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教会奉仕は継続中

 


 送迎をクオン様が飽きずに続けてくださっています。先日はじめてお支払いをしたことを話題にすると「わからないと思ってお釣や金額をごまかす売り子もいるので注意なさるように」と苦笑いされました。

 最近、第二王子様のそばにいる事が増えたらしくディルノ少年が槍術のコマで会った少女のことを話題にあげたとかで「フローレンス嬢でしょ?」と確認をとられた。


「知らないところで王子様に乱暴な女の子と思われてしまうのはちょっと傷つきます」

「大丈夫だよ。魔物の暴走の時、対応していく手法を模索しているのは大切なことでしょうと水をむけたら、ご自身の鍛練にもっと身を入れることになさるそうだから。好印象をお持ちになったくらいだと思うよ?」


 魔物の暴走で移民となったクオン様の懐いた印象ですが、愛人に必要なステータスの加減が記憶から薄れているような、つい成長できる快楽にハマり過ぎているようなゲーム情報とのズレが不安というか、ああ、そうだ。ゲーム内では出会ったらそのコマ分勝手に会話と時間が過ぎていってキーワードとなる選択肢があるくらいだった。

 現実に生きていると会話はキーワードだけではすまないし、伝え方を間違えると伝わらないし、言葉だけじゃなくて仕草や声、表情も重要になっていく。


「不安? フローレンス嬢もさすがに王子様には興味があるんだ。すこし意外だ」

「意外?」


 え?

 王子様の愛人になろうと頑張っている最中なんですけど?

 なぜか意外と言われて笑われたんですけど?


「ああ、ごめんね。フローレンス嬢は王子様を見ようと木陰に集う少女のつどいには紛れ込めるとは思えなくて」



 なんだ。その少女のつどいって。



 少女のつどいとは、王子様を『素敵ね』と鑑賞する会で貴族令嬢の会と平民の会があり、共に会の規律として抜けがけ禁止令があるそうです。(ニオベ様と教会奉仕仲間のお姉様談)

 そんなのあったの!?

 ゲーム内で知らない!

 え?

 主人公空気読まないで存在スルーしていたってこと?

 あ。

 友人は特定固定だったし、話題になってなかった?

 王子様ルートの時、どうだっけ?

 狙っていた時は最初からそのルート用にステータス上げ倒して交友交流も必要最低限で……だからそのルート狙いの時はみんな「貴女なら大丈夫よ」って応援してくれていた……。これ、ステータス足りなければ忠告されてたかも知れないヤツでは?

 王子様ルートで攻略対象途中変更した以外のバッドエンドは全チェックなんてしてないしなぁ。

 ニオベ様に髪を撫でながら微笑ましげに言われたんです。


「アガタさんは恋より自己研鑽大好きさんですのに王子様には憧れてらっしゃるなんてかわいいわ」

「あら、アガタさん。王子様に憧れるのはよろしいですけれど、『私だけをみて』と望まれたりなさらないようにね。アガタさんはかわいい妹のようですもの。幸せになってほしいわ」


 などと教会奉仕仲間のお姉様達にも言われてしまう始末。

 しかし、ここで第二王子ハーレムの外周部に所属したいんですとは宣言できようはずもなく。

 えへへ。と笑って流すのみ。

 十一歳女児はもう少し恋には夢を見ているものではないかと思うのです。

 え。私が十一歳女児に夢見てる?

 いいじゃないですか。

 私は私の速度で人生に夢を見続けるんです!





 ところで髪を撫でてくださるニオベ様の手が気持ち良くて寝そう。

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