っぱらい無傷とか!そんな事わざわざ教えるって、喧嘩売ってんの?」


何?この女神(仮)


「知らないのですか?日本には八百万の神がいるとされているのです。人の側には神が居て、神の側には人が居る。

あなた方人間が思い描く厳格な神もいれば、人の文化を愛する神も居るのです。

だから、私があなたの死をイジっても神らしくないとは言えないのです」


超常的で不思議パワーみたいな話よりは受け入れやすいけれど、見た目がギリシャ神話みたいな感じなのは何故なんだ?


「日本の神はかなり俗物的ですよ?服装もそれに準じる物ですが…。

見たいですか?美少女系ヒロインの顔が印刷されたTシャツを来て「心がぴょんぴょんするんじゃ~」と叫んでいたり、大人のお姉さん系ヒロインの抱き枕を抱き締めて「踏んで!蹴って!罵って!」とゴロゴロしている神の姿が」

「その姿で来て頂き、誠に有難うございます!」


嫌だ、嫌すぎる!


「なんなら2chに張り付いている神も居ますが…?」


もうやめて!私のライフはもう0よ!


「残念ながら小さくなっても水に浸ければ元のサイズになる貧乏神は居ません」

サラサラサも?

「居ません」

「探険したかった…orz」


「神とは信じられて初めて影響力を持つものです。故に禁欲的な神も居ますが、最近の漫画等に出てくるような俗物的な神の方が圧倒的に多いのです」


神っていったい何なんだ?


「信仰で力は多少変わりますが、そこまで大きくは変わらないので信仰が廃れても困らない存在。

です」


ザックリしてんな…。


「前置きが長くなってしまいましたが、死因は説明しましたね?では連れて来た理由ですが」


連れて来た?あれは拉致と言わないか?


「あなたには異世界転生して勇者を…殺して欲しいのです」


え?

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