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異世界戦記 ~雷魔法と日本知識だけで大陸最強へと成り上がる~  作者: TO
大陸内戦争〜vsレイクリ帝国連合軍〜

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とあるエルフの日常

〜〜〜とあるエルフ(ノブレイ)視点〜〜〜


ふぁーーーーーー。


よく寝たぜ。 俺が生まれてから、早二百年。 こんなに目覚めが良いのは初めてだ。


俺は起き抜けに、東の方角へ向かって手を合わせる。


「ソウス様、ありがたや」


毎朝恒例、三秒間の感謝の祈りだ。


生活水準を上げてもらってからというもの、俺の生活は激変した。 美味しいご飯、藁じゃないフカフカのベッド、隙間風のない綺麗な部屋、雨漏りしない天井、そして立派な城壁。 便利すぎる。快適すぎる。


もう絶対に、あの「雨漏りを啜っていた生活」には戻れない。


それにしても、ソウス様があの伝説の龍を助けたんだって? リズ様も、死んだ龍を蘇生させたとか。すごすぎだろ。


……あーあ。 俺も、究極魔法を使いたいな。


実は俺、魔力の「総量」だけで言えば、リズ様以上にあるんだぜ? (使いこなせるとは言っていないが)


あー。 デカイ魔法、ぶっ放したいぜ。


そんなことを思いながら、俺は朝食の準備に取り掛かる。 エルフの結界牧場で管理している「バース鳥」の卵を割る。 もちろん、炎魔法なんて野蛮なものは使わない。


どうするのかって?


テッテレー!


『フライパン』と『魔法コンロ』〜!!


このコンロは、魔力を充填するだけで自動で熱エネルギーに変換されるという優れものだぜ!! しかも火力調整はダイヤル式。弱火から強火まで自由自在だ。


さらに、このフライパン。 ソウス様いわく『フッ素加工』という高品質な処理がされているらしい。 よくわからんが、「フッ(笑)」と鼻で笑うくらい汚れが落ちるから『フッ素』なのだろう。たぶん。


じゅわぁ〜。 いい匂いだ。


あー、ソウス様の創造(クリエイト)、マジですごすぎだぜ。


俺も、この有り余る魔力を使って、何かオリジナルの魔法を作ってみたいなぁ。


それにしても……昨日の宴で食べた「霜降り肉」、美味しかったなぁ。


ふと、嫌な記憶が蘇る。 そういえば俺、ソウス様との初対面で「おしっ◯」って連発しちまったなぁ。


……恥ずかしい。 穴があったら入りたい。


だが、俺は過去を振り返らねえ。 俺は、前だけを見る男だ(風呂には入るようになったが)。


……。


そうと決まれば! ソウス様が教えてくれたことわざ、『思い立ったが吉日』だ。 俺だけの最強魔法を作ってやる。


魔法創造(マジック・クリエイト)は、属性適性がなくても、魔力とイメージさえあれば誰にでも使えるらしい。


よし、やるぞ。


 *


俺は朝食を平らげた後、広場に行って魔法構築の準備をした。


そして、深く思いを馳せる。


あぁ……霜降り肉、美味しかったなぁ。 口の中でとろける脂。溢れ出す肉汁。


美味しかった。 また食べたい。 今すぐ食べたい。


また……。 また……!!


うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!! 肉だ! 肉を寄越せええええええええ!!


よし、イメージは固まった。 今だ!


魔法創造(マジック・クリエイト)オオオオオオオオオオオッ!!」


頭に、極上の肉を思い浮かべる。 俺は、肉を食べるんだ。 あの、霜降り肉を。 リズ様をも凌駕する魔力を全て注ぎ込み、術式を構築する。


魔法を一から作る時、その「詠唱」と「名称」と「効果」は、世界の理が決める。 だが、術者の強烈な「意志」が、その理を捻じ曲げることもある。


そう。 具体的には、ソウス様のように「ゼロから肉を作り出す」魔法だ。 狩りに行くのは面倒だ。 手元に、ポンと出てくれば最高じゃないか。


俺の魔力が渦を巻く。 周囲のエルフたちが白い目で見ているが、気にしない。 なんでお前らは、毎日全回復する魔力を使って、バカなことに挑戦しないんだよ。


回路が繋がった! いける!


肉生成(ミート・クリエイト)ッッ!!」


頭に浮かんだ詠唱と共に、真名を叫ぶ。


ガクッ。 膝から力が抜ける。 やばい、魔力をほとんど持っていかれた。


だが、成功したはずだ。 恐る恐る目を開けると……。


「……で、出来たあああああああ!!」


俺の手元には、湯気を立てる「肉」が握られていた。


それも、サービスがいいのか「串付き」で。 しかも、絶妙な焼き加減でタレまでかかっている。


……ん? 生成魔法って、調理済みのものが出てくるのか?


うーん。 マーベラス。


……。 そういえばこれ、なんの肉だろうか。 魔牛? バース?


いや、細かいことは気にするな。 問題は、味だ。


俺は欲望のままに、肉にかぶりついた。


ガブッ。


「う、美味ええええええええッ!!」


口いっぱいに広がる、高級な脂の甘み。 これは……昨日の宴で食べた、あの最高級肉の味だ!


それを白い目で見ていた周囲のエルフ(狼ども)も、肉の匂いを察知して群がってきた。 「あ、ずりーぞ!」「俺にもくれ!」「その魔法教えろ!」


大騒ぎになった。


 *


結果だけ言おう。


俺は、「肉を作り出す魔法」を作ったつもりだった。 だが、世界の理は残酷だった。


俺が習得したのは、「近くにある肉を、手元に転移させる魔法(窃盗)」だったらしい。


後日。 ソウス様の夕食のメインディッシュが、突如として皿から消滅する事件が発生した。


俺がソウス様に呼び出され、正座させられてこっぴどく叱られたことは……事実ではない。


そう、嘘だ。 そんなことはなかった。


ああ。 それにしても、あの肉は美味しかったな。

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