表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートなしで転生したので、雷魔法と日本知識だけで大陸最強へと成り上がりました  作者: TO
地獄〜弱肉強食の絶望の地〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/60

タイムリープ

気がつくと、目の前にはノブレイがいた。

彼は俺の目の前で、誰かにこっぴどく叱られたらしく、神妙な面持ちで正座をしていた。


「……ん?」


意識が混濁している。

直前まで感じていた、身体が潰される圧力が消えている。


「ソウス。まさか、『肉生成(ミート・クリエイト)』の応用で空間転移を試みるなんてね。まあ、当然叱られる案件だけれど」


呆れを含んだ声が聞こえた。

視線を巡らせると、そこにはリズと、グレン兄上が立っていた。

二人とも、どこか安堵したような、それでいて呆れ果てたような表情を浮かべている。


「……そうだな。俺も同感だ。あと一歩で立派な犯罪者だったもんな」


俺は無意識に、記憶にあるはずの「この場の会話」を口にしていた。

だが、思考は追いついていない。


(俺は……死んだはずだ)


ディムが四つ腕の悪魔に貫かれ、俺も上位の存在に虫のように潰された。

その鮮明な痛みと絶望の記憶が、脳裏に焼き付いている。


しかし、目の前にあるのは、平和な日常。

かつて俺が、地獄に落ちるきっかけとなった事件の直後だ。


俺は、崩れ去ったはずの幸福が、再び物理的な現実として目の前に存在している事実に、ただ茫然とするしかなかった。


 *


「……はぁ」


私は、白亜の空間で一人、正座をしながら重いため息をついた。

本当に、手のかかる駒だこと。


「あれじゃあ、魔王を倒すどころか、地獄の藻屑じゃない。これじゃあ、私が怒られる羽目になるわよ」


私の目の前には、世界を観測するモニターが浮かんでいる。

そこには、呆然と立ち尽くすソウスの姿が映し出されていた。


「…………」


空間全体に、沈黙した圧力が満ちる。

どこからともなく、『あの方』の呆れと怒りを含んだ意志が伝わってくる。

言葉ではないが、意味は明確だ。


『因果律への干渉は重罪である』


(うーん。魔王を倒せずに世界が滅んで怒られるのと、世界に干渉して規律違反で怒られるのと、どっちの方がマシだったのかしらね)


天秤にかければ、世界が続く方が利益は大きいはずだ。

だが、やってしまったことは覆らない。

事象は確定した。


「……はぁ」


私は観念して、居住まいを正した。

今は素直に、上位者からの叱責を受け入れるしかない。


そして、もう一度姿勢を正し、神妙な顔で正座をした。


「はぁ。あと一歩で、世界が消滅するところだった。これは未来を変えたことと同義だ。さて、ここで問題だ。君は、未来を変えていいと思っているのかね。」


(魔王を倒すのはどうすればいいんでしょう。矛盾してるわよ。)


「聞こえてるぞ。」



規模は違うけど、女神もノブレイも、あと一歩で過ちを犯した人だ。正座もしてるし。めっちゃ似てる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ