表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/42

マーゴットって誰?

 

 


 私より第二王子にふさわしいとか、兄様(おそらく魔王様)にふさわしいとか双子が吠えているんだけど、二万歩譲っておーじ様について言われるのはいい。実際仲いいからね。(脈のなさそうな恋愛の愚痴聞いてるだけだけど)でもね、別に邪魔しないよ?

 誰が魔王様攻略しようがおーじ様攻略しようが。

 おーじ様は政略上の問題多いからね。下手したら暗殺されるけど。潰したいならむしろ私より脈なし婚約者を攻略しないといけないんじゃないかしら?

 私所詮愛人狙いの女よ?

 まぁ双子をしめたあとジェニスジェファーのおじさまの飲食店に連れ込んでお茶しながらオハナシアイしてたら、聞き覚えのない名前を出されて騒がれたんです。私が悪いの? とジェニスジェファー(給仕バイトしていた)に目で訴えると肩をすくめられた。

 ところで私が勝ったんだけど、この二人今日ほとんど所持金がなかったのよね。マナー違反だわ。なにせここのお茶代私持ちだしね。


「んー、マーゴットって誰か知らないけれど、うまく立ち回れば王子殿下のお部屋付きくらいにならなれるんじゃないかしら? どんな方なの?」


 善意で聞いたら『コイツ何言ってんだ』って表情でドンびかれました。


「部屋付きって言えば愛人みたいなもんじゃないか!」

「マーゴットを馬鹿にしてんのかよ!」


 えー。

 私愛人狙いだから馬鹿にしてなんかいーなーいー。

 お部屋付きは愛人より殿下一人にすべてを捧げる立場だからね?

 双子はきゃんきゃんとマーゴット女史(たぶん)を褒め称え、私を見下すようにこき下ろす。

 あー。


「純愛教かぁ」


 クッソめんどい。

 吠えようとしたから、ちょっと押しとどめた。


「敗者が吠えないの。みっともないでしょう?」


 にっこり笑顔をむけて言えば、一応おとなしくなってくれた。

 今まで露骨には『あんた達は敗者』なんて伝えてはいなかったんだけど、ちょっと目にあまる舐めっぷりよね?

 次から敗北時の提出金払えるのか戦い前に聞かなくっちゃね。と微笑めばなお絶句したわ。


「個人的には純愛もその応援もけっこうなことだと思うわ。でもね、貴族の政略婚の在り方舐めていると痛いめにあうわよ。あなた方ではなく、そのマーゴット嬢が」


 間違いなく。

 自分達が守るとかとてもかろやかな決意表明をしているけれど、公爵家出てくるけど? 

 陛下と第一王子は出てこないと思うけど、止めはしないはずだし。公爵令嬢に『本当は君ひとりがいい』と一途な想い(たぶん空回り)を抱くおーじ様が靡くとは思えない。

 第二王子攻略に現状必要なことは第二王子本人の攻略と婚約者であるマリージア嬢の攻略だと思うのよね。まだマリージア嬢には会ったことないけど。


「こうしゃくけ?」


 ぽかんと双子がこぼす。


「え。あたりまえでしょう? 第二王子殿下の婚約者様は公爵家令嬢達よ? マーゴット嬢はそれより家格が上なら違うんだけど、立場はある程度わきまえなきゃ。ね?」


 敗者君達?



「それに伴侶候補に二人名前があがる方がふさわしいかしら?」


 ジェニスジェファーがのんびりとお菓子を双子の前に置いていた。




 妙に落ち込んだ双子を見送った後、休憩に入ったジェニスジェファーとお茶をする。


「ゲルトの友達ね。マーゴットって。なにかと気の合う同士らしくてよく一緒にいるのを見かけるわ」

「あー、貴族の血をひく平民ってとこ?」


 ジェニスジェファーがお菓子をつまみあげながら頷く。


「占い好きな子らしくてよく恋占いが得意な姐さんのとこ通ってるらしいわ」


 あー。

 もしかしてプレイヤー前世持ちだったりする?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ