前世タス異世界イコール数学~数学なんていらないらしい~
異世界なんて信じていない。
「ようこそ皆さま!ようこそ!」
信じれるのは己と数学のみ。
「皆様には特別な能力が一つ付随していらっしゃいます」
数学は裏切ることなく俺についてきてくれる。
「特に優遇させていただく能力は5つ。さらに希少な能力の保持者の方も積極的に優遇させていただきます!」
楽しい楽しい数学。
「しかし、必要のないゴミ同然の能力もあります。しかしそんな方にもある程度の支援はさせていただ
きます。いわばこれは『選別』。我としても多くの人役に立つことを願っております」
しかし今はもうない。
「は?『数学者』?いらないよ。こんなゴミ」
あるのは悲しみにまみれた現実のみ
「あ?なんつった!?」
今まで安定していた床が急に崩れる感覚もあまり慣れてないせいかフラフラしてしまう。
「こいつを収監しておけ!!」
今まで味わった事のない屈辱にはスズメの涙しか出ない。
「この我の前に立っていることすら恐れ多い異世界人が!このオトギの前にいる事すら、神のなさった
奇跡に近いような異世界人が、我に盾突くんじゃない!!」
目の前からすべてを奪われた感覚も眩い絶望に絶望に消えてゆく。
「本日は特別サドンデスに来ていただきありがとうございますー!」
僕はこの先どうやって生きてゆけばよいのか。
「それでは本日の断罪人の登場でーす!」
この感情をどこに捨てればよいのか。
「では皆さんカウントダウンをー、お願いします!」
いや面倒か。
「「5!」」
ここは異世界。
「「「4!」」」
持ってこれたのはこんな『ゴミ』だけ。
「「「「「3!」」」」」
でも………。
「「「「「「「「「「2!」」」」」」」」」」
こんなゴミでも。
「「「「「「「「「「「1!」」」」」」」」」」」
世界は変えられるだろうか?
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「0」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
あぁ、それにしても、
「あつい」