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№ 70 ケレス、新たな神の使徒と心を交わし、約束する

 お草はケレスの問いに一生懸命答えてくれる。

 そして、そんな一途な お草に申し訳ないと思いつつもケレスは問いを重ねる。

 そうやってケレスと お草は話し元の部屋に戻ったがそこでは……。

「……世界で困ってる所とかがあったりしたら、

アマテラス様が水鏡を介して教えてくれるんだって!

 そして、ダーナが助けに行ったり、神の使徒を指名してくるんだって!」

 ケレスの問いにお草は生き生きと答えてくれた。

「へえ……。じゃあ、アマテラス様が お草ちゃんを指名したって事か。何か、凄いな!」

 そんな お草にケレスが感心すると、

「そ、そうなるね……」

と、もじもじしながら言った お草はケレスから視線を外した。

「ははっ。じゃあ、お草ちゃんなんて気安く呼べないな……」

 そんな お草の偉大さを感じたケレスだったが、

「そ、そんな事、言わないで!」

と、眉が下がった お草に訴えられ、

「でも、俺なんかが言ったら、嫌じゃないのか?」

と、お草の勢いに驚いたケレスが瞬きしながら言うと、

「嫌じゃない! そのままでいい‼」

と、首を横に強く振った お草に言われ、

「そうなのか? じゃあ、お草ちゃんのままで呼ばせてもらうよ」

と、ケレスが笑って言うと、お草はまた笑った。

(お草ちゃんにも色々とあるんだ……)

 お草の ころころ変わる表情を見たケレスはそう思った。

 だが、

「けど、お草ちゃんを指名した時って、光の神殿って使えなかったんじゃないのか?」

と、ふと気になった事をケレスが聞くと、

「お告げは光の神殿じゃなくっても、綺麗な水と世界樹の雫があれば出来るんだよ。

 でも、世界樹の雫は今回手に入れるのがとっても大変だったみたい……。

 力の民の人が数人がかりでやっと手に入れたって言ってた。

 それにしてもケレスさん、色々と知ってるね! お告げが本来は光の神殿で行われるって事とか……」

と、答えた お草が不思議そうに言ったので、

「ははっ。ま、まあねぇ……」

と、言ったケレスは苦笑いをしたが、

「じゃあ、最後に一つ、聞いてもいいかい?」

と、ケレスは話を変えた。

「いいよ。何でも聞いて!」

 すると、そう言ったお草はまた目を輝かせ、

「お草ちゃんが神の使徒になるって伝えてきたラタトスクの人って、どんな人かな?」

と、ケレスが聞くと、

三春ミハルさんだよ!」

と、お草は笑って答え、

「ミハルさん? ミハル、何て言うの?」

と、ケレスが聞くと、

「三春さんは、三春さんだよ!」

と、お草は答えたので、

「えっ? 何か名字とか、名前とかないの?」

と、驚いたケレスが聞くと、

「あのね、昴の者は男の人は異国で言う名字だけで呼ばれるの。名前と言われているのはないんだ。

 逆に、女の人には名字と言われているものはないよ。

 でも、それぞれで名前として扱われてるんだけどね。

 それでね、男の子供は父方の名の子って呼ばれるんだよ。

 あと、女の子は成人するまでは父方の何何って呼ばれるんだ!」

と、ふふっと笑った お草は答えた。

「へぇ。知らなかった!」

 お草の話で新たな事を知ったケレスの顔は綻んだが、

「でも、ケレスさんって高杉さんと一緒にいるんだよね? 高杉さんから聞いてなかったの?」

と、不思議そうな顔をした お草に言われ、

「そ、そうだった……。全然、気にしてなかったし、教えてもらってない……」

と、言ったケレスの左口角がピクピク動き出すと、

「ねえ、ケレスさんの名字って何?」

と、興味津々な顔をした お草から聞かれた。

「俺の名字? 実は、ないんだ」

 そして、ケレスがそう答えると、

「えっ、どうして⁉ だって、異国の人には、あるって聞いたよ?」

と、言った お草は目を丸くし、

「ははっ。あったんだろうけど、知らないんだ」

と、言ったケレスは自身の成り立ちを話した。

 両親が一歳の時に死んで、もうこの世界にいない事、顔すら知らない事、

蕾とやどり木の家の事等々を話していると、お草はケレスの目をずっと見つめ聴いていた。

「そんな事があったんだ……。ケレスさんも大変なんだね」

 ケレスが話し終えると溜息交じりに言った お草は視線を落としたが、

「もう、慣れてるから大丈夫。お草ちゃんには両親は、いるのかい?」

と、ケレスが聞くと、

「うん! 私には、お父さんも、お母さんもいる。とっても優しいんだ!」

と、視線を上げて言った お草は笑い、

「そっか。 お草ちゃん、良かったな!」

と、その笑顔で笑顔になれたケレスが言うと、

「うん! だから私、お父さんと、お母さんの為にも、ちゃんとやる事をやって帰りたいの!」

と、頷いた お草から言われ、

「そうだな。一緒に帰ろうな!」

と、ケレスが力強く言うと、お草は自身の右手の小指をケレスに向けてきたのである。

「えっと……、指切りかい?」

 そんな お草の行為を見たケレスが花梨とミューが指切りをした事を思い出すと、

お草は頷いたので、

「わかった!」

と、言ったケレスは お草と指切りをした。

「ところで、神の使徒って何人ぐらいいるの?

 お草ちゃんみたいな小さな子が危険な所に行くのってさぁ……」

 それから指切りを終えたケレスはその事で不安になったが、

「二人よ! 高杉さんと私のね」

と、平気な顔をした お草に言われ、

「えっ⁉ 先生がそうなのか⁉ てか、田爪って人は違うのか?」

と、驚いたケレスが何度も瞬きしながら言うと、

「神の使徒って、二人だけなんだ。

 一人が何らかの理由でいなくなると、アマテラス様が指名してくるんだよ。

 今回は私が洲之スノさんが死んじゃったから選ばれたけど、高杉さんはずっとそうだったよ。

 それと、田爪さんは昴にいる力の民で一番強い人だったから洲之スノさんに付いてただけで、

神の使徒じゃないんだ」

と、お草は説明してくれた。

「はぁ……。知らない事だらけだ……」

 何でも知っている お草の話でケレスが肩を落とすと、

「何でも聞いて! 私、ケレスさんの力になりたい!」

と、言った お草の瞳は輝いていた。

「お草ちゃん、ありがとう!」

 そんな お草の瞳は無邪気で、ケレスの力になりたいという事が真直ぐ伝わって来た。

 だから、ケレスは素直にそう言えたのである。

 だが、

(何か、お草ちゃんを騙しているみたいで、本当に気まずいや……。こんな、いい子を……)

と、思ったケレスは何とか表情を変えずに お草と接し続けていた。

 それから お草との話を終えたケレスはミュー達の所へ戻った。

 すると、

「……お草、話は終わったか?」

と、暗い表情の花梨に聞かれ、

「はい、花梨様。我儘を聞いてくださり、ありがとうございました」

と、緊張の面持ちの お草が答えると、

「ふむ……。わらわ、少々休みたい……」

と、暗い顔のままで言った花梨は頷き、、ケレス達がいる部屋から出て行ったので、

「か、花梨様⁉ お待ちください!」

と、お草と百合は慌てて花梨を追いかけて行った。

 それから鼻で深い溜息をついた高杉も花梨達を追い掛けたので、

ケレス達は二人とクリオネだけになったのである。

「……なあ、ミュー。花梨様、元気ないな」

 そして、花梨達がいなくなった部屋でケレスがミューを見ずにそう言うと、

「うん。そうみたい……」

と、言ったミューは溜息を漏らし、

「まあ、これから大変な事をするから、元気がある訳ないよな」

と、大きく息を吐いたケレスは言ったが、

「それだけじゃないみたい……」

と、ミューは元気なく言ったのである。

「それだけじゃない?」

 そのミューの言葉に首を傾げたケレスがミューを見ると、

「花梨、お姉ちゃんの事、気にしてるみたい……」

と、言ったミューは俯いており、

「そうだよな……。昴の人と姉ちゃんの関係を考えたら、そんな態度になるのも仕方がないか」

と、そのミューを見て心が苦しくなったケレスが眉を顰めて言うと、

この後俯いたままのミューからケレスは静かにある事を聞かれた。

 へぇ、ケレス君もこんな事が言える様になってたんだねぇ……。

 びっくりだわ!

 まあ、この連載が一年以上も続いているのだから、少しは成長してくれなきゃ困るってもんよ♪

 そんなケレス君の成長っぷりがもう少し見えるかもしれない次話のタイトルは、

【ケレス、因縁を乗り越え、二人の明るい未来への道を切り開く為の一歩を踏み出す】だ!

 ふぅ……、長いタイトルだ事……。間違えてたら、ごめんね?

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