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第二王子の婚約者とは

 


 第二王子の婚約者である。

 引き篭もり気味の令嬢で子供時代のグラフィックはなくエンディング間近な年齢のグラフィックだけがあった。

 容貌をほぼ隠しているダークカラーの髪と細く猫背な体型。

 今思えば、結構高身長なのかも知れない。

 幼少期に第二王子のやんちゃに巻き込まれてそれで婚約者となったなんてエピソードがあったはずだ。人見知りな彼女は第二王子にだけ執着し捨てられることに怯えている自信のない、ただし超高魔力保持者で感情が乱れると暴走してしまう危険人物だ。

 つまり、私は彼女に貴女の大切は奪いません。私が初恋の彼を束縛するために貸してください。という意志を納得してもらう必要があるわけだ。うん。ひどい女だな。私。

 ゲーム設定ではそうだったけど、現実として今みる彼女の情報ってあんまりないんだよね。

 サーティオ公爵家の次女で訳ありなのに第二王子の婚約者。同じ家から第一王子、皇太子殿下の妃も出てるから権力被りすぎって貴族家からの王家への反発が少し高めらしい。

 ただ、サーティオ家が第二王子に王家の慣例を取り戻していただくと提唱して他の三公爵家の令嬢も第二王子の妃としていく案を出し受領され一応平和になったらしい。

 第一妃は第二王子の希望でサーティオ公爵令嬢らしい。

 この情報をお兄様から聞いた私は頭を横に倒した。

 なんかゲームと違うくなーい?

 いや、これ第二王子ハーレム構築義務なんだ。だから妃じゃなくて愛人狙いですってお兄様に告げれば分不相応なことを狙ってないならよろしいと褒められたんですけど、妃狙いなら見捨てたよってもう少しオブラートに包んで欲しいです。オブラートってなにと問われて造語ですと答えたら辞書をプレゼントされました。お兄様コレ凶器な重さです。私十歳女児です。


 自室に置いてきたはずの辞書が文机に置いてあります何事でしょうか。便利ですけど。

 自由時間を自室で第二王子の婚約者について思考する有意義な時間を過ごせるしあわせなんですが、たまにメープルの私への扱いに不満を覚えます。

 第二王子といえば私より二つ年上で月の半分を学園で、月の半分を王城で過ごしていらっしゃるはず。馬車で半日、馬で数時間の通学って大変そう。あ、違う。一応王族および高位貴族限定転移陣で直通コースがあるはずだわ。確かそんな設定をどこかで見た。

「お嬢様、もう少ししっかりなさいませ」

「はぁい」

 メープルに気のない返事を返してしまう。私なりに考えて動いてはいるんだよ。私なりに。

「……お疲れですか?」

「んー? 大丈夫よ」

 私がヘボでも主人公ボディは優秀高性能だ。受けた授業はきちんと身についていっている。

 ステータスの確認ができないのが残念なくらい。……パラメータ値上がってなかったらどうしよう?

 いや、本当に初期プレイスタイルの確定って大事でギリギリで補正していくの大変だから絶対余裕プレイが良くて。バイトより講座受講の方がパラメータ上がりはよかったはずだけど、あれ、もしかして隠しパラメータとかあるだろうけど、あ。それで対象との出会いイベント起こってない?

「メープル、私……お友達できないかもしれない……」

「え。今認識なさったんですか? 遅いでしょう?」

 なにを言ってるんだとばかりに真顔で言って、我慢できないとばかりに笑うメープル。

 え!?

 メープル酷くない!?


 でも、久々にメープルの自然な笑顔を見たからヨシ。

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