現実
今回、短いです。(手抜きジャナイヨ)
「ソウス。聞いているの」
リズの冷たい声が、俺の耳に届く。
俺はゆっくりと深呼吸をして、現在の状況を整理した。
目の前で正座をしているノブレイ。それを見下ろすリズとグレン兄上。
肌に感じる空気の温度、部屋の匂い、そして体内に流れる魔力の感覚。すべてが、かつて経験した過去の現実と完全に一致している。
俺は、自分が幻覚を見ているわけではなく、時間が巻き戻ったのだと結論づけた。
「そうだね。ノブレイ、もう次からはこういうことはやめようね???」
圧をかけておこう。
俺は過去の自分と同じ言葉を口にしながら、体内の魔力回路を確認する。
地獄で感じた、あの絶望的な魔力の枯渇はない。魔力は正常に体内を循環している。
しかし、俺の脳内にはディムが四つの腕を持つ悪魔に貫かれた映像と、上位の存在に自分の体を破壊された痛みの記憶がはっきりと残っている。
(さて、どうしたもんか)
俺の思考は、次にどう行動するべきかの計算へと移る。
過去の記憶が正しいなら、この直後、俺は何らかの理由で地獄へ落ちることになる。
転落の原因は、あの悪魔が放った闇魔法だよな?
ただ、地獄に落とすのはそんな簡単にできるのか?
死んだ、とか?
いや、死んだら女神のところに行くはずだ。
現在、俺は未来の記憶を持っている。
つまり、これからの行動を自分で選び直すことができるということだ。
グレン兄上が小さく息を吐き、説教を終わらせる動作に入った。
俺は視線を落とし、自分の目的を再確認する。
地獄であのように無力に死ぬことだけは、絶対に避けなければならない。
対処すべき課題は、その結果を変えるための過程をどう構築するかだ。
「...はぁ。まずは、天使龍と悪魔龍の複合技の対処を考えるか。」
誰にも聞こえないようにつぶやく。
少なくとも、悪魔や天使には、なにかが効くはずだ。
魔法でもない、物理攻撃でもない、なにか。
なぜなら、天使龍と悪魔龍が、天使と悪魔に敵対されていなく、忠実に従っていたからだ。
そこから推測できる答はーー




