3話
途中で何かあると思いながらも何もなくベレンセナダ帝国の帝都に着いた。
馬車の窓越しに見ると
(紙びら?)
紙びらが民衆から撒かれていた。色とりどりの
民衆は笑顔だ
(ああ、確か帝国は、婚姻の時は色とりどりの紙びらを捲くんだったな。)
前世では帝国側の文化はあんまり知らなかったが結婚の前に読んだ帝国の結婚について書かれた本を読んで初めて知ったのだ
(歓迎されてんのか。)
複雑な気持ちだ
元は敵国の騎士団長だったレフ・ウトキンの記憶がある分に
「何後ろ向きになってる。俺
今から結婚式だ」
自分にいい聞かせる。
結婚式の場所になる教会では
「団長、その顔はちょっと・・・」
礼服を着ている夫となるフィリベルトにセースは言う
「何か問題でもあるか。」
「いえ、ありません。」
フィリベルトは無表情のままだ。
この結婚は、あくまで政略結婚で愛想などないに等しいフィリベルトはいつもの無表情のままだ
「噂じゃテッキトハウザー王国のお姫様は珍しい左右色違いの瞳らしいですよ。」
「・・・左右色違い・・・」
フィリベルトは思わず手を見る。
瞳の色が左右違う相手を見るのは人生で二度目だろう
左右の瞳の色が違う相手を殺した自分が言うのは変だが
「そうか・・・」
興味なさげに呟いた時だった。
「フィリベルト様。王女殿下がご到着なさいます」
入ってきたのは、フィリベルトの乳母だった
「ああ。」
これから妻となる年下の王女を出迎えるが何も思わない
(着いてしまった・・・・)
馬車が停まり結婚式の会場である教会に着いてしまった
いよいよ腹を本格的に括るしかない
「テッキトハウザー王国第一王女イルメントラウト・フォン・テッキトハウザー殿下、ご到着!!」
馬車の扉が開いた
「・・・姫、手を・・・」
扉の前に居たのは
(・・・・フィリベルト・デ・ベレンセナダかよ。当たり前だが)
前世の自分を殺した相手フィリベルト・デ・ベレンセナダが16年ぶりだがエスコートするため手を差し出して来たのだ
「あ、ありがとうございます。」
「・・・」
(無言かよ。)
イルメントラウトは夫となるフィリベルトの態度に思わず青筋を浮かべそうになったが何とか堪える
(コイツと結婚なんて俺、大丈夫か?)
早くも結婚式前に新たな生活に不安しかないイルメントラウトだった




