なくしていた期待
春、桜咲く頃、僕、琉東 奏は、中学の時に知った想楽力学園高校に、入学する。
中学の時は、世界の全てに期待が持てず毎日が苦痛だった。
でも、今日から変わるかもしれない。そんなふうに思わずにはいられなかった。
10037年4月・超能力が当たり前になってから、何百、何千年たっただろう。
超能力がものをいう世界、一人にひとつあるのが普通。大昔には、超能力なんてものは存在しなかったって授業では言ってたっけな。人が進化をとげて今の世界があるとかなんだとか。
そんな、世界にも関わらず僕には、なにも能力がない。
異常者・落ちこぼれ・変態、最後のは違うし一番嫌だったな・・・
とにかくいろんな呼ばれかたをした。
能力がないというだけで、友達も出来ずましてや、恋人も好きな人すらいなかった。
でも、想楽力学園高校を知ったときここなら、そう思ったんだ。
想楽力学園高校、通称、想楽は、超能力とは、想像の産物つまり想像力が大きく関わってくる。音楽を通して様々なものにふれ、感性を広く持ち想像力をみにつけ、自らの能力を高めるという目的で設立された学校だ。
能力を高めるようにと設立された学校は普通だ。
むしろ、そのために高校はいくのだから。
ただ、僕が想楽にいきたいと思ったのは唯一音楽を学べる学校だったから。
音楽を学ぶ、そのために入学をきめたんだ。






