将来の夢は
王子様の愛人になって初恋の人を夫として確保するという人としてどーなの。と思ってしまう計画だ。
好きな人には振られたけれど、やっぱり好きだから他の人と並んでる姿なんて見たくなくてお兄様に目指す方向性を伝えれば、きっと彼を確保しておくと考えた。他の家、他の派閥に辺境公の愛人の夫という地位と権力を与えるのをよしとはしないだろうから。お兄様はそんな方だ。将来的お兄様は第一王子。つまり未来の陛下のおそばにつくか、第一王子のお子様の教育係の一端を目指しているそうです。
目的のためには奥方を三人くらい娶りたいらしいんですが現状陛下も第一王子様も「ただ一人の運命」に夢中で貫いちゃっているせいで当国における一夫多妻制がここ二十年ばかり揺らいじゃっているんですよね。
陛下も王子様も自分が貫いているだけで他者に強要はしていないのですが、なんとなく忖度しちゃうというか、元々、王室より多い細君というのは控えられていたのに、王室より少ないとしたら妻を娶れない事実。
なかなか愛人や第二夫人すら難しい空気というものがあるらしい。
ちなみにおかあさまは正妃一人と定めたことは陛下唯一の汚点。私は第二夫人、第三夫人とお茶を楽しみながら領地管理していたかった。が口癖です。つまり私の実母は別に邪険にされてなどいなかったもよう。
貴族子女は長期の教育を受けます。
少なからず人を雇っての家庭学習期間もあります。
他家に嫁ぐことでその学習成果を発揮していくもの。つまり有用な嫁入り技能なのです。
私のおかあさまからの評価は比較的低いと思われます。
別の言い方をしますと未婚の貴族子女に許された就職先は自家より高位かつ派閥家での侍女かメイド。同年代の娘さんとか奥様が学園での顔見知りとかなると居心地悪そうです。ですから王宮勤めのメイド、侍女を目指すのが主流です。婚活も兼ねてらっしゃる方が多いそうです。一度結婚してしまえば、子女のための家庭教師や図書館司書国立施設の事務などに勤めることが許されます。
どんなに学園で成績を上げても貴族令嬢である限り就職の門は狭いのです。
ポンと身分、つまり家を捨てると魔法師団だろうが騎士団だろうが就職先は多量なんですよね。
国の政の重鎮にまで出世され自身で爵位取得なされた才媛もおられるくらいに。(当時の王様に妃として召し上げられたらしいですが)
メイド侍女に就職できず、嫁ぎ先も見つからなかった貴族令嬢のいきつく先として高齢貴族の後妻、三番目の妻、愛人。そして商家に嫁ぐがあります。
双方ともお家に有益です。
どう折り合いをつけるかが大事なんでしょうね。
高齢貴族の殿方はまだ複数の妃を娶られた陛下が基準だと嘯いてらっしゃるのです。
そして陛下はもう仕方ないが次世代は! と力を入れた包囲網を掻い潜り教会で神の名と開国王の名にかけて「死が二人を別つまで我が伴侶はただ一人」と熱愛宣言されてしまったわけで。かなりの貴族が実は地味に困っているのです。
高学歴な御令嬢というのは次世代を産むだけでなく、社交、事務実務、時に芸術に地所の発展要員でもあるからです。
このままでいくとお兄様の世代は親世代からの補助が減り、自身が得れる補助も妻が一人となると厳しいことになるとは周知されているのです。
だから第二王子様ハーレム計画があるんですよね。
目指せ。愛人として潜りこみ!
愛人なら名目上貴族位のある夫が必要だからお兄様がいて貴族位を失う予定の彼も貴族でいられるし。庶民に落ちるとしても恥も外聞もなくへばりついてみせる!
それが私の目的にして夢。彼をずっと見ていたい。
ゲーム中第二王子様って本気になったら一途設定だったと思うんだけど、現実ではどうなのかな?




